そんな中でも注目なのが、各クラブで契約満了になった選手たちだ。所属フリーの選手は移籍金が掛からないことが最大の魅力。ここでは、所属チームを契約満了となり移籍金ゼロで獲得可能なMF選手をピックアップしていく(1月3日時点の情報に基づく)。
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MFチアゴ・アウベス
1人目は2024シーズン途中にJ1の東京ヴェルディに加入し12月8日に契約満了となったMFチアゴ・アウベス(28)。高度なテクニックやスピードを生かしたドリブルで得点まで持っていくことができ、前線からのプレスなどハードワークが特徴である。2022年から2シーズンにわたってJ2のモンテディオ山形でプレーし、64試合出場23得点を記録。東京Vでも得点源として期待されていた。センターフォワードや左サイドサイドハーフを主戦場とするチアゴは、同ポジションのMF見木友哉やFW木村勇大の覚醒などもあり出場機会が得られず。期待とは裏腹に公式戦12試合に出場してわずか1ゴールという悔しいシーズンとなってしまった。契約満了での退団となり移籍金が発生しない為、来季J2でFWに不安を抱えるチームが手を挙げる可能性は高そうだ。

MF阿部浩之
2人目に挙げるのは、かつてガンバ大阪や川崎フロンターレでタイトル獲得に貢献するなど一時代を創ってきたMF阿部浩之(35)。攻撃的なポジションならどこでもこなすユーティリティ性に加え、止める・蹴るといった足元の技術も非常に高い。また、両足から繰り出されるミドルシュートは相手DFからすると非常に厄介である。2024シーズンは湘南ベルマーレで公式戦27試合に出場し3ゴール2アシストとJ1でもまずまずの結果を収めているだけに手を挙げるクラブは多そうだ。
MF山田直輝
3人目は、2007年U-17ワールドカップでMF柿谷曜一朗やDF鈴木大輔らを擁した日本代表で背番号「10」を背負いチームを牽引したMF山田直輝(34)。卓越したパスセンスで攻撃を活性化し、守備面でも持ち前のハードワークでチームに貢献できるのが特徴である。浦和レッズの下部組織で育った山田は、2種登録選手として2008年に17歳9か月という若さでJリーグデビュー。翌年トップチームへと昇格し輝かしいプロキャリアを築くかと思われたが、右足腓骨骨折や左膝前十字靭帯損傷などの大怪我で長期離脱を余儀なくされ、浦和では思うように活躍出来なかった。
2015年からは湘南ベルマーレに移籍。2017年にはキャリア最多となるJ1リーグ37試合5ゴールとブレイク。その後は三度怪我に悩まされ、2024シーズンはわずか10試合の出場に留まった。(※1月3日FC岐阜への加入発表)

MF中坂勇哉
4人目はアカデミー時代から15年間ヴィッセル神戸に在籍したMF中坂勇哉(27)。トップ下やサイドハーフを主戦場とする攻撃的MFの中坂は、ドリブル突破や絶妙なパス、ゴール前の嗅覚など非凡的攻撃センスを備えており、味方選手との連携を駆使して攻撃を組み立てることもできる。プロ2年目までは順調に出場機会を得ていたが、3年目からは伸び悩み、2019シーズンに出場機会を求めて当時J2の京都サンガへ移籍。京都では7試合出場して1ゴールを記録する。翌年神戸へ戻ると、2021シーズンにはキャリア最多となる28試合出場3ゴール1アシストと中心選手として活躍した。しかし、シーズン毎に選手層が厚くなるチームでポジション争いに勝てず、神戸が連覇を果たした2023~2024シーズンは1度も出場が無かった。このことから、試合勘がネガティブ要素となるが持っているポテンシャルはピカイチなだけに、心機一転チームを移し再び花を開かせることができるか。

MF金子翔太
5人目にはジュビロ磐田で契約満了となったMF金子翔太(29)を挙げる。身長163センチと小柄ながら豊富な運動量で縦横無尽にピッチを駆け周ることができる選手だ。2014年に清水エスパルスでプロキャリアをスタートさせるも出場機会になかなか恵まれず、2015シーズン途中で栃木SCへのレンタル移籍を経験。2016シーズンは清水へ復帰しJ2リーグ22試合に出場して4ゴールを記録するなど、チームのJ1昇格に貢献した。翌2017シーズンはレギュラー奪取に成功。第8節川崎フロンターレ戦で挙げたゴールがJ1リーグ通算20,000ゴール目のメモリアル弾だったことで全国にその名を轟かせた。さらに翌2018シーズンには34試合出場10ゴールで出場数・ゴール数ともにキャリアハイを記録するなど、順風満帆な選手生活をおくる。2021シーズンに同じ静岡県のライバルチーム磐田(当時J2)へとレンタル移籍。翌年からは完全移籍し、持ち前のハードワークを活かして在籍4シーズンで2度のJ1昇格に貢献した。2024シーズンは公式戦16試合の出場に留まり、1ゴール1アシストと本来の姿には程遠い格好となった。本領を発揮し、チームで輝く金子の姿をファンは待ち望んでいる。

MF小林祐希
6人目にはJ2に降格した北海道コンサドーレ札幌を契約満了となったMF小林祐希(32)を挙げる。東京ヴェルディの下部組織で育った小林は、2011年にトップチームに昇格しプロキャリアをスタートさせた。2014シーズン、J2に降格した磐田で37試合2ゴールと出場機会を伸ばし、翌2015シーズンにはチームをJ1昇格へ導く活躍を遂げた。その後はオランダ、ベルギー、カタール、韓国と4か国の海外クラブを渡り歩き、持ち前のパスセンスに加え戦術理解や守備面で大きく成長した。2022年夏にヴィッセル神戸へ移籍すると、チームのJ1残留に貢献。2023シーズンに移籍した北海道コンサドーレ札幌ではレギュラー奪取出来ず苦しいシーズンを送っていた。限られた時間でインパクトを残せる天才レフティーの去就に注目が集まる。

MFエゼキエウ
7人目はサンフレッチェ広島に4シーズン所属したMFエゼキエウ(26)。MF本田圭佑がプレーしたことでも知られるボタフォゴ(ブラジル)の下部組織で育ったエゼキエウは、持ち前のスピードや相手を置き去りにするドリブルを武器にブラジルリーグのビッグクラブでプレーした実績を持つ。2020シーズンに広島へ移籍すると初年度こそ15試合出場2ゴール1アシストに終わるも、翌2021シーズンにはJ1リーグで全試合(34試合)に出場し4ゴール2アシストを記録した。当時広島の監督だった城福浩氏の下で苦手の守備面を磨き上げ、攻守にわたって活躍した。
怪我無く稼働することが出来れば、間違いなくJリーグでもトップクラスとなり得るポテンシャルを秘めているだけに、エゼキエウの契約満了は広島サポーターから惜しまれている。