2025明治安田J1リーグは一部のクラブを除き(※)第5節までを消化。鹿島アントラーズが4勝1敗、勝ち点12で暫定首位に立っている。
次いで暫定2位に位置するのは湘南ベルマーレ。こちらは3勝2分で勝ち点11、無敗で首位の鹿島を追いかけている。

そんな今季のJ1リーグでは、ルーキーながら早くも出場機会を得て活躍している選手が例年以上に多く、なかにはACL(AFCチャンピオンズリーグ)で複数得点を挙げたスーパールーキーもいる。ここでは、プロ1年目にしてすでに主力としてプレーしている6選手を紹介する。

※川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノスはACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)へ、サンフレッチェ広島はACL2(AFCチャンピオンズリーグ2)へ出場しているため1試合未消化。

プロ1年目ながら主力で活躍する6選手【J1リーグ2025】

中村草太(サンフレッチェ広島)

1人目は明治大学から今季サンフレッチェ広島に加入したFW中村草太。スピードを生かした裏抜けを得意とし決定力も高い。大学時代には3年次から2年連続で関東サッカーリーグ得点王やアシスト王に輝き、チームを関東リーグ優勝やインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)優勝へと導いた。この活躍に大学No.1プレーヤーとの呼び声も高く、鳴り物入りでプロ入りとなった。

広島ではここまで公式戦7試合(J1リーグ4試合2ゴール、ACL2・2試合3ゴール、フジゼロックススーパーカップ1試合)に出場し早くも5ゴールを挙げており、得点量産体制に入っている。

プロ1年目ながら主力で活躍する6選手【J1リーグ2025】

稲村隼翔(アルビレックス新潟)

2人目は東洋大学からアルビレックス新潟に加入したDF稲村隼翔。大学2年次からスタメンでプレーしており、3年次の6月には2025シーズンからの新潟加入が内定していた。2024シーズンは特別指定選手としてJ1リーグで12試合に出場。名古屋グランパスとのYBCルヴァンカップ決勝にはスタメンに抜擢された。


センターバックを本職とする稲村は、視野の広さに加え左足から繰り出されるロングフィードやサイドチェンジなどのパスに定評がある。受け手がトラップしやすい回転でボールを蹴っており、足元の技術に長けていると言えるだろう。

今シーズンはここまでJ1リーグ5試合全てにスタメンでのフルタイム出場を果たしており、背番号もプロ1年目ながら「3」と期待の高さが窺える。

プロ1年目ながら主力で活躍する6選手【J1リーグ2025】

嶋本悠大(清水エスパルス)

3人目には昨年の高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグで優勝した大津高校(熊本県)から清水エスパルスに加入したMF嶋本悠大を挙げる。ボランチを主戦場としており、守備ではポジショニングの良さや球際の強さに定評がある。攻撃面でもドリブルやパスで決定的なシーンを演出できるなど、まさに”チームの心臓”である事が分かる。

清水では開幕戦(東京ヴェルディ戦1-0)に途中出場でプロデビューを果たすと、第5節のガンバ大阪戦(0-1)では早くも初のスタメン出場を遂げている。まだプロのスピードや強度についていけない場面も見られるため、まずは順応が課題か。

プロ1年目ながら主力で活躍する6選手【J1リーグ2025】

桑山侃士(町田ゼルビア)

東海大学から町田ゼルビアに加入したFW桑山侃士は、高校までMFだったが大学からFWにコンバート。身長184cm体重80kgの恵まれた体格を活かしたポストプレーはもちろん、味方のパスを引き出す動きや強引にシュートを放つことができる万能型ストライカーである。

昨年4月に2025シーズンからの町田入団が発表されると、同年は特別指定選手として公式戦5試合に出場した。今シーズンはここまでJ1リーグ3試合1ゴールを記録。ロングボールやロングパスを多用する町田の戦術にフィットしており、一気に飛躍を遂げる可能性が高い。

プロ1年目ながら主力で活躍する6選手【J1リーグ2025】

新井悠太(東京ヴェルディ)

5人目は東洋大学から東京ヴェルディに加入したMF新井悠太。持ち味はなんといってもボディフェイントで対峙する相手DFの逆をつくことが出来るドリブルではないだろうか。
大学3年次に特別指定選手として出場した2023シーズンJ2第25節町田ゼルビア戦。0-2と2点ビハインドの中で途中出場を果たすと、左サイドを幾度となく打開し2-2の同点へと導いた。以降、新井がボールを持つと歓声が上がることからも期待の大きさが窺える。

今シーズンはここまでJ1リーグ5試合中4試合でスタメン出場を果たしている。第3節の町田ゼルビア戦(1-0)では、アシストで決勝ゴールをお膳立てする活躍を見せた。左サイドを主戦場とし、独特の間を持つドリブラーであることから一部では「NEXT三笘薫」とも呼ばれている。

プロ1年目ながら主力で活躍する6選手【J1リーグ2025】

名和田我空(ガンバ大阪)

6人目は神村学園からガンバ大阪へ加入したMF名和田我空。繊細なボールタッチや高精度のパスやシュートは高校時代から群を抜いていた。高校2年次に出場した2023年のAFC U-17アジアカップではMVPと得点王をダブル受賞。この活躍もあり、2023年10月にイギリスの大手新聞『ガーディアン』が発表した「2006年生まれのサッカー界最高の若き才能60人」に選出されている。海外クラブからの評価も高く、高校卒業後の動向に注目が集まるなかG大阪でプレーすることを選択した。

今シーズンは開幕節のセレッソ大阪戦(2-5)でスタメンに抜擢されると、出場時間65分間でシュート4本を放ち存在感を見せつけた。
その後、第3節のファジアーノ岡山戦(0-2)にも出場するなど高卒ルーキーとは思えない活躍を見せている。世界から注目される18歳アタッカーから目が離せない。
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