一部クラブを除き第13節までの日程を終えた2025明治安田J1リーグ。混戦模様のなか首位を走るのは、2016年のJ1リーグ優勝以来国内タイトルから遠ざかっている鹿島アントラーズだ。
最後に優勝した2016シーズン以降も常に5位以内をキープ。過去1度もJ2への降格経験がない国内屈指の名門クラブは、今季こそタイトルをと、クラブOBでもあり川崎フロンターレで多くのタイトルを獲得してきた鬼木達氏を新指揮官に迎え新シーズンのスタートを切っていた。開幕戦こそ黒星となったものの、第2節からは4連勝を含む6戦無敗と好スタート。残念ながら第8節以降に3連敗と失速するも、直近の第11節~第13節で再び連勝し後れを取り戻した格好だ。

そんな鹿島が今季新たに迎えたのは指揮官だけではない。Jリーグ屈指のストライカーや期待の若手など、今冬は少数ながらも精鋭を新戦力として加えチームの強化を図っていた。ここでは、第13節までにリーグ戦で出場機会のあった今季の新加入選手についてその活躍度を5段階で評価していく。

鹿島アントラーズが首位浮上!新戦力の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

FWレオ・セアラ

評価:★★★★★

今冬のJリーグ内移籍で、柏レイソルから浦和レッズへと加入したMFマテウス・サヴィオと並んで注目株だったのがFWレオ・セアラ。2021シーズンに横浜F・マリノスへと加入しJ1デビューを果たして以降、毎年安定的に二桁得点をマーク。昨季は21ゴールを挙げ、得点王まであと一歩と迫った頼れるストライカーだ。

鹿島加入後は絶対的なエースであるFW鈴木優磨とともに攻撃を牽引し、ホーム開幕戦となった第2節の東京ヴェルディ戦で今季初ゴールを含む2得点を挙げると、第5節の柏戦ではハットトリックを達成。現時点で8ゴールを挙げ、京都サンガのFWラファエル・エリアスと並び得点ランキング1位につけている。

178cmと決して大柄ではないが、空中戦に強く背後への飛び出しからのシュートやエリア内の混戦からなど高い決定力を持つのが強み。
チャンスメイクに長けた前線の選手が多い鹿島では、今後もより特徴を活かした場面が増える期待も十分にある。その上で、現時点での数字を考慮して評価を「5」とした。残念ながら直近の3試合は欠場となっているが、今季はどこまでゴール数を伸ばすのか楽しみだ。そして今季こそ得点王の座を掴めるか注目だ。

鹿島アントラーズが首位浮上!新戦力の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

DF小池龍太

評価:★★★★★

今冬鹿島に加入した新戦力の中では、早くも得点量産体制に入っているFWレオ・セアラに目が行く。しかし、DF小池龍太の活躍ぶりも決して忘れてはならないだろう。横浜F・マリノスでJ1リーグ優勝を知る小池は、2023シーズンに右膝蓋骨骨折の大怪我を負いそのシーズンはリーグ戦の出場が叶わず、昨2024シーズンも7試合の出場に留まっていた。しかし、新天地の鹿島で迎えた今季の小池は、これまで2シーズン怪我に苦しんだとは思えないほど質の高いプレーを披露し続けている。

本職は右サイドだが、左サイドやボランチもこなすユーティリティ性が売り。それゆえ鹿島でも右サイドが主戦場ながら気の利いたポジショニングで周囲を活かすプレーが際立つ。第3節のアルビレックス新潟戦ではボレーシュートでゴールも決めており、その他すでに3つのアシストをマークしていることからもチーム内における重要性が窺えることから評価を「5」とした。

鹿島アントラーズが首位浮上!新戦力の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

DFキム・テヒョン

評価:★☆☆☆☆

日本代表としても経験豊富なDF植田直通と屈強なフィジカルと質の高いフィードが特徴のDF関川郁万という鉄板の2枚がいる鹿島のセンターバック。その一方でサブが手薄な印象があった。そんな鹿島の守備陣に厚みを持たせるべく、今冬DFキム・テヒョンが加わったが残念ながらここまではリーグ戦6試合に途中出場という状況。
いずれもゲーム終盤のわずかな時間の出場に留まっている。YBCルヴァンカップではフル出場を果たしているが、現時点では鹿島のセンターバック2枚看板の地位を脅かすには至っていないことから評価を「1」とした。

鹿島アントラーズが首位浮上!新戦力の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

DF佐藤海宏

評価:★☆☆☆☆

今季の鹿島には下部組織からの昇格組も複数いる。そのうちの1人DF佐藤海宏は、第2節の東京V戦でデビューを果たすとここまでリーグ戦では2試合で出場機会を得ているが、出場時間は試合終盤の極めて限られた時間となっている。ルヴァン杯では長い時間チャンスが与えられたが、まだまだ満足のいく活躍は見せられていないことから評価を「1」とした。

鹿島アントラーズが首位浮上!新戦力の活躍度を5段階評価【J1リーグ2025】

FW徳田誉

評価:★☆☆☆☆

昨季は2種登録ながら12試合に出場し、第30節のサンフレッチェ広島戦では途中出場からチームに勝ち点をもたらす同点弾という形で初ゴールをマークしたFW徳田誉。まぎれもなく今季注目の若手であったが、3月に行われたU-20日本代表スペイン遠征での怪我の影響もあってか、ここまではリーグ戦5試合の出場に留まっている。開幕早々に負傷という不運に見舞われ出場機会が限られていることから現時点での評価は「1」とした。ファンやサポーターにとっても期待の若手なだけに、早い復帰が待たれる。
編集部おすすめ