今夏に行われた2023FIFAワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会で、なでしこジャパンこと日本女子代表のMF宮澤ひなたが、大会得点王に贈られるゴールデンブーツ賞を獲得したのは記憶に新しいことだろう。その圧倒的なスピードと5ゴールという見事なパフォーマンスは他選手との差を見せつけた。

そして、W杯終了後から噂されていた宮澤の海外移籍が、先日ついに現実のものとなった。

宮澤は、2021年2月から在籍していたマイナビ仙台レディースを8月25日に離脱し、9月6日にイングランド1部のマンチェスター・ユナイテッド・ウィメン(ユナイテッド女子)に完全移籍することが決定。W杯のヒロインが日本を飛び立ち、サッカーの本場イングランドで新たな経験を積むことになった。

果たして、宮澤が所属するユナイテッド女子とはどんなクラブなのだろうか?この記事では同クラブの情報やオンラインでの試合視聴方法、現地観戦のお役立ち情報などをまとめて紹介しよう!

赤い悪魔と新契約!宮澤ひなたが挑むWSLを観戦しよう【2023/24】

マンチェスターのビッグクラブ「赤い悪魔」

宮澤の新天地であるユナイテッドは、イングランド北西部の主要都市マンチェスターを本拠地としているプロサッカークラブで、女子チームは2018年に創設された。男子のホームスタジアムであるオールド・トラッフォードからやや北西に位置するリーという町に、ユナイテッド女子の活動拠点であるリー・スポーツ・ビレッジがある。

マンチェスターを拠点とするもう1つのクラブがマンチェスター・シティ。その女子チームであるマンチェスター・シティ・ウィメンズ(シティ女子)には現在、日本女子代表MF長谷川唯が所属している。さらに、ユナイテッド女子の本拠地から車で西へ約50分の場所にある港町リバプールを本拠地としているリバプール女子には、宮澤のマイナビ仙台レディース時代のチームメイトでもあるMF長野風花が所属している。

つまり、イングランド北西部の名門クラブに、3人のなでしこ達が集結したという訳だ。また、イングランド南部のロンドンを本拠地とするウェストハム・ユナイテッド・ウィメンには、DF清水梨紗とMF林穂之香が所属している。

ユナイテッドは別名「レッド・デビルズ(赤い悪魔)」と呼ばれている。その強さや赤いユニフォームに由来した愛称で、現在は公式エンブレムにも悪魔のイラストが描かれている。実はこの悪魔、元々は同じ地域内で約150年の歴史を持ち、通称「赤鬼」と呼ばれるラグビークラブ「サルフォード・レッドデビルズ」の公式デザインから影響を受けたと言われている。

宮澤はユナイテッドのメインカラーである赤色のホームユニフォームがお気に入りの様子。その姿はユナイテッドの公式YouTubeチャンネルで視聴可能だ(9月7日公開動画『A Golden Boot Winner Is Red』)。

赤い悪魔と新契約!宮澤ひなたが挑むWSLを観戦しよう【2023/24】

初優勝を狙うユナイテッド女子

ユナイテッド女子は創設の翌年2019/20シーズンからイングランド1部のウィメンズ・スーパーリーグ(WSL)に所属しており、その後は2021/22シーズンまでリーグ全12クラブ中で第4位の成績を保っていた。昨2022/23シーズンには初優勝まであと一歩のところまで到達したのだが、2019/20シーズンから連覇達成中のチェルシー女子に勝ち点わずか2ポイント差で女王の座を奪われてしまう。

しかし、これまで4位止まりだった記録を2位まで上げることに成功し、好調な状態で今2023/24シーズンを迎えているユナイテッド女子。今度こそ初優勝に辿り着くことができるか、大きな期待がかかる。日本時間の10月1日(日)20時30分に開幕するWSL第1節は、ユナイテッド女子VSアストン・ビラ女子の試合からスタート。果たして宮澤はスタメン出場でWSLデビューを飾り、初優勝を目指すチームに貢献する活躍を見せられるだろうか?

今夏の移籍シーズン中に宮澤も含め各クラブ選手の入れ替わりが多かったため、これがWSLのランキングにどのような影響を与えるか非常に楽しみだ。

赤い悪魔と新契約!宮澤ひなたが挑むWSLを観戦しよう【2023/24】

WSLのオンライン視聴方法と現地までのルート

日本を離れユナイテッド女子の一員となった宮澤。ファンにとっては海外で活躍する宮澤をこれまで同様に応援したいところだろう。

WSLの試合は日本からも無料でオンライン視聴可能だ。イングランドのフットボール・アソシエーションが提供している『The FA Player』の公式サイトから「Barclay’s Women’s Super League(WSL)」のカテゴリーを選択し「Live」をクリックすると各試合のライブ配信が観られる(実況言語は英語)。

また、これを機にサッカーの本場イングランドのスタジアムで直接WSLの試合を観戦し、宮澤を応援したいと思う人もいるのではないだろうか。

渡英するなら、航空券の価格が比較的落ち着く11月~2月の冬季、または3月~4月の春が狙い目だ。WSLの試合は全22節あるため、2024年5月18日まで試合が行われる(基本的に土日開催)。既に全日程が公開されているため、旅行スケジュールも計画しやすいはずだ。観戦チケットはクラブの公式サイトから事前購入が可能。それぞれの画面案内に従って、希望の座席エリアと枚数を選択して購入できる。

ユナイテッド女子のホームスタジアムであるリー・スポーツ・ビレッジでの観戦を希望する場合、日本からマンチェスターまで行くことになるのだが、現時点では直行便が無いため乗り継ぎが必須となる。おすすめのルートは、日本からロンドンのヒースロー空港まで飛び、ロンドン市内にあるユーストン駅から列車(アバンティ・ウェスト・コースト)でマンチェスターのピカデリー駅まで行くコースだ。ロンドンからの所要時間は約2時間とやや長距離移動となるが、費用は日本円で約9千円(現時点でのレート換算)。平日の日中は朝夕の出退勤時間を外した「オフピーク価格」が適用され8千円台で移動できるため、より費用を抑えられる。

ヒースロー空港から高速バスまたは国内飛行機での移動という手段もあるのだが、前者は長時間移動(約6時間)となり、後者は費用が嵩むため前述の列車移動が経済的で利用しやすい手段だろう。

なお、現地での列車移動や日本で旅程を検討する際に役立つのが『Trainline』というアプリケーションだ。パソコンまたはスマートフォンでのダウンロードも可能。

現地イングランドの路線検索や価格などを簡単に確認できるので、現地観戦を計画している方にはおすすめのアプリケーションだ。イングランドで活躍する日本の女子選手たちを、みんなで応援しよう!

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