日本代表は9月10日に国際親善試合でドイツ代表と戦い4-1、9月12日にはキリンチャンレンジカップ2023でトルコ代表と戦い4-2と2勝を挙げ、欧州遠征を実りある形で終えた。海外で活躍する選手たちを主軸に欧州の強豪国撃破を果たしたわけだが、初招集となったDF毎熊晟矢(セレッソ大阪)をはじめ、Jリーグで活躍する選手たちも大いに貢献しており、改めて日本国内で力をつけている選手の存在感を示せた2戦だったと言えよう。

ここでは、今回も含めこれまでA代表での出場歴がない選手の中で、今後、日本代表としての活躍が期待されるJリーガーたちをベストイレブン形式で紹介していく。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

GK:早川友基(鹿島アントラーズ

現在ポルトガル1部のポルティモネンセに所属しているGK中村航輔が選出され、激化している日本代表の守護神争い。JリーグからもGK大迫敬介(サンフレッチェ広島)が選出されドイツ戦で活躍したが、同世代で言えば鹿島アントラーズのGK早川友基も今季安定した働きを見せている選手の1人ではないだろうか。

早川は今2023シーズン、リーグ戦は全試合スタメン出場を果たしている。日本代表経験もあるDFと強固な守備陣を形成し、無失点は26試合中12試合と半数近くにまで上る。安定したセービングに加えて足元の技術にも長けており、後方からのつなぎにも自信のほどが伺える。今回選出された選手も含め、海外所属組のGKが増えているものの、国内で確かな実績を挙げつつある早川にも今後声がかかる可能性は十分あるだろう。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

DF:藤井陽也(名古屋グランパス

今年3月のキリンチャレンジカップ2023で初招集されたDF藤井陽也。22歳にして、堅守を誇る名古屋グランパスで守備陣の一角を担っていることから、当然今後は代表での活躍も期待される選手の1人だろう。

守備能力もさることながら、自陣からの持ち運びや的確なパス、ミドルシュートも得意としており攻撃にもアクセントをつけられることは間違いない。3月の2試合(ウルグアイ戦(1-1)、コロンビア戦(1-2))では残念ながらピッチに立つことがなかった藤井。次回招集時は、Jリーグで磨いているその高い技術を世界の舞台で見せてほしいものだ。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

DF:関川郁万(鹿島アントラーズ)

明治安田生命J1リーグ開幕前、日本代表での経験を持つDF植田直通やDF昌子源ら即戦力を獲得して2023シーズンに臨んだ鹿島アントラーズ。そんな2名との激しいポジション争いを展開し、今季急成長を遂げているのがDF関川郁万だ。

競り合いや空中戦で見せるフィジカルの強さはもちろん、カバーリング能力にもより頼もしさが出てきている。

また、時折見せる縦パスの精度も高く、攻撃のスイッチ役としても機能している。現在の日本代表は、DF陣も海外で活躍する選手がずらりと並んでいる。だが、Jリーグで際立つ関川のポテンシャルを見ると、1度はその姿を代表戦でも見てみたい思うのは当然ではないだろうか。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

DF:白井康介(FC東京

今夏、京都サンガからFC東京へ電撃移籍を果たしたDF白井康介。166cmと小柄ながら、常に上下動を繰り返し攻守に躍動する運動量が大きな持ち味だ。FC東京の右サイドバックで言えば、主力として活躍していたDF中村帆高が怪我により長期離脱。白井の加入で最良の補強ができたと言える。

白井にしてみれば、ポジション争いのライバルが復帰する前に、新天地で実績を作る必要があるだろう。

日本代表の右サイドバックは、ようやくDF菅原由勢(アルクマール)が定着しDF酒井宏樹浦和レッズ)の後釜争いに終わりが見えつつあるが、優秀な候補選手は当然多い方がいい。白井にはその豊富な運動量を武器に、日本代表でのポジション争いにも加わってほしいものだ。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

DF:明本考浩(浦和レッズ)

2021シーズン、J2の栃木SCから浦和レッズへ個人昇格を果たしたDF明本考浩。浦和に来てからも複数のポジションを任されているが、主に左サイドバックとして出場機会を得ている。そのポリバレントさが最大の持ち味。

試合中のシステム変更や立ち位置の変更に対しても柔軟に対応でき、またどこを任されようと得点を狙える攻撃力も持っている。

左サイドバックはまだまだ不動とは言えない状況の日本代表。実際、DF伊藤洋輝(シュトゥットガルト)が筆頭ではあるものの、JリーグからもDF森下龍矢(名古屋グランパス)やDFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)など新戦力も試している。明本も候補の1人として、十分可能性があると言えるのではないだろうか。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

