3月2日に開催された明治安田J1リーグ第4節浦和レッズ対柏レイソル(埼玉スタジアム2002/0-2)で、主審を務めたベルギー人レフェリーのネイサン・フェルボーメン氏のレフェリングに対し、SNSを通じて称賛の声が上がっている。
今2025シーズンからJリーグは、アクチュアルプレーイングタイム(APT=実際のプレー時間)増加を目的にファウル基準が大幅に緩和され、ファウルを取るべきプレーも流される場面が続出。
そんな中で来日した外国人レフェリーは、例年以上に重要なタスクを託されている。野々村チェアマン曰くの「世界基準」とは何かを示さなければならないからだ。
MFトルガイ・アルスランが負傷させられ、FW中村草太への手を使ったドリブル阻止に対しても警告を出さなかったことに対し「日本のサッカーは間違った方向に進んでいる」、最後には「クソだ」と吐き捨て、会見を2分弱で打ち切った。
あまりにもサンプルが少なく参考にはならないかもしれないが、今季のAPT平均は昨季までの数字をわずかながら上回っているという。しかし、それは取るべきファウルを取らず、選手の負傷と引き換えにした数字だ。
そして、スキッベ監督の激怒会見をきっかけに、ファウル基準変更の見直しを求める署名活動も始まっているようだ。ストレスを感じているのは選手や監督だけではないことが伺える。
今2025シーズンはフェルボーメン氏以外にも、イングランド人のエリオット・ベル氏、ハリソン・ブレア氏、さらに女性レフェリーのメリッサ・バーギン氏が来日中。フェルボーメン氏は3月17日まで、他の3人は3月21日まで、J1・J2・J3・ルヴァン杯1回戦・WEリーグで主審を務めることになっている。
その後もポーランドとサウジアラビアから3人、ドイツから2人、イングランド、エルサルバドル、カタールからそれぞれ1人のレフェリーが来日予定となっており、JリーグとWEリーグで笛を吹く予定だ。
また、「交流」を謳っていることから当然、日本人レフェリーも海外に派遣される。
来日初仕事となった2月26日の町田ゼルビア対東京ヴェルディの「東京クラシック」(町田GIONスタジアム/0-1)は、フィジカルコンタクトの多い一戦で両軍合わせて5枚の警告が出されたが、選手がエキサイトするようなシーンは見られず、上手くコントロールしていた。
冒頭に挙げた浦和対柏の一戦では、昨2024シーズンKVコルトレイクで半年間プレーしていた浦和MF金子拓郎のことを覚えていたようで、金子もフェルボーメン氏から警告を受けたことを思い出し、試合前には談笑する姿が見られた。
後半から途中出場した金子は「ストレスが全くなくやれたので、素晴らしいレフェリーだなと思いました」とフェルボーメン氏の印象を試合後に語っている。
前半33分、柏MF原川力が浦和DFからホールディングされたシーンがあったが、フェルボーメン氏はあえてファウルを取らなかった。プレーを流された原川は試合後に説明を求めたところ、フェルボーメン氏から「君は強いから大丈夫だ」と言われたという。
しかしながらフェルボーメン氏はファウルを取るべき場面では取った上で、警告1枚というクリーンな試合を演出した。“判定基準が曖昧”であることと“臨機応変さ”は紙一重だが、フェルボーメン氏は上手くそれを使い分け、プレーする選手を納得させた点では、やはり日本人レフェリーのレベルを上回っていると認めざるを得ないだろう。
フェルボーメン氏以外では、エリオット・ベル氏が主審を務めた3月1日のJ2第3節ベガルタ仙台対大分トリニータ(キューアンドエースタジアムみやぎ/2-0)では両軍合わせて警告3枚。またハリソン・ブレア氏が裁いた3月1日のJ3第3節栃木シティ対アスルクラロ沼津(CITY FOOTBALL STATION/0-0)では、警告2枚で試合をコントロールできていた。
もちろん日本人レフェリーも突然のファウル基準の変更に付いていこうと、欧州サッカーをチェックしアップデートを試みているだろうが、世界を知る外国人レフェリーが生きた見本となることは言うまでもないだろう。
今2025シーズンからJリーグは、アクチュアルプレーイングタイム(APT=実際のプレー時間)増加を目的にファウル基準が大幅に緩和され、ファウルを取るべきプレーも流される場面が続出。
シーズン開幕直前の2月10日に、野々村芳和チェアマンから方針転換が示されいきなり実行に移されたことで、ファウルを取るべき場面まで流され、監督や選手からは多くの苦言が発せられている。
そんな中で来日した外国人レフェリーは、例年以上に重要なタスクを託されている。野々村チェアマン曰くの「世界基準」とは何かを示さなければならないからだ。

