6月15日から7月13日までアメリカで開催されるFIFAクラブワールドカップ(クラブW杯)2025。世界中の強豪クラブが集うこの大会は、全32チームが参加する新たなフォーマットとなり期待されている。
一方、過密日程からか選手やメディア、関係者の間でも賛否を呼んでいるが、開幕すれば世界中の視線が北米に向けられることは間違いないだろう。

昨年12月5日に行われたグループステージの抽選では、6つの大陸連盟から出場するクラブによる魅力的な対戦カードの数々が生まれた。4チームずつ8つのグループに分かれ、1回総当たりのグループステージが実施される。日本からアジアサッカー連盟(AFC)代表として参戦するのは浦和レッズ。ここでは待ちきれないファンに、クラブW杯2025のグループステージにおける注目の対戦カードを紹介したい。

【FIFAクラブW杯2025】グループステージ注目の対戦カード5選

アル・アハリ vs インテル・マイアミ(グループA)

インテル・マイアミ(アメリカ)は開催国枠での出場だが、8度のバロンドール受賞歴を誇るアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが加入以降、北米屈指のクラブへと変化を遂げた。さらに、元バルセロナの名選手であるMFセルヒオ・ブスケツ、FWルイス・スアレスといった経験豊富な選手たちもチームを支える。

対するアフリカ王者アル・アハリ(エジプト)もこの大会の経験値では群を抜いている。アフリカサッカー連盟主宰のCAFチャンピオンズリーグを過去4シーズンで3度制し(通算12回優勝)、クラブW杯への出場はこれで10回目。FIFA主宰大会で25試合以上を戦った経験豊富なクラブだ。

【FIFAクラブW杯2025】グループステージ注目の対戦カード5選

フラメンゴ vs チェルシー(グループD)

チェルシー(イングランド)は過去クラブW杯でブラジルのクラブと2度対戦(2012決勝対コリンチャンス0-1、2021決勝対パルメイラス2-1)しているが、フラメンゴ(ブラジル)とのクラブW杯での対戦は今回が初めてとなる。MFコールパーマー、MFモイセス・カイセド、MFエンソ・フェルナンデスの調子さえよければ、優勝候補の一角と見てもおかしくないはずだ。プレミアリーグの強度を活かしてフィジカル面で上回りたいが、南米クラブ特有の巧みなボール回しにどう対応するかがカギとなりそうだ。

一方で南米屈指の強豪フラメンゴは、近年クラブW杯に定期的に出場。
現在のチームは、経験豊富な選手と才能あふれる若手が融合しており、攻撃陣の破壊力はヨーロッパ勢にも引けを取らない。特にウルグアイ代表MFジョルジアン・デ・アラスカエタのプレーには注目したい。

フラメンゴにとっては、クラブW杯の舞台でのイングランドのチームとの対決は、2019年大会の決勝で延長戦の末にリバプール(イングランド)に0-1で敗れて以来となる。相手は違えど、イングランドのチームにリベンジを果たす、重要な一戦となることは間違いないはずだ。

【FIFAクラブW杯2025】グループステージ注目の対戦カード5選

バイエルン・ミュンヘン vs ボカ・ジュニアーズ(グループC)

バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)とボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)は、意外にもクラブW杯ではまだ対戦したことがない。2001年、旧国立霞ヶ丘競技場陸上競技場で開催されたインターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)での激突では、1-0でバイエルンが勝利している。

バイエルンはブンデスリーガやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)では常に優勝争いを演じており、特にイングランド代表FWハリー・ケインを中心に、MFジャマル・ムシアラやMFレロイ・サネなど強烈な攻撃陣が特徴だ。また、堅実な守備と高いポゼッション率を誇り、試合をコントロールする能力に長ける。DF伊藤洋輝も所属しており、日本国内からも高い注目を浴びそうだ。

一方、ボカ・ジュニアーズは南米屈指のクラブとして、多くのタイトルを獲得してきた。しかし、2022年以降は国内外でタイトルから遠ざかっておりチームの完成度が気になるところだ。とはいえ、アルゼンチンサッカー特有の激しいプレースタイルを持ち、試合終盤まで戦い抜く粘り強さが武器となるはず。怪我で戦列を離れているウルグアイ代表のベテランFWエディソン・カバーニの復活にも期待したい。


【FIFAクラブW杯2025】グループステージ注目の対戦カード5選

浦和レッズ vs インテル(グループE)

今クラブW杯で日本から出場する浦和レッズの試合は、日本のファンにとってはどれも見逃せないものになるだろう。インテル(イタリア)、リーベル・プレート(アルゼンチン)、モンテレイ(メキシコ)と同組のグループEで戦う。

その中でも欧州のトップクラブであるインテルとの対戦は、日本でのセリエAの位置付けや過去から現在までの日本人選手の同リーグでの活躍を踏まえると、より興味深いもになるはずだ。

浦和は近年J1での優勝から遠ざかっているものの、カップ戦では着実に結果を残してきた。国内リーグでのタイトル獲得こそ少ないが、アジアの舞台では存在感を示している。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では3度の優勝を誇り、国際舞台で結果を出す傾向が強い。今大会でも一波乱を巻き起こす可能性は十分にある。

一方のインテルは、イタリアは元より世界的な名門クラブであり、CLや国内リーグで数多くのタイトルを獲得してきた。近年も攻守のバランスが取れたチームとしてCLでも確実にグループリーグを毎年突破してきており、大会の優勝候補にあげられてもおかしくないだろう。

アジアとヨーロッパの強豪クラブ同士の対決として、世界中のサッカーファンに浦和の底力を見せつける絶好の機会となることを期待したい。

【FIFAクラブW杯2025】グループステージ注目の対戦カード5選

アトレティコ・マドリード vs ボタフォゴ(グループB)

アトレティコ・マドリード(スペイン)とボタフォゴ(ブラジル)の一戦は、グループB最終戦での対戦となることから、両チームにとって決勝トーナメント進出をかけた重要な一戦となる可能性を秘めている。

アトレティコはディエゴ・シメオネ監督の下、組織的な守備とカウンター攻撃を武器としているラ・リーガ屈指の強豪だ。特にセンターバックのDFホセ・マリア・ヒメネスが守備の要となり、相手の攻撃を封じ込める。


一方のボタフォゴは、2024年のコパ・リベルタドーレスで初優勝を果たし勢いに乗っている。MFマルロン・フレイタスがゲームメイクを担当し、前線のアタッカー陣が多彩な攻撃を展開する。

アトレティコの堅固な守備とボタフォゴの攻撃的スタイルのぶつかり合いが最大の見どころとなると予想され、戦術的にも白熱した試合展開を楽しませてくれるはずだ。
編集部おすすめ