FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)アジア最終予選を戦う森保一監督率いる日本代表は、10月11日(金)午前3時に敵地でサウジアラビア代表と、同月15日(火)19時35分に埼玉スタジアム2002でオーストラリア代表と対戦する。現在勝ち点6で首位につける日本代表は、早くもグループCで同居する2位サウジアラビア代表(勝点4)と直接対決。
首位での予選突破を決めるためには、この試合での勝敗が鍵となりそうだ。

今回の召集メンバーをみると、イングランド2部で得点を量産しているブラックバーン・ローバーズ所属のFW大橋祐紀が、28歳ながらその高パフォーマンスを評価され初召集。その他、パリ五輪U-23の日本代表主将でベルギー1部のシント=トロイデンVVに所属するMF藤田譲瑠チマなどが選出された。

一方、FW浅野拓磨(RCDマジョルカ/スペイン)やFW細谷真大(柏レイソル)などは選出外に。DF冨安健洋(アーセナル/イングランド)、DF伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)、DF橋岡大樹(ルートン・タウン/イングランド)、MF川村拓夢(レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)は怪我による選出外となっている。

ここでは、そんな予選屈指の大一番を迎えた日本代表メンバーとサウジアラビア代表メンバーの市場価値トップ5をこれまでの経歴と特徴、今シーズンの個人成績とあわせて紹介していく。
(データは『transfermarkt』より。日本円は10月5日時点のレート換算)

相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

日本代表:5位(4位タイ)

MF堂安律

  • 所属クラブ:SCフライブルク(ドイツ1部)
  • 市場価値:1,800万ユーロ(約29億1,000万円)
  • 年齢:26歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦6試合出場、2得点
ジュニアユース~ユース時代をガンバ大阪で過ごした兵庫県出身のMF堂安律。2015年、高校2年生の時にトップチームに2種登録され、開幕からトップチームに同行。同年5月27日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦(FCソウル戦)では当時クラブ史上2番目となる16歳の若さで公式戦デビューを果たした。その後、2017年6月にオランダのフローニンゲンにレンタル移籍。翌年に完全移籍すると、2019/22シーズンまではPSVアイントホーフェン、2020/21シーズンにアルミニア・ビーレフェルト(ドイツ)を経て、2022シーズンからは現所属チームのフライブルグに在籍している。

堂安の最大の長所は右サイドからドリブルでカットインして放つ強烈なシュートであり、元オランダ代表のアリエン・ロッベン氏を彷彿とさせる。
強靭なフィジカルを生かした豊富な運動量やメンタルの強さも際立っている。

相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

サウジアラビア代表:5位

FWサーレム・アッ=ドーサリー

  • 所属クラブ:アル・ヒラル(サウジアラビア1部)
  • 市場価値:200万ユーロ(約3億2500万円)
  • 年齢:33歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦10試合出場、3得点5アシスト
過去にはスペイン1部のビジャレアルに在籍していたFWサーレム・アッ=ドーサリー。2022年に行われたFIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)グループCの初戦では、当時FIFAランキング51位のサウジアラビア代表が同ランキング3位のアルゼンチン代表と対戦。ドーサリーが決勝ゴールとなる2点目を挙げ、2-1でアルゼンチンを破り奇跡の勝利を遂げた。アルゼンチン代表がW杯でアジア勢に敗れたのは、この時が初めてだった。

相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

日本代表:4位

MF鎌田大地

  • 所属クラブ:クリスタル・パレス(イングランド1部)
  • 市場価値:1,800万ユーロ(約29億1,000万円)
  • 年齢:28歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦8試合出場、1得点2アシスト
愛媛県出身のMF鎌田大地は京都の東山高校を卒業後、サガン鳥栖に入団。1年目の2015シーズンは3ゴール、翌シーズンには7ゴールを挙げる活躍で名を轟かせた。2017シーズンにはドイツのアイントラハト・フランクフルトへ移籍。2018/19シーズンにはレンタル移籍でベルギーのシント=トロイデンVVへ活躍の場を移し34試合15得点とハイペースで得点を量産した。その活躍が認められ、翌シーズンから再びフランクフルトでプレーしている。ヨーロッパリーグでは通算11得点を挙げ、アジア人最多得点者となるなど大きなインパクトを残している。2023/24シーズンにはイタリアのSSラツィオへ渡り、2024/25シーズンよりイングランド1部のクリスタル・パレスへと籍を移している。

