日本代表MF遠藤航(リバプール)やDF冨安健洋(アーセナル)など、多くの日本人選手が欧州で活躍。今月にはMF松木玖生(FC東京)ら擁するU23日本代表が、AFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選に臨むが、海外では“日韓比較論”が噴出。
欧州移籍の観点から、「韓国1部リーグよりもJ1リーグの方がレベルが高い」という論調がある。

 海外のサッカー専門サイト『スカウトノートブック』は今月9日、日本、韓国、UAE、サウジアラビア、カタールの1部リーグを様々な指標をもとに比較。J1リーグプレーする選手の特徴について、「走行距離が長い。スプリント回数も多く、他リーグを圧倒している。テクニックの才能に優れた選手を育成しているため、プレースピードが速く、プレー強度も高い。(相手から)プレッシャーを受ける場面にでのポゼッション率は他リーグと比べて低い。
しかし、三笘薫(ブライトン)や松木を見れば分かるが、日本人選手のクオリティは高い」と解説。J1リーグと欧州5大リーグとの差について、以下のように綴っている。

 「欧州5大リーグの場合は、J1リーグに似た運動水準を維持しながら、プレッシャーを受ける場面でも高いポゼッション率を誇る。確かにJ1リーグでプレーする選手は、プレースピードやプレー強度という観点で優れているが、欧州の方が効率的なプレーが可能である。ただ、日本(の選手育成は)軌道に乗っており、J1リーグでプレーする優秀な選手たちは欧州で良いキャリアを築くことが可能だ」

 これに対して、韓国1部リーグについては「韓国国内クラブは、直近15年間にわたりAFCチャンピオンズリーグで桁外れの成功を収めている。しかし、J1リーグと違ってクオリティの高いアタッカーを多く輩出しているわけではない」と指摘した上で、国内リーグのレベルに疑問を投げかけている。


 「韓国1部リーグ所属クラブが欧州向けの選手育成に苦労している要因として、守備的なプレースタイルがある。1試合平均のゴール数はJ1リーグと同程度だ。ただ、J1リーグがポゼッションを重視するスタイルであるのに対して、韓国1部リーグはリスク回避に重点を置いている」

 「J1リーグの場合は、他リーグよりも失点数が多いが、欧州主要リーグのプレースタイルに合わせて調整している。欧州市場における選手の価値を高めるという点で、韓国サッカーには再考の余地がある」

 「イ・ガンインは10歳でスペインへ渡り、ソン・フンミンは16歳でハンブルガーSVへ加入した。ただ、直接欧州クラブへ選手を放出するという点で、韓国1部リーグ所属クラブの実績は乏しい。キム・ミンジェでさえ、韓国から中国へ移籍した後に、トルコ、イタリア、ドイツと渡っている」

 なお、『スカウトノートブック』は「韓国代表はソン・フンミン、キム・ミンジェ、イ・ガンインといったスター選手を擁していたにもかかわらず、AFCアジアカップの試合ではボールの動きが遅く、無気力に見えた」と、今年開催のアジアカップにおける同国代表の戦いぶりを酷評している。