そんな過酷な環境で、「ゴール関与(ゴール、アシスト)」の合計50に“最速”で到達した選手は誰だろうか?ここでは、1つのクラブでプレミアリーグのゴール関与50に最も早く到達した5人の選手を紹介する。世界最高峰のリーグで規格外の記録を打ち立てたのは、いったいどの選手なのか?

5位:アラン・シアラー (ブラックバーン・ローバーズ)53試合目
プレミアリーグ歴代最多得点者である元イングランド代表FWアラン・シアラー(2006年引退)は、1992年に新たにリブランドされたプレミアリーグの開幕週にブラックバーン・ローバーズでデビューし、クリスタル・パレス戦で見事な2ゴールを決め、その偉大なキャリアの幕開けを飾った。勢いそのままに、昇格組ブラックバーンで最初の21試合で16ゴールを記録。前十字靭帯の負傷により6か月間の離脱を余儀なくされるも、復帰後もその得点力は衰えなかった。シアラーがプレミアリーグで通算50ゴール関与を達成したのは53試合目。1993/94シーズン終盤、強豪マンチェスター・ユナイテッド戦での2ゴールによって到達した。なお、この時点での成績はゴール44アシスト6と、トップに立つ選手同様に得点に偏重していた。

4位:コール・パーマー(チェルシー)48試合目
2023年夏にマンチェスター・シティからチェルシーへ移籍したイングランド代表MFコール・パーマーは、プレミアリーグでゴール関与の合計50を達成した試合数において、元フランス代表でアーセナルのレジェンドであるFWティエリ・アンリ(2014年引退)、元アルゼンチン代表でマンチェスター・シティのストライカーであったFWセルヒオ・アグエロ(2021年引退)といったリーグの伝説的プレーヤーたちを上回る記録を打ち立て話題となっている。シティ時代、パーマーは19試合のリーグ出場でゴール0アシスト1という成績に終わり、そのほとんどが短い途中出場だったこともあり、チェルシーが彼の獲得に4000万ポンド(約77億6,251万円)を費やした際には疑問の声も多かった。しかし、チェルシーでの最初の48試合でゴール33アシスト17という圧倒的な成績を残し、その補強は大成功であったことが証明された。また、パーマーがPKの場面で見せる冷静沈着さも、この驚異的な数字を支えている要因だ。

3位:モハメド・サラー(リバプール)46試合目
“エジプトのキング”であるリバプール所属エジプト代表FWモハメド・サラーは、クラブで8シーズン目(2017-2024)を迎えた今もなお驚異的な活躍を続けている。ただし、彼がリバプールに移籍した2017/18シーズンの成績を超えるシーズンはなかった。少なくとも数字がそれを証明している。当時のリーグ記録となる36試合に出場して32ゴール10アシストを記録したサラーは、その翌2018/19シーズンのわずか10試目合で、リバプールにおけるリーグ通算50ゴール関与(39ゴール11アシスト)という節目に到達。2013/14と2014/15シーズンに在籍していたチェルシー(2015年途中にフィオレンティーナにレンタル)では結果を残せていなかったことから、前出のパーマーとは逆のパターンともいわれている。

2位:アンディ・コール(ニューカッスル・ユナイテッド)43試合目
プレミアリーグで活躍したイングランドの伝説的ストライカーの1人であるFWアンディ・コール(2008年引退)。1993/94シーズン、昇格組だったニューカッスル・ユナイテッドで34ゴールを記録し、当時の得点記録を打ち立てた。同フルシーズンの40試合で驚異の34ゴール10アシストを記録。そして翌1994/95シーズンの序盤、わずか3試合で追加の6ゴール関与を達成し、通算50ゴール関与の節目に到達した。しかも、これらの得点には1本のPKも含まれていない。その後、マンチェスター・ユナイテッドに在籍(1995–2001)し、1998/99シーズンのトレブル(三冠)達成に貢献したコールのリーグ通算得点は歴代4位の187ゴール。彼が移籍した際、ニューカッスルのサポーターが絶望したのも無理はない。

1位:アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)39試合目
トップの記録を打ち立てていたのはやはりこの男だった。現在までに在籍してきた各クラブで圧倒的な得点能力を誇ってきたノルウェー代表FWアーリング・ハーランド。2022年にマンチェスター・シティに加入すると、同シーズンでリーグ記録を更新する36ゴールを挙げ、トレブル(三冠)達成に大きく貢献した。類いまれな身体能力、スピード、そしてゴール前での冷静さ。