2016年シーズンにJ2で優勝しJ1復帰以降、トップカテゴリーを維持してきた北海道コンサドーレ札幌。しかし、2024明治安田J1リーグ第37節の結果を受けて来季のJ2降格が決定した。


札幌は今季、開幕から5連敗を含む6戦未勝利と大きく出遅れると、以降も勝ちきれないゲームが続いた。第15節からは8連敗と長いトンネルも経験。ようやく連敗を脱した第23節終了時点で、残留圏はおろか1つ上の19位とでさえ勝ち点で大きな差をつけられていた。第27節でサガン鳥栖、第28節にジュビロ磐田と残留争いのライバルを相手に連勝するなど復調の兆しも見られたが、シーズン中盤までの遅れが響き1試合を残して降格が決まっていた。

すでに今季限りでミハイロ・ペトロヴィッチ監督の退任が決まっており、来季は新体制でJ2を戦うことになる札幌。当然1年でのJ1復帰を求められるが、気がかりなのは所属選手たちの去就だ。すでにMF駒井善成ら数名の主力選手について契約満了が発表されている。加えて例年J2降格となったクラブからは少なからず主力の流出が起きており、札幌にも同じ事象が十分に起こり得る。もちろん、所属するすべての選手が重要な戦力であることに違いはないが、ここでは特に手放せない選手を5名ランキング形式で紹介していく(期限付き移籍中の選手は対象外とする)※12月13日時点の情報に基づく。

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北海道コンサドーレ札幌が1年でのJ1復帰のために絶対手放せない選手トップ5

5位:青木亮太

札幌へ加入し4年目となったMF青木亮太。今季はMF浅野雄也やFWキム・ゴンヒといった攻撃陣に怪我人が相次ぎ、昨季と比べ得点力が大幅に落ちたチームの中で最終的に6ゴールとチーム1位タイの得点数で攻撃を支えた。

第23節ヴィッセル神戸戦で決めた直接フリーキックからのゴールをはじめ、狙いすましたミドルシュートなどキック精度の高さが大きな魅力。昨季までセットプレー時に他クラブの脅威となっていたDF福森晃斗が不在となった今季は、特にそのキックの質が際立った。
今季同じく6ゴールを挙げた2名のうち、MF駒井はすでに契約満了が発表されている。得点力や前線へ供給するボールの質に加え、攻撃陣の他選手がチームを去ることも考慮して手放せない選手5位とした。

北海道コンサドーレ札幌が1年でのJ1復帰のために絶対手放せない選手トップ5

4位:大﨑玲央

今夏は下位に沈むチームを立て直すべく多くの選手を補強した札幌。その中でも最も大きな効果をもたらしたのがDF大﨑玲央だ。6月にチームへ加わると、第21節のアルビレックス新潟戦以降はほぼ全試合に出場。終盤戦に向けてチームに安定感をもたらした。

ゴールやアシストなど表立った数字には表れないものの、後方から前線へとボールをつなぐパイプ役として機能し、身体を張った守備でも存在感を示した。加入から半年足らずで既にチームにとって欠かせない選手になったことは間違いない。シーズンの最終盤までもつれることの多くあるJ1昇格争いにおいて、状況に関わらずチームを落ち着かせられる存在が不可欠であることから手放せない選手4位とした。

北海道コンサドーレ札幌が1年でのJ1復帰のために絶対手放せない選手トップ5

3位:馬場晴也

昨季より札幌でプレーするDF馬場晴也。今季は37試合出場と昨年の21試合から大幅に出場機会を増やし、主力としての地位を確立した。活躍ぶりを見てもセンターバックに中盤と複数のポジションをこなし、プレーの幅の広さを見せていた。

チャンスと見れば果敢に前線へと顔を出してチャンスに絡み、ゴール付近で決定的な場面に関わる機会も増えた。最終的にはシーズンを通して2ゴール3アシストと数字も残しており、得点力不足に悩んだチームにおいて重要な役割を果たしたと言えよう。
複数ポジションを高いレベルでこなす柔軟さと守備だけでなく攻撃面でも大きな働きができることから手放せない選手3位とした。

北海道コンサドーレ札幌が1年でのJ1復帰のために絶対手放せない選手トップ5

2位:近藤友喜

2シーズンの特別指定を経て、2023シーズンより横浜FCへ加入しルーキーながら30試合に出場したMF近藤友喜。途中出場も多いなかで、2ゴール3アシストとサイドで存在感を放ち攻撃にアクセントを加える存在となっていた。昨冬に札幌へと加入すると第7節以降はスタメンに定着。最終的に29試合に出場し5ゴール3アシストをマークした。

縦への推進力はリーグ屈指。積極的な仕掛けから敵陣深くまで侵入し、ときにはエリア内ゴール付近までドリブルで抉り決定機を作り出せる。相手守備陣のバランスを崩すのにこれ以上ない武器となっていたことは間違いない。ゴール数はもちろん、右サイドの重要なチャンスメーカーとして手放せない選手2位とした。

北海道コンサドーレ札幌が1年でのJ1復帰のために絶対手放せない選手トップ5

1位:岡村大八

今の札幌にとって、最も代えの利かない存在と言えばDF岡村大八だろう。2021シーズンに札幌へ加入すると、以降徐々に出場機会を増やし今季は33試合に出場。DFラインの中心選手として苦しむチームを支えた。

相手の前線の選手に対して簡単には起点を作らせない厳しいチェックに空中戦の強さ、トラップ際を狙うボール奪取の技術の高さとセンターバックとしての能力が極めて高い。
それでいてセットプレーの場面で得点源となるなど攻撃面でも十分に働きを期待できる。今季も含めここ数年は失点数の多さに苦しむ札幌だが、ここで岡村を失えば改善にはさらに多くの時間を要する可能性が高いことから手放せない選手1位とした。
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