当然のことながら、来季求められるのは1年でのJ1復帰。しかし夏の戦力流出の影響は色濃く、さらにこの冬も主力選手の他クラブへの移籍は止まっていない。とはいえ、多くの新戦力も獲得できており活躍が期待できる選手も数多くいる。ここでは、鳥栖の今冬補強について各ポジションごとにA~Eの5段階で評価していく。
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GK(ゴールキーパー)/DF(ディフェンダー):評価D
IN- GK泉森涼太(鹿児島ユナイテッドより完全移籍)
- GK内山圭(藤枝MYFCへの期限付き移籍より復帰)
- GKヤン・ハンビン(セレッソ大阪より完全移籍)
- DF井上太聖(順天堂大学より加入)
- DF長澤シヴァタファリ(水戸ホーリーホックへの期限付き移籍より復帰)
- DF小川大空(愛媛FCより完全移籍)
- DF森下怜哉(愛媛FCより完全移籍)
- DF平瀬大(レノファ山口への期限付き移籍より復帰)
- DF安藤寿岐(筑波大学より加入)
- DF上原牧人(FC琉球より完全移籍)
- GK岡本昌弘(引退)
- GK朴一圭(横浜F・マリノスへ完全移籍)
- GKコ・ボンジョ(カターレ富山へ期限付き移籍)
- GKイ・ユンソン(Y.S.C.C.横浜へ期限付き移籍)
- DF山﨑浩介(横浜FCへ完全移籍)
- DF原田亘(柏レイソルへ完全移籍)
- DFキム・テヒョン(鹿島アントラーズへ完全移籍)
- DF上夷克典(ジュビロ磐田へ完全移籍)
- DF木村誠二(期限付き移籍期間満了に伴いFC東京へ復帰)
- DF大里皇馬(ラインメール青森へ期限付き移籍)
- DF丸橋祐介(引退)
一方で、新加入選手の獲得にも積極的な姿勢が見られた。新たな守護神候補としては、鹿児島ユナイテッドから加入のGK泉森涼太とセレッソ大阪から加わるGKヤン・ハンビンに注目だ。ともに高いセービング力を誇り、最後方からプレーでチームを鼓舞する働きが期待できる。センターバックでは、昨季J2へ復帰した愛媛FCよりDF小川大空とDF森下怜哉を獲得。ほぼ全試合に出場していた両センターバックの同時獲得に成功し、連携面や意思疎通といった問題が少ないだろうことは新しく守備陣を構築していく上でプラスに働くはずだ。サイドの選手として頼もしいのは、昨季途中に水戸ホーリーホックへと期限付き移籍しJ2を経験したDF長澤シヴァタファリの存在。水戸では17試合に出場して2ゴール1アシストと結果を残しており、若く伸びしろたっぷりな点も含めて大いに期待の選手と言えよう。
新戦力の顔ぶれを見ると、J2を戦い抜くための戦力は整えられたと言える。しかし、現時点において流出した選手の穴を埋めたとは言い難く、守備陣をほぼ1から作り直すという点において昇格を目指す他クラブよりも遅れを取っていることから評価を「D」とした。

MF(ミッドフィールダー):評価B
IN- 新井晴樹(水戸ホーリーホックより完全移籍)
- 櫻井辰徳(ヴィッセル神戸より期限付き移籍)
- 西澤健太(清水エスパルスより完全移籍)
- 西川潤(セレッソ大阪より期限付き移籍)
- クリスティアーノ(ヴィラ・ノヴァFCより完全移籍)
- 藤田直之(引退)
- 森谷賢太郎(引退)
- 清武弘嗣(大分トリニータへ完全移籍)※昨季はセレッソ大阪より期限付きで加入
- 久保藤次郎(柏レイソルへ完全移籍)※昨季は名古屋グランパスより期限付きで加入
- 寺山翼(期限付き移籍期間満了に伴いFC東京へ復帰)
- 中原輝(清水エスパルスへ期限付き移籍)
- ジャジャ・シルバ(AAポルトゲーザへ完全移籍)※昨季はFC東京より期限付きで加入
一方で、新たな戦力は期待十分な選手ばかり。サイドでは積極的な仕掛けからのチャンスメイクが持ち味の新井晴樹、正確無比なボール供給が武器の西澤健太を獲得。そして中央には、昨季いわきFCで35試合に出場し3ゴール2アシストを挙げて躍進に貢献した西川潤が2年ぶりに帰ってきた。
寂しいベテラン選手との別れがあり期限付き移籍中だった選手たちもチームを去ったが、彼らに代わって特徴を持った選手を多く迎えた今冬の鳥栖。J2での経験も積んだ選手たちに加え、新加入の外国籍選手の活躍にも大いに期待なことから評価を「B」とした。

FW(フォワード):評価D
IN- 鈴木大馳(ユースからトップ昇格)
- 酒井宣福(名古屋グランパスより完全移籍)
- 山田寛人(セレッソ大阪より完全移籍)
- ジョー(ボタフォゴFRより完全移籍)
- 樺山諒乃介(ギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍)
- 河波櫻士(SHIBUYA CITY FCへ完全移籍)
- マルセロ・ヒアン(FC東京へ期限付き移籍)
- 富樫敬真(アトランタ・ユナイテッドFCへ完全移籍)
- ヴィニシウス・アラウージョ(契約解除)
新戦力では、かつて2021シーズンに鳥栖で29試合8ゴールを挙げた酒井宣福に期待したい。昨季はレノファ山口で久々のJ2を経験しており、10試合に出場し2ゴールを挙げている。また、トップ昇格を果たした鈴木大馳にも注目。昨季は2種登録で4試合に出場し、初先発を果たした第35節の町田ゼルビア戦で初ゴールを挙げるなど存在感を示しておりさらなる成長と活躍が期待される。
主軸を失った最前線には、早急に新たなエースが求められている。とはいえ、期待の新戦力はいるものの直近のJリーグで即戦力級の数字を残している選手の獲得には至らず戦力ダウンは否めないことから評価を「D」とした。