2月23日(金祝)に開幕を迎える2024明治安田J1リーグ。全20クラブが優勝や残留を目指し争うなか、勝敗を分けるポイントの1つが点取り屋の存在だ。

サッカーは得点の多さを競うスポーツであり、チャンスを決め切れるか否かで勝ち点が変わる(勝てば3点、引き分けで各1点、負ければ0点)。そこで全3回に分け、J1を戦う20クラブの点取り屋事情をまとめた。

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エースは俺だ!J1全クラブの2024シーズン点取り屋事情その3

ガンバ大阪

2020シーズンの2位を最後に、3シーズン続けて低迷が続いているガンバ大阪。ダニエル・ポヤトス監督体制2年目の2024シーズンに向けて、完成度を上げる作業が進んでいる。2月10日に開催されたサンフレッチェ広島とのプレシーズンマッチでは逆転勝利を飾り、開幕への期待は上昇中。最前線は昨季5得点のFWイッサム・ジェバリと、ファジアーノ岡山への期限付き移籍から復帰したFW坂本一彩の争いか。昨季は7得点のMFファン・アラーノがチーム得点王で、最前線の選手によるエースと呼ぶべき活躍に期待したい。

また、今季のチームは両ウイングの競争が激しい。アラーノやFW宇佐美貴史、FW食野亮太郎らに加え、新加入選手として横浜FCからFW山下諒也、PFCレフスキ・ソフィア(ブルガリア)からFWウェルトン・フェリペが加入。2選手ともに個でボールを運べ、前線の競争は活性化している。

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セレッソ大阪

昨季9位のセレッソ大阪は、今季もFWレオ・セアラが前線の軸だろう。昨季はチーム1年目ながら12得点を挙げ、自身としては3年連続の二桁得点を達成。リーグ屈指の計算が立つストライカーは、落下点を見極める速さと身体を投げ出すことに躊躇しない姿勢で得点を重ねており、ボールを運ぶ力も備える。

パンチ力あるシュートを持つMF上門知樹やプロ2年目で2得点を挙げたFW北野颯太、昨年夏の移籍市場で藤枝MYFCから加入したFW渡邉りょうなど、日本人選手にも実力者は多い。

ブラジルから新加入のFWヴィトール・ブエノはトップ下や右サイドなどが主戦場となりそうだ。

エースは俺だ!J1全クラブの2024シーズン点取り屋事情その3

ヴィッセル神戸

リーグ王者ヴィッセル神戸は昨季の得点王にしてMVP、FW大迫勇也を擁する。日本代表としても57試合25得点の実績を誇る名ストライカーは、キャリアハイを更新する22得点7アシストを記録した。圧倒的なポストプレーとゴール前での勝負強さはJリーグ屈指。同じく元日本代表のFW武藤嘉紀も右ウイングとして10得点を挙げ、左ウイングのMF汰木康也やMF佐々木大樹と形成する3トップは強力だ。

昨季4得点のFWジェアン・パトリッキも控えている。2024シーズンに向けては川崎フロンターレで2年連続8得点を記録したFW宮代大聖を獲得し、より厚みを加えることに成功している。

エースは俺だ!J1全クラブの2024シーズン点取り屋事情その3

サンフレッチェ広島

2023シーズン3位と上位争いを演じたサンフレッチェ広島。しかし得点数はさほど伸びず、より上位に進出するには得点力向上は欠かせない。そこで湘南ベルマーレから、昨季13得点を挙げたFW大橋祐紀を獲得。スピードとシュート精度の高さに加えて前線からの守備とポストプレーも優れ、広島でも点取り屋として君臨する可能性が高い。

昨季8得点のFWドウグラス・ヴィエイラや、夏の移籍市場で加入し5得点のFW加藤陸次樹、ともに4得点のFW満田誠やFWピエロス・ソティリウ、MFマルコス・ジュニオールなど豊富な人材がおり、2シャドーを含め争いは激しい。

エースは俺だ!J1全クラブの2024シーズン点取り屋事情その3

アビスパ福岡

昨季のルヴァン杯王者アビスパ福岡は攻撃陣が多く入れ替わった。1トップ2シャドーの最前線に入る可能性が高いのは、サンフレッチェ広島から加入したFWナッシム・ベン・カリファ。広島時代は2シーズン合計7得点と得点数こそ限られるが、献身性と起点を作る能力は抜群。

また、昨季スーパーサブとして3得点を挙げたFWウェリントンもおり、昨季4得点を挙げながら9月に前十字靱帯損傷と左膝外側半月板損傷で全治8カ月と診断されたFW佐藤凌我はすでに一部の練習に復帰している。シャドーの位置には抜群のテクニックを持つMF紺野和也がおり、昨季の5得点を超えるゴール数が期待される。

エースは俺だ!J1全クラブの2024シーズン点取り屋事情その3

サガン鳥栖

サガン鳥栖の前線は、既存の選手と新加入選手による激しい競争となりそうだ。既存の選手では5得点で空中戦の強さと味方を使う意識が高いFW富樫敬真や2得点のFW河田篤秀。新加入選手ではFC今治から新加入のFWヴィニシウス・アラウージョや横浜FCから新加入のFWマルセロ・ヒアンらがポジションを争う。

ヴィニシウスはモンテディオ山形に所属していたJ2の2020~2021シーズンに2年連続14得点の経験があり、J1でも楽しみな選手。

また、昨季のチーム得点王10得点のMF長沼洋一には、今季もゴール前に侵入してのヘディングやミドルシュートでの得点に期待したい。