AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022の決勝スケジュールとの兼ね合いで、明治安田生命J1リーグの第10節は4月29日と5月10日に分かれて開催された。苦しい序盤戦を過ごしてきた鹿島アントラーズがガンバ大阪相手に4-0と快勝。
ここでは、そんなJ1第10節で活躍した選手たちをベストイレブン形式で紹介していく。

GK:朴一圭(サガン鳥栖)
ACLを制しアジア王者となった浦和レッズの本拠地、埼玉スタジアム2002に乗り込んだサガン鳥栖。浦和の苛烈な攻撃に晒されながらも、鳥栖はGK朴一圭を中心に守備陣が奮闘。2-0と完封勝利を収め連敗を2で止めた。朴はこの試合、前半はミドルシュートのこぼれ球に詰められた至近距離からのシュートをセーブ。後半にも意表を突くミドルレンジからのシュートを冷静にパンチングで対応するなど、終始安定感のある働きで無失点勝利に貢献した。

DF:関川郁万(鹿島アントラーズ)
今第10節では今季初の連勝を果たした鹿島アントラーズ(対ガンバ大阪4-0)。4得点と爆発した攻撃陣に目が向く一方、2試合連続となるクリーンシートを達成した守備陣の活躍も称賛に値する。特にDF関川郁万は、相手の攻撃の要であったFW宇佐美貴史やFWイッサム・ジェバリの前に立ちはだかり続けた。新加入選手の豪華さから、ポジション争いも熾烈になっているだろうが、鹿島の未来を担う1人として関川のさらなる成長に期待したい。

DF:田中駿汰(北海道コンサドーレ札幌)
今季ここまで、リーグでも屈指の攻撃力を見せ続けている北海道コンサドーレ札幌。そんな中で、DFラインの一角を担いながら効果的な縦パスや前線への上がりを見せ分厚い攻撃にも貢献しているDF田中駿汰は、横浜FCにとどめを刺す活躍を見せた。前半の失点シーンでは、外につり出され中への折り返しを許してしまった田中だが、終了間際にチームの4点目をマーク。守備ではなく攻撃で横浜FCの攻勢を削いだ(対横浜FC4-1)。

DF:登里享平(川崎フロンターレ)
怪我人続出で開幕から苦しむ川崎フロンターレ。対して開幕から好調のアビスパ福岡を相手にした今第10節だったが、DF登里享平がもたらした先制点で勢いに乗り久々に勝利を収めた(3-1)。左サイドバックとしてスタメン出場を果たした登里は、ゲーム序盤に逆サイドからの崩しに反応してゴールを奪うと、その後も鋭いクロスで2点目のきっかけを作るなど躍動。ベテランらしい活躍で難敵撃破に貢献した。
※下記DF初瀬亮(ヴィッセル神戸)とは同サイドだが活躍度合いから選出。

DF:初瀬亮(ヴィッセル神戸)
首位をひた走るヴィッセル神戸は、今第10節で湘南ベルマーレと対戦し2-0と完封勝利を果たした。この試合でフリーキックから華麗なゴールで先制点を挙げ、勝利に大きく貢献したのがDF初瀬亮だ。高精度のキックで今季もチャンスを多く生み出している初瀬。前半中盤に得たフリーキックをゴール左上に突き刺し鮮やかなゴールシーンを創り出した。守備面でも2試合連続失点していた中で身体を張る場面を多く見せ、完封勝利に貢献。首位を走るチームにおいて攻守に渡って躍動した。
※上記DF登里享平(川崎フロンターレ)とは同サイドだが活躍度合いから選出。

MF:川村拓夢(サンフレッチェ広島)
セレッソ大阪を相手に、最終盤の劇的ゴールで勝利を収めたサンフレッチェ広島(1-0)。そんな緊迫した試合展開の中、攻守に渡り豊富な運動量で貢献したのがMF川村拓夢だ。ボールホルダーに対して厳しく素早いチェックで自由を与えず、MF香川真司に対しても簡単にはプレイを許さなかった。

MF:ジョアン・シミッチ(川崎フロンターレ)
4戦ぶりに白星を挙げた第10節の川崎フロンターレ。チームを勢いづける勝利に、MFジョアン・シミッチが高い献身性と守備力で貢献した。出足の鋭い積極的なチェックで出し手に前を向かせず攻撃を停滞させ続け、自チームのセットプレーチャンスでは、ターゲットの1人として高さと強さを見せていた。攻撃陣にはアイデアあふれる選手の多い川崎なだけに、シミッチの働きによって中盤で奪いどころが作れるかどうかは、低迷するチームを復調させられるかに大きく影響すると言えよう。

MF:浅野雄也(北海道コンサドーレ札幌)
今季ここまでも、スピードと決定力を遺憾なく発揮しているMF浅野雄也は、第10節でも圧巻の活躍を見せた(対横浜FC4-1)。開始早々、不運な形で失点したものの、相手のミスを見逃さない浅野のミドルで同点にすると、逆転の場面では強烈なシュートでGKのファンブルを誘い、勝利を決定づける3点目も奪って見せた。新加入ながら早くもチームにフィットしている浅野の活躍からは今後も目が離せない。

MF:土居聖真(鹿島アントラーズ)
ガンバ大阪を相手に4-0と勝利し、連勝を果たした鹿島アントラーズ。そんな快勝の立役者となったのが、途中出場ながら2ゴールを奪ったMF土居聖真だ。2-0とリードする展開で投入された土居だったが、攻撃の手を緩めることなく最終盤に立て続けにエリアの内外からそれぞれ1ゴールずつをマーク。改めて自身の攻撃能力の高さを示し、チームを上昇気流に乗せる活躍を見せた。

FW:仲川輝人(FC東京)
今季初の連勝を果たした第10節のFC東京(対アルビレックス新潟2-1)。そんな中、持ち味を存分に発揮していたのがFW仲川輝人だ。先制点となったカウンターの場面ではスピードと決定力を見せつけ、後半にはPK獲得につながるボールタッチ。さらに自陣からの持ち上がりでは、もはやファールでしか止められないスピード感と強さを見せていた。

FW:鈴木優磨(鹿島アントラーズ)
今季初の連勝がかかった重要な試合。エースFW鈴木優磨の活躍は圧巻の一言だった。攻撃ではFW垣田裕暉が最前線にいることで、鈴木自身は後ろからの作りにも積極的に参加し攻撃にリズムをもたらし、守備でも機を見たプレスバックを見せていた。極めつけは3戦連発となるゴール奪取と、文句なしの活躍でチームの連勝に貢献した(対ガンバ大阪4-0)。