2023明治安田生命J1リーグの第12節は5月6日~7日に8試合が行われ、浦和レッズのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝スケジュールの都合上延期分(浦和対湘南ベルマーレ4-1)が、6月28日に遅れて開催された。
第12節ではヴィッセル神戸が快勝(5月7日、対横浜FC3-0)。

GK:前川黛也(ヴィッセル神戸)
第12節、見事な完封勝利で勝ち点3をものにしたヴィッセル神戸(対横浜FC3-0)。第11節(対名古屋グランパス2-2)に終了間際の失点で勝ち点3を取り切れなかった反省も活かした。そんな完封劇に大きく貢献したのがGK前川黛也だ。安定したハイボール処理で決定機を作らせず、強烈なミドルシュートやグラウンダーの難しい軌道に対しても冷静に対応。決してゴールを割らせないという気迫を試合を通じて見せつけた。

DF:田中駿汰(北海道コンサドーレ札幌)
今2023シーズン、J1クラブの中でも屈指の攻撃力を見せている北海道コンサドーレ札幌。一方で失点も多いのが課題ではあり、大勝した第12節も完封とはならなかった(対FC東京5-1)。しかし守備陣の一翼を担いながら、DF田中駿汰の攻撃への貢献度は高かった。前線に顔を出してはスルーパスや背後へのパスでチャンスメイクを多く見せ、2点目のシーンでは起点になり大量得点につながる働きを果たしていた。

DF:関川郁万(鹿島アントラーズ)
鹿島アントラーズは、第12節でセレッソ大阪を相手に1-0で接戦をものにし、4月23日の第9節新潟戦(2-0)から続く連勝を4に伸ばした。雨で難しいピッチコンディション。守備陣の対応にも慎重さが求められる中、安定した守備と唯一の得点で勝利に貢献したのがDF関川郁万だ。両チーム決してチャンスシーンが多いわけではなかったが、関川がセットプレーのチャンスを見事に活かし先制点をマーク。そのほか鋭い縦パスを前線へ供給するなど、攻守に躍動した。

DF:車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
リーグ戦ホーム初勝利を狙って第12節に臨んだ川崎フロンターレ。サガン鳥栖を相手に後半開始早々に得た「虎の子の1点」を守り抜いた(1-0)。4月29日の第10節アビスパ福岡戦(3-1)より3連勝を達成。1点を争う攻防が見られた同試合では、DF車屋紳太郎の積極的な攻撃参加が目立った。スピード感あふれるオーバーラップや、豪快かつ狙いすましたミドルシュートなど見せ場を数多く作り、勝利に大きく貢献した。

MF:稲垣祥(名古屋グランパス)
リーグでも屈指の堅牢な守備を誇る名古屋グランパス。第8節から第11節までの4試合はいずれも失点があり、うち3試合は引き分けていたが、第12節は久々のクリーンシートで勝利(対ガンバ大阪1-0)。その中、攻守に渡って勝利へ大きく貢献したのがMF稲垣祥だ。守備では鋭く素早いチェックで相手の自由を奪い、FW宇佐美貴史からボールを奪う場面もあった。攻撃では何といってもこの試合唯一の得点となった先制点を挙げたことで、チームに4試合ぶりの勝利をもたらしていた。

MF:川村拓夢(サンフレッチェ広島)
前半のうちに先制されながらも、後半一気に逆転し勝利を収めた第12節のサンフレッチェ広島(対アビスパ福岡3-1)。難しい試合展開の中、豊富な運動量でチームを支えたのがMF川村拓夢だ。終盤まで落ちないその運動量と切り替えの早さで攻守に躍動。極めつけはカウンターの起点となり、自ら得たチャンスを決めきる勝負強さを発揮。とどめの3点目を挙げて勝利に大きく貢献した。

MF:菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)
第12節でFC東京を相手に大勝を収めた北海道コンサドーレ札幌(5-1)。うち2ゴールを挙げる活躍を見せたのが、左のウイングバックとして起用されたMF菅大輝だ。最初のチャンスこそ弱くキーパー正面のシュートになってしまったが、次のチャンス1点目のシーンでは「らしさ」全開。左足一閃の鋭いシュートでネットを揺らし、2点目は冷静に右足でコースを狙ったシュートでゴールを奪って勝利に貢献した。

MF:金子拓郎(北海道コンサドーレ札幌)
2023シーズンも多くの試合でドリブル突破を中心に攻撃力を見せつけている北海道コンサドーレ札幌のMF金子拓郎は、第12節でも躍動した(対FC東京5-1)。序盤から右サイドからのチャンスメイクで貢献し、前半PKの場面でも落ち着いたシュートでチームにとっての3点目を生み出している。さらに終盤には大量リードの余裕もあってか、相手を華麗にかわしてこの日2ゴール目を挙げ、チームに勢いをつける大勝に一役買った。

MF:関根貴大(浦和レッズ)
5月に未消化だった第12節を制して上位との差を縮めたい浦和レッズ。ホームに湘南ベルマーレを迎え4-1と快勝で終えた。直近3試合はいずれも引き分けと足踏み状態だっただけに、残る後半戦に向けて大きな自信となったことだろう。そんな1戦で一際輝きを放ったのがMF関根貴大だ。序盤から意表をついた縦パスや、エリア内をえぐるドリブルでチャンスを作り、後半には冷静に相手の動きを見ながらのシュートで勝ち越しゴール。さらに直後にもグラウンダーのクロスに合わせて2点目を挙げ、勝利の立役者となった。

FW:ヤン・マテウス(横浜F・マリノス)
第11節の3得点(対サガン鳥栖3-1)に続き、第12節でも4得点と多くのゴールを奪って勝利した横浜F・マリノス(対京都サンガ4-1)。中でも1ゴール1アシストで躍動したのが、FWヤン・マテウスだ。

FW:大迫勇也(ヴィッセル神戸)
開幕から好調のヴィッセル神戸は、第12節で横浜FCと対戦。第11節(対名古屋グランパス2-2)で終了間際に追いつかれた悔しさを払拭する3-0の快勝となった。この試合、FW大迫勇也はさすがの存在感を放った。前半終了間際に自ら獲得したPKを冷静に沈めると、後半開始早々には冷静なトラップからのボレーで2点目を挙げた。さらにその直後にはスルーパスで3点目の起点となり、3ゴールすべてに絡む働きでチームに勝利をもたらした。