タッチの細かいドリブルでディフェンスの動きを観察しながら相手をかわすプレーが最大の長所である鎌田は、ミッドフィールダーながらフォワード並みの得点力も兼ね備えており、ここぞという場面でしっかりと得点を挙げてきた。W杯のような大舞台でも、鎌田の活躍次第で勝利の行方が決まりそうだ。


相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

サウジアラビア代表:4位

FWアブドッラフマーン・ガリーブ

  • 所属クラブ:アル・ナスル(サウジアラビア1部)
  • 市場価値:230万ユーロ(約3億7,400万円)
  • 年齢:27歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦5試合に出場
FWアブドッラフマーン・ガリーブは、AFC(アジアサッカー連盟)のU-23選手権2020において日本戦(グループリーグ)で決勝ゴールを挙げており、現日本代表のMF田中碧やMF旗手怜央、GK谷晃生もこのゴールを目の当たりにしている。現所属のアル・ナスルとは、2022年から4年の大型契約を結んでいる。

相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

日本代表:3位

MF南野拓実

  • 所属クラブ:ASモナコ(フランス1部)
  • 市場価値:2,000万ユーロ(約32億3,300万円)
  • 年齢:29歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦7試合出場、1得点1アシスト
2007年、中学入学と同時にセレッソ大阪U-15に入団した大阪府出身のMF南野拓実。2012年8月には高校3年生で2種登録選手となり在学中にJ1デビューを果たした。翌年トップチームに昇格すると、高卒ルーキーとしてはクラブ史上初となるJ1開幕戦でスタメンに抜擢。この年は出場した29試合で5得点と活躍し、Jリーグベストヤングプレーヤーに輝いた。2015年1月には19歳でオーストリアのレッドブル・ザルツブルグに移籍。2020/21シーズンにはイングランドの名門リバプールに加入しており、FWモハメド・サラー、FWサディオ・マネ、FWロベルト・フィルミーノといった錚々たるタレント選手とプレーした実績を持つ。2022/23シーズンからはフランス1部のASモナコに所属している。

得点能力の高さや豊富な運動量、そして何より闘争心の高さが最大の持ち味である南野。C大阪時代の2014年、ベガルタ仙台戦で当時19歳だった南野は右サイドでパスを受けドリブルでペナルティーエリア内に侵入しシュートを放ったが外してしまう。ペナルティーエリア内でフリーだった元ドイツ代表のFWカカウは、このプレーに対し「なぜパスしないんだ」と激怒。すると南野は苛立ち、14歳年上であるカカウの背中に向かって暴言を吐いた。敵味方関係なく闘争心を剥き出しにする姿が頼もしい選手だ。


相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

サウジアラビア代表:3位

MFファイサル・アル・ガムディ

  • 所属クラブ:KベールスホットVA(ベルギー1部)
  • 市場価値:250万ユーロ(約4億640万円)
  • 年齢:23歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦2試合出場
2024年1月に行われた北中米W杯1次予選のキルギス戦でサウジアラビア代表として初ゴールを挙げたMFファイサル・アル・ガムディ。9月よりベルギー1部のベールスホットにレンタル移籍を果たすなど、徐々にその名が売り出されている旬の選手である。

