第5節までが終了した2025明治安田J2リーグ。ここまでは、昨季最終節でJ1昇格プレーオフ圏から陥落するという屈辱を味わったジェフユナイテッド千葉が、エースFW小森飛絢の移籍などもありながら開幕から5連勝で首位を走る。
また、昨季は序盤戦で苦戦した徳島ヴォルティスやJ2初参戦となるFC今治も好スタートを切った。

しかし、その一方で下位に目を向けると昇格候補と目されていた北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖などJ1からの降格組がいずれも第5節でようやく初勝利を挙げるという苦戦を強いられている。

今冬の移籍では、J1に引けを取らないほど積極的な補強に動いたJ2クラブも多く、序盤戦から新戦力がチームを牽引する姿も多く見られる。ここでは、第5節までの結果から、補強によって大いに戦力アップを図れたと言えるクラブを3つランキング形式で紹介していく。

【J2リーグ2025】開幕後の結果に見る補強成功度ランキングトップ3

3位:V・ファーレン長崎

昨季は最終節まで逆転自動昇格圏入りの可能性を残し、最終3位とJ1復帰に迫ったV・ファーレン長崎。途中リーグ戦では22戦無敗という圧巻の安定感を見せつけ、さらに自動昇格を決めた2クラブを差し置いて74得点というリーグトップの攻撃力を見せつけた。残念ながらプレーオフ準決勝でベガルタ仙台に敗れ昇格は叶わなかったが、悲願のJ1復帰に向けて確かな手ごたえを掴んだシーズンであったことは間違いない。

そんな長崎は今冬、昨季チームを牽引したMFマテウス・ジェズスやMFマルコス・ギリェルメら強力な「個」の光る外国籍選手たちが揃ってチームに残留。主力の流出を最小限に留めながら戦力の充実を図った。なかでも守備陣の新戦力たちはこの序盤戦からそれぞれが存在感を放っている。昨年昇格を争ったライバルでもあるモンテディオ山形から加入したGK後藤雅明は開幕からスタメン出場を続けており、新守護神として君臨。DF陣ではJ1での優勝経験もあるDFエドゥアルドやヴァンフォーレ甲府でAFCチャンピオンズリーグエリート(ACL)も経験したDF関口正大、昨年ジュビロ磐田でJ1を戦ったDF高畑奎汰といった選手たちもすでに定位置を掴んでおり、開幕から未だ負けなしのチームを支えている。

攻撃陣がJ2随一であることは昨年すでに証明済み。
その上で守備陣の補強の成果が早くも出ていることは長いリーグ戦を戦うにあたり大きな収穫と言えることから第3位とした。今季こそ昇格を成し遂げられるのか、優勝候補の一角でもあるだけにその戦いぶりから目が離せない。

【J2リーグ2025】開幕後の結果に見る補強成功度ランキングトップ3

2位:RB大宮アルディージャ

昨季クラブ史上初めてJ3を戦い、見事優勝でJ2復帰を果たしたRB大宮アルディージャ。今冬は昨年期限付きで加入し活躍したFW杉本健勇、MF泉柊椰といった選手たちが完全移籍へと移行し、さらにJ1クラブから複数の選手を補強して強化を図り2年ぶりのJ2に臨んでいる。

その選手層の厚さからダークホースとしても期待された大宮。ここまでの5試合は4勝1敗と上々の立ち上がりを見せている。新加入選手で特に存在感を放っているのは、昨季横浜FCで25試合に出場しJ1復帰に大きく貢献したDFガブリエウ。守備はもちろん、後方から効果的な縦パスで攻撃面での活躍も光る。また、同じく横浜FCより加入のFWカプリーニや、京都サンガから加入したFW豊川雄太、MF谷内田哲平らもそれぞれ試合に絡んできており、今後まだまだチーム力は上がっていくことが予想される。

昨年、J2昇格の立役者となった選手たちがチームに残り、さらに今季は開幕から大卒2年目のFW藤井一志が覚醒。そこへ新戦力が早くもチームにフィットしはじめ、開幕からの戦績も含めてすべてが上手く回っていると言っても過言ではないことから第2位とした。このままJ1復帰まで一気に突き進むことができるのか注目だ。

【J2リーグ2025】開幕後の結果に見る補強成功度ランキングトップ3

1位:カターレ富山

昨季のJ2昇格プレーオフ決勝では、後半アディショナルタイムに劇的な同点ゴールを挙げ11年ぶりのJ2復帰を決めたカターレ富山。
直近3シーズンはいずれもJ3で上位にいながら、あと一歩届かなかったJ2への堅い扉をようやくこじ開け、勢いそのままに今季は現時点で4位と好スターを切ることに成功している。

そんな富山にとって、今冬の補強は早くも大当たりと言えるものになっている。頼もしいのは前線の新戦力たち。J1~J3まで全カテゴリーで豊富な経験を誇るFW松田力に、J3では常に二桁近いゴールを挙げ続けてきたFW武颯と、経験・実績ともに申し分ない選手たちが早速見せ場を多く作っている。また、守備陣ではアスルクラロ沼津より加入のDF濱託巳がすでに主軸となっており、自身初のJ2で個人としても好スタートを切った。

久々のJ2を戦う富山にとって、新たな得点源が早々に期待通りの活躍を見せているのは大きく、引き続き台風の目として躍進も見える。新加入組はルーキーも多い中で他クラブから確実に戦力となる選手を獲得できていたと言えようことから第1位とした。
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