MF:渡辺皓太(横浜F・マリノス

連続で選出されたMF伊藤敦樹(浦和レッズ)や、前回選出されながらも途中離脱したMF川村拓夢(サンフレッチェ広島)と、直近の代表活動において中盤の底はJリーグからの選出も複数出ている。だからこそ、昨年のJリーグ王者横浜F・マリノスを支えるMF渡辺皓太も今後メンバーに絡んで欲しい選手の1人だ。

自陣での安定した守備や繋ぎ役としての働きはもちろん、1つのパスで局面を打開する展開力や強烈なミドルシュートも兼ね備えている。さらに、試合終盤までそのクオリティを落とさないことが大きな強みだ。

ポジションを争うライバルは国内外に数多くいるが、比較対象として試される価値は十分にある。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

MF:河原創(サガン鳥栖

今季は自身初となるJ1の舞台に挑んでいるMF河原創。昨2022シーズンのJ2では、ロアッソ熊本の中心選手として活躍しチームトップとなる12アシストをマークしている。J1にステップアップしてなお、その能力の高さは随所に見られる。サガン鳥栖の中盤底を支える存在として十分な存在感を見せていると言えよう。

ゲームメイクももちろんだが、90分間落ちない運動量とボール奪取能力も大きな魅力。まだ25歳と伸びしろたっぷりなこともプラス要素だ。

とはいえ、今季ここまで1ゴール1アシストと、数字は少し寂しい。今後の代表活動に絡むためにも、J1の舞台でよりチームを勝たせる働きに期待したい。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

MF:樋口雄太(鹿島アントラーズ)

今季のJ1リーグで、アシストランキングトップを走るMF樋口雄太も代表で見たい選手の1人だ。昨2022シーズンから引き続き鹿島アントラーズの主力として活躍しており、3ゴール11アシストで上位につける鹿島を支えている。

キック精度が極めて高く、とりわけ鹿島に空中戦の強い選手が揃っていることも相まって、よりその存在感が際立つ。現在の日本代表には、かつての中村俊輔本田圭佑のような絶対的なキッカーは不在。そんな不足を補える選手としても、樋口の代表入りには今後期待が高まりそうだ。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

MF:浅野雄也(北海道コンサドーレ札幌

今季サンフレッチェ広島から北海道コンサドーレ札幌に活躍の場を移したMF浅野雄也。昨年広島ではリーグ戦無得点に終わったが、環境を変えた今季はその得点能力に磨きがかかっている。ここまで10得点はリーグ5位。動き出しの質の高さや突破力はもちろん、シュート精度も大きな魅力。

今回の欧州遠征では、兄であるFW浅野拓磨(ボーフム)がドイツ戦でゴールを挙げるなど活躍を見せた。Jリーグで活躍する弟雄也の存在感が増す昨今、代表戦での兄弟共闘が見られる日も近いかもしれない。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

FW:山岸祐也(アビスパ福岡

昨2022シーズンは14位フィニッシュと、残留争いに巻き込まれたアビスパ福岡。しかし、今季はここまで8位とチームとしてのレベルアップが見られる。そんな福岡の攻撃で核となっているのがFW山岸祐也だ。背後への抜け出し、ミドルシュート、ヘディング、突破からなどゴールパターンも豊富。シュートの上手さも相まって高い決定力を誇っている。

今の日本代表にも、FW上田綺世(フェイエノールト)のようなどこからでもゴールを狙えるタイプはいる。しかし、好調な福岡を牽引するストライカーに代表でのチャンスが来ても不思議はない。30歳とベテランの域に入りつつあるが、だからこそ円熟味を増す前線でのプレーを代表戦でも見てみたいものだ。

日本代表での活躍が見たい!出場歴のないJリーガーベストイレブン

FW:鈴木優磨(鹿島アントラーズ)

2018年に日本代表メンバーに選出されるも、怪我で辞退したFW鈴木優磨。その後、日本代表に招集されない理由については様々な噂が飛び交っている。しかし、能力で見れば間違いなく代表に名を連ねてほしい存在。

言動がたびたび問題視されるが、プレー自体は献身的かつ合理的。もちろん、肝心の得点力も高く今季ここまで11ゴールは日本人選手で2番目に多い数字となっている。それだけに、このまま代表のピッチに立つことなく時が過ぎてしまうのは寂しいと感じてしまうのは、無理からぬことではないだろうか。