複数のメディアが連日報じるこの動きは、フェイエノールトのDFダビド・ハンツコの退団に備えるとともに、怪我で離脱が多かったDFゲルノト・トラウナーの補強策でもあるとされる。
フェイエノールトはかつて資金不足により移籍市場で後手に回ることが多かったが、財政状況の改善により近年は積極的な姿勢へと変化。渡辺以外にもすでに新シーズンに向けた補強が進んでおり、オランダ1部トゥエンテに所属するMFセム・スタインが最初の重要な補強選手となる見込みだ。
フェイエノールトに特化したメディア『FR-FANS.NL』によれば、スタインの移籍金は約1,000万ユーロ(約16億円)にボーナス数百万ユーロを加えた金額になるという。これはクラブ