相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

日本代表:2位

MF三笘薫

  • 所属クラブ:ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン(イングランド1部)
  • 市場価値:4,500万ユーロ(約72億7,200万円)
  • 年齢:27歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦6試合出場、1得点
U-10世代から高校卒業まで川崎フロンターレの下部組織に所属していたMF三笘薫。高校3年時にはトップチーム昇格の話もあったが「すぐにプロになってできる自信がない」との思いから筑波大学に進学し技術を磨く。大学2年生で川崎の特別指定選手として登録され、卒業後はすぐに頭角を現した。その後、2021年8月にブライトンへと移籍するが、A代表未経験のため労働許可証が発行されず、ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに期限付きで加入。2022年夏、ブライトンに復帰している。

2022年のカタールW杯スペイン戦でMF田中碧のゴールをアシストした三笘。田中にラストパスを送る直前のボールがゴールラインを割っていたように見えたが、VAR判定の結果、三笘がギリギリで拾っていたと認められ『三笘の1mm』として世界中で話題になった。

緩急をつけたドリブル突破でフィニッシュまで個人で展開することができる。精度の高いパスやシュートも持ちあわせており、ハイセンスな攻撃が魅力だ。

相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

サウジアラビア代表:2位

DFサウド・アブドゥルハミド

  • 所属クラブ:ASローマ(イタリア1部)
  • 市場価値:400万ユーロ(約6億5000万円)
  • 年齢:25歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦4試合に出場
2018年にサウジアラビアのアル・イテハドでプロ生活をスタートしたDFサウド・アブドゥルハミドは、2022年にアル・ヒラルへ完全移籍し2度のリーグ制覇に貢献。個人では、2020シーズンの10月と12月に月間最優秀若手賞を受賞している。2024年8月よりASローマへ完全移籍で加入。今年のAFCアジアカップでも攻撃の起点となっており、スピードに加えテクニックや視野の広さも兼ね備えている。


相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

日本代表:1位

MF久保建英

  • 所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン1部)
  • 市場価値:5,000万ユーロ(約80億7,500万円)
  • 年齢:22歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦9試合出場、2ゴール
小学4年生だった2011/12シーズンよりFCバルセロナ(スペイン)のカンテラ(育成組織)でプレーした神奈川県出身のMF久保建英は、インファンティル(13~14歳年代)のBチームに所属したが、2015年に帰国しFC東京へ加入。その後、横浜F・マリノスへの期限付き移籍を経て、2019年夏に18歳でスペインのレアル・マドリードへ移籍を果たした。2022年夏よりレアル・ソシエダに在籍している。

久保のプレー最大の特徴といえば、ドリブルでのチャンスメイク。細かいタッチでボールを運びながら相手DFが奪いに来るとかわし、来なければそのまま運んでフィニッシュまで持っていけるなどDF泣かせのドリブル技術はもちろん、その時々の局面に合わせ最適な選択が出来る視野の広さもずば抜けている。久保は語学力も優れており、英語・イタリア語をはじめ、ポルトガル語・スペイン語・オランダ語、今ではフランス語も完璧に操れるという。

相手1位選手は堂安の3分の1…日本代表VSサウジアラビア代表の市場価値トップ5

サウジアラビア代表:1位

FWフィラース・アル=ブライカーン

  • 所属クラブ:アル・アハリ(エジプト1部)
  • 市場価値:600万ユーロ(約9億7,600万円)
  • 年齢:24歳
  • 今シーズンの個人成績:公式戦4試合出場、1アシスト
FWフィラース・アル=ブライカーンは母国サウジアラビアのアル・ナスルでユースチームに所属していた。下部リーグでの優勝および得点王の活躍が認められ、2021年から3年間は同国のファティフSCに在籍。2023年よりアル・アハリに所属している。2017/19のサウジアラビアU-20代表では20試合14得点、2021年~2023年に所属していたファティフでは、62試合で32得点と驚異の数字を叩き出した。

ブライカーンは2023年9月にアル・アハリと4,000万サウジアラビア・リヤール(約15億7,000万円)の5年契約を結んでいる。
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