今夏、2023FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会をベスト8入りで終えたサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は、早くも来年フランスのパリで行われる第33回夏季オリンピック競技大会(以下パリ五輪)へ向けた準備を進めている。

本日(9月23日)行われたW杯後初の国際親善試合では、アルゼンチン女子代表と戦い8-0と圧勝。

来月からスタートするパリ五輪アジア2次予選に向け、幸先の良い滑り出しとなった。

パリ五輪への出場権はアジア圏から僅か2枠と狭き門。そのため、各予選試合はチームにとって大事な一戦となる。ここでは、オリンピックという大舞台に向け、出場枠の現状やなでしこジャパン池田太監督が考えるチームづくりについて紹介しよう。

アルゼンチンに圧勝!パリ五輪に向けて本格始動【日本女子代表】

パリ五輪に向け、新たなステージを目指すなでしこジャパン

アルゼンチン女子代表戦(9月23日)に向け、9月4日に発表された招集メンバー23名は以下のとおり。

GK(ゴールキーパー)

  • 山下杏也加:INAC神戸レオネッサ
  • 平尾知佳:アルビレックス新潟レディース
  • 田中桃子:日テレ・東京ヴェルディベレーザ

FP(フィールドプレーヤー)

  • 熊谷紗希:ASローマ女子(イタリア)
  • 猶本光:三菱重工浦和レッズレディース
  • 田中美南:INAC神戸レオネッサ
  • 三宅史織:INAC神戸レオネッサ
  • 清水梨紗:ウェストハム・ユナイテッド女子(イングランド)
  • 清家貴子:三菱重工浦和レッズレディース
  • 守屋都弥:INAC神戸レオネッサ
  • 長谷川唯:マンチェスター・シティ女子(イングランド)
  • 杉田妃和:ポートランド・ソーンズ(アメリカ)
  • 林穂之香:ウェストハム・ユナイテッド女子(イングランド)
  • 南萌華:ASローマ女子(イタリア)
  • 長野風花:リヴァプール女子(イングランド)
  • 三浦成美:ノースカロライナ・カレッジ(アメリカ)
  • 植木理子:ウェストハム・ユナイテッド女子(イングランド)
  • 宮澤ひなた:マンチェスター・ユナイテッド女子(イングランド)
  • 宝田沙織:リンシェーピング(スウェーデン)
  • 高橋はな:三菱重工浦和レッズレディース
  • 遠藤純:エンジェル・シティ(アメリカ)
  • 石川璃音:三菱重工浦和レッズレディース
  • 藤野あおば:日テレ・東京ヴェルディベレーザ

顔ぶれを見ると、23名中21名は今夏W杯と同様のメンバーである。残り2名はアメリカのノースカロライナ・カレッジに所属しているMF三浦成美とスウェーデンのリンシェーピングに所属しているDF宝田沙織で、今回新たにメンバー入りを果たしている。選抜の理由について、池田監督は次のように語っている。

「現在、今後のチームづくりについて様々な視点で検討中。W杯を終えてチームとして戦うという点、日本人らしい俊敏さなどは強固なものになったと感じている。一方で、まだまだ不足している部分もある。今後はチームとして新たにやれることを増やしていきたい。そのためには、まずアルゼンチンとの戦いを通して、どんな気付きが見えてくるのかに注目したい。それはW杯後の整理の機会でもあり、チームでやれること、やれないこと、その見極めをしていきたい。

また、パリ五輪のアジア予選まで短期間ということもあり、選抜選手はW杯メンバーが多数となった」

新規参入のMF三浦とDF宝田についても、今後チームが新たなステージに進むための第1歩であり、2人の選手がどんな個性を発揮しチームに化学反応を起こしてくれるのか、期待が込められているようだ。

アルゼンチンに圧勝!パリ五輪に向けて本格始動【日本女子代表】

パリ五輪への狭き門

2024年7月26日から8月11日まで開催されるパリ五輪。女子サッカー競技に参加できるのは全12カ国で、現在、アメリカ、ブラジル、コロンビア、フランス(開催国枠)の4カ国については、すでに出場が決定している(9月23日時点)。残りの8カ国については各地域のサッカー連盟ごとに出場枠が設定されており、予選ではその少ない枠を奪い合うことになる。各サッカー連盟に割り振られている出場枠は以下のとおり。

  • 欧州サッカー連盟(UEFA):2枠
  • アジアサッカー連盟(AFC):2枠
  • アフリカサッカー連盟(CAF):2枠
  • 北中米・カリブ海サッカー連盟(CONCACAF):2枠(うち1枠はアメリカで確定)
  • 南米サッカー連盟(CONMEBOL):2枠(ブラジル、コロンビアで確定)
  • オセアニアサッカー連盟(OFC):1枠
  • ホスト国:1枠(フランス)

日本はアジアサッカー連盟(AFC)に該当するため、2枠を目指して勝ち進む必要がある。10月26日から始まるパリ五輪アジア2次予選に参加するのは12カ国で、以下の3グループに分かれて試合が行われる。

  • Aグループ(オーストラリア、台湾、フィリピン、イラン)
  • Bグループ(中国、韓国、タイ、北朝鮮)
  • Cグループ(日本、ベトナム、ウズベキスタン、インド)

各グループごとに総当たり戦で試合を行い、上位2チームがノックアウトステージへと進出する。その後は準々決勝、準決勝とトーナメント形式で対戦。最終的に1位と2位の2カ国が晴れてパリ五輪出場のチケットを手にする。

アルゼンチンに圧勝!パリ五輪に向けて本格始動【日本女子代表】

過酷な戦いに勝利できるか

池田監督は予選試合に向け「グループ試合(全3試合)は非常に短期間で行われるため、どんな戦い方をしていくかを詰めていなかければならない」としている。

W杯後の選手たちは国内外それぞれの所属リーグ開始に伴い、現在はその準備などで決して余裕がある状況とは言えない。しかしオリンピックはW杯に並ぶ大きな舞台の1つ。今夏に残した「W杯ベスト8」の成績を、来夏はゴールドメダルに変えることができるだろうか。

まずは予選突破に期待を込めて、なでしこジャパンに熱いエールを送ろう!

パリ五輪アジア2次予選:Cグループ試合日程(全て日本時間)

  • 10月26日(木)19時:対インド女子代表
  • 10月29日(日)21時:対ウズベキスタン女子代表
  • 11月1日(水)19時:対ベトナム女子代表
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