スキッベ監督の激怒会見
今季からのファウル基準大幅緩和に関して、特にサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督は、3月2日のJ1第4節横浜FC戦(エディオンピースウイング広島/1-0)の試合後、清水勇人主審をやり玉に挙げ猛批判した。MFトルガイ・アルスランが負傷させられ、FW中村草太への手を使ったドリブル阻止に対しても警告を出さなかったことに対し「日本のサッカーは間違った方向に進んでいる」、最後には「クソだ」と吐き捨て、会見を2分弱で打ち切った。
あまりにもサンプルが少なく参考にはならないかもしれないが、今季のAPT平均は昨季までの数字をわずかながら上回っているという。しかし、それは取るべきファウルを取らず、選手の負傷と引き換えにした数字だ。
そして、スキッベ監督の激怒会見をきっかけに、ファウル基準変更の見直しを求める署名活動も始まっているようだ。ストレスを感じているのは選手や監督だけではないことが伺える。
来日中の外国人レフェリー
レフェリーの国際移籍制度はないが、JFA(日本サッカー協会)とJリーグは2008年から海外のサッカー協会と「審判交流プログラム」を提携し、各国との国際交流と国際経験の機会を作る試みを行っている。今2025シーズンはフェルボーメン氏以外にも、イングランド人のエリオット・ベル氏、ハリソン・ブレア氏、さらに女性レフェリーのメリッサ・バーギン氏が来日中。フェルボーメン氏は3月17日まで、他の3人は3月21日まで、J1・J2・J3・ルヴァン杯1回戦・WEリーグで主審を務めることになっている。
その後もポーランドとサウジアラビアから3人、ドイツから2人、イングランド、エルサルバドル、カタールからそれぞれ1人のレフェリーが来日予定となっており、JリーグとWEリーグで笛を吹く予定だ。
また、「交流」を謳っていることから当然、日本人レフェリーも海外に派遣される。
昨年は16人のレフェリーと3人の審判インストラクターが8か国に派遣された。

フェルボーメン氏のレフェリング
国際審判員としても活躍しているフェルボーメン氏は、2024/25シーズンUEFAカンファレンスリーグ予選も担当し、ベルギーリーグでは150試合以上で主審を務めている経験豊富なレフェリーだ。来日初仕事となった2月26日の町田ゼルビア対東京ヴェルディの「東京クラシック」(町田GIONスタジアム/0-1)は、フィジカルコンタクトの多い一戦で両軍合わせて5枚の警告が出されたが、選手がエキサイトするようなシーンは見られず、上手くコントロールしていた。
冒頭に挙げた浦和対柏の一戦では、昨2024シーズンKVコルトレイクで半年間プレーしていた浦和MF金子拓郎のことを覚えていたようで、金子もフェルボーメン氏から警告を受けたことを思い出し、試合前には談笑する姿が見られた。
後半から途中出場した金子は「ストレスが全くなくやれたので、素晴らしいレフェリーだなと思いました」とフェルボーメン氏の印象を試合後に語っている。
前半33分、柏MF原川力が浦和DFからホールディングされたシーンがあったが、フェルボーメン氏はあえてファウルを取らなかった。プレーを流された原川は試合後に説明を求めたところ、フェルボーメン氏から「君は強いから大丈夫だ」と言われたという。
しかしながらフェルボーメン氏はファウルを取るべき場面では取った上で、警告1枚というクリーンな試合を演出した。“判定基準が曖昧”であることと“臨機応変さ”は紙一重だが、フェルボーメン氏は上手くそれを使い分け、プレーする選手を納得させた点では、やはり日本人レフェリーのレベルを上回っていると認めざるを得ないだろう。
フェルボーメン氏以外では、エリオット・ベル氏が主審を務めた3月1日のJ2第3節ベガルタ仙台対大分トリニータ(キューアンドエースタジアムみやぎ/2-0)では両軍合わせて警告3枚。またハリソン・ブレア氏が裁いた3月1日のJ3第3節栃木シティ対アスルクラロ沼津(CITY FOOTBALL STATION/0-0)では、警告2枚で試合をコントロールできていた。
もちろん日本人レフェリーも突然のファウル基準の変更に付いていこうと、欧州サッカーをチェックしアップデートを試みているだろうが、世界を知る外国人レフェリーが生きた見本となることは言うまでもないだろう。
現在来日中の4氏と、後に続く11人の外国人レフェリーの判定が日本人レフェリーと今後のファウル基準に大きく影響してくるのではないだろうか。
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