2月14日に開幕を迎える2025シーズンの明治安田Jリーグ。新たに高知ユナイテッドと栃木シティがJ3リーグに参戦し、J1からJ3まで全60クラブの熱い戦いが幕を開ける。
今シーズンもサポーターたちはそれぞれ応援するクラブの試合に足を運び大きな声援を送るだろう。

ここでは2025シーズンの開幕を前に、スタジアムでサポーターが歌うチャントの中からJリーグの名物チャントを5つ紹介していく。

クラブ愛に溢れるJリーグの名物チャント5選

『神戸賛歌』(ヴィッセル神戸)

ヴィッセル神戸の『神戸讃歌』は、クラブとサポーターにとって大きな思い入れのあるチャントだ。1995年1月、それまでのチーム名から『ヴィッセル神戸』へ名称を変更し新たなスタートを切った神戸。17日には初練習が予定されていたが、早朝に発生した阪神・淡路大震災により練習場が使えなくなり、各地を転々としてトレーニングを行うなど苦難のスタートとなった。

「共に傷つき、共に立ち上がり」の歌詞通り復興と共に歩んできた神戸。震災から30年を迎えた今年1月17日、神戸の全選手とスタッフは『阪神・淡路大震災1.17のつどい』に参列したという。チーム誕生からも30年を迎え、2025シーズンはJ1リーグ3連覇という大きな目標に向けて戦う。ホームであるノエビアスタジアム神戸には、今年も多くのサポーターが歌う『神戸賛歌』が響き渡るだろう。

クラブ愛に溢れるJリーグの名物チャント5選

『アイシテルニイガタ』(アルビレックス新潟)

アルビレックス新潟のサポーターが歌う『アイシテルニイガタ』は、クラブはもとより新潟という地への愛を感じられるチャントだ。「火傷させてくれこのゲーム」という歌詞も印象的で、2024年11月2日に行われたYBCルヴァンカップ決勝で国立競技場に響き渡ったこのチャントの大合唱は大きなインパクトを残した。

クラブとサポーターを繋ぐ”アイシテルニイガタ”という言葉は、新潟のコレオグラフィー(人文字)や横断幕、グッズなどにも使われている。2024シーズンはルヴァンカップで準優勝したものの、J1リーグでは16位に終わった新潟。3年目となるJ1で、チャントの後押しを受けながら今年はどんな戦いを見せるのか期待したい。


クラブ愛に溢れるJリーグの名物チャント5選

『FRONTALE 20000』(川崎フロンターレ)

川崎フロンターレの『FRONTALE 20000』は、川崎のホームスタジアム『Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu』の最寄り駅であるJR南武線武蔵中原駅の下り線発車メロディーにも使われており、川崎市民にとっても馴染み深いチャントと言える。また『FRONTALE 2000』というチャントも存在しており、こちらもJR南武線武蔵中原駅で上り線の発車メロディーとして使われている。

シンプルな歌詞だが印象的なメロディで、川崎のホームゲームに足を運んだことのない筆者でもこの曲は聞いたことがある。2025シーズンは長年チームを率いた鬼木達監督から、長谷部茂利監督へと指揮官が交代。ここ数年優勝争いに絡めていない川崎がかつての強さを取り戻せるか、新たな指揮官の手腕に注目したい。

クラブ愛に溢れるJリーグの名物チャント5選

『ラピュタ』(湘南ベルマーレ)

湘南ベルマーレのチャント『ラピュタ』は、その名の通り宮崎駿監督の名作『天空の城ラピュタ』の主題歌である『君をのせて』が原曲となっている。おそらく誰もが一度は聞いたことのある有名曲なだけに非常に覚えやすいのだが、注目すべきはその歌詞だ。

「緑と青の勇者湘南、さぁ今日も行こう勝利目指して」この歌詞のように「~の勇者」や「~の戦士」いう歌詞のチャントは他クラブでもよく耳にするが、「緑と青の勇者」という表現とメロディーがマッチしていてとても印象的だ。湘南は2018シーズンのルヴァンカップ優勝以降、リーグ戦ではここ数年中位以下の成績に留まっている。果たして2025シーズンは上位進出できるか、“緑と青の勇者たち”に期待したい。

クラブ愛に溢れるJリーグの名物チャント5選

『Twisated』(ベガルタ仙台)

J2からもベガルタ仙台の『Twisted』を紹介したい。アメリカのヘヴィメタル・バンド『Twisted Sister』の「We’re Not Gonna Take It」が原曲のこのチャントは、アップテンポなリズムが印象的で「俺達と共にReady Go」という歌詞からはゴールや勝利への期待が感じられる。

筆者は十数年前、九州のとあるスタジアムでこのチャント初めて生で聞いたが、仙台サポーターの圧倒的な声量と盛り上がりに驚いたのを今でも覚えている。2011年に発生した東日本大震災の際、仙台の公式HPで仙台サポーターがこのチャントを歌う応援風景が紹介され世界に発信された。


昨2024シーズンは、惜しくもJ1昇格プレーオフ決勝でファジアーノ岡山に敗れ昇格を逃した仙台だが、今年はリベンジできるだろうか。ユアテックスタジアム仙台で大音量の『Twisated』を背に戦う仙台に期待したい。

ほかにも、J1からJ3まで各チームそれぞれにクラブへの強い思い入れが感じられるチャントが多く存在する。今年も全国のスタジアムでクラブや選手たちへの思いを乗せた歌声が響き渡るだろう。
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