そんな各クラブの好不調が見えてきたなかで、3月末には駆け込みでの補強も多く移籍の話題でも大いに盛り上がった。Jリーグ初参戦の外国籍選手や近年海外挑戦から国内復帰を果たした選手にも動きがあったことから、現在の順位に関係なく起爆剤としての役割が期待される。ここでは、開幕後の補強によってさらなる戦力アップに成功したと見られるクラブを3つランキング形式で紹介していく。

3位:サンフレッチェ広島
新加入選手
- FWヴァレール・ジェルマン(マッカーサーFCより完全移籍)
- FW前田直輝(浦和レッズより完全移籍)
そんな新加入の選手たちが活躍を見せるなか、広島は開幕後にも補強の姿勢を強く見せた。冬にFWピエロス・ソティリウら複数の外国籍選手がチームを離れた最前線には、新たにFWヴァレール・ジェルマンが加入。今季注目の新戦力であるFWジャーメイン良の得点数が伸び悩むチームに新たな得点源が加わった。さらに、サイドから切り崩しを図れるFW前田直輝を獲得。鋭いカットインからのシュートが最大の持ち味で、こちらも得点に期待ができる選手だ。
シーズン開幕直後に攻撃の要であるMFトルガイ・アルスランが負傷。クラブよりドイツへ一時帰国との発表がなされ、こと得点という面では不安もある事態に陥った広島。

2位:ヴィッセル神戸
新加入選手
- MFグスタボ・クリスマン(CDサンタ・クララより期限付き移籍)
- FWエリキ(町田ゼルビアより期限付き移籍)
神戸は今冬、他クラブと比較すると大規模な補強は行わず。とはいえ選手の流出も最小限に抑え、ほぼ昨年と同様のメンバーを維持したままシーズンをスタートさせていた。その上での低迷の影響からか、開幕後には外国籍選手を複数獲得している。中でも注目なのが、町田ゼルビアより期限付きで加わったFWエリキの存在。2019シーズンに横浜F・マリノスのJ1優勝に大きく貢献し、一度はJリーグを離れるも2023シーズンには当時J2の町田へ加入。夏に怪我による離脱がありながらも18ゴールを挙げる活躍でJ1昇格に導いた点取り屋だ。また、同じく開幕後に加わったMFグスタボ・クリンスマンも活躍が期待される。
神戸の前線には、FW大迫勇也を筆頭に昨季新加入ながら活躍したFW宮代大聖や豊富な運動量で攻守を支えるMF武藤嘉紀など人材は豊富。

1位:湘南ベルマーレ
新加入選手
- MF奥埜博亮(セレッソ大阪より完全移籍)
- FW小田裕太郎(ハート・オブ・ミドロシアンFCより完全移籍)
- GK糸原紘史郎(レノファ山口より期限付き移籍)
今季を迎えるにあたり、湘南は鹿島アントラーズからスピードスターMF藤井智也を獲得。その一方で、その他の新戦力はルーキーが多く他のJ1クラブと比較すると静かな冬を過ごした。しかし、開幕後には活発な移籍の動きが見られた。まず、中盤ではセレッソ大阪よりMF奥埜博亮を獲得。経験豊富で頼れるベテランが加わった。さらに、FWルキアンが流出した一方で海外挑戦中であったパリ世代のFW小田裕太郎も加入。湘南の最前線にはFW鈴木章斗やFW福田翔生といった若き点取り屋もいるが、さらに底上げを図れる補強が実現した。
昨年チームトップの11ゴールを挙げたルキアンの移籍は惜しまれるが、鈴木や福田と年齢的に近くポジション争いにより良い意味での刺激を与えるだろう小田の獲得は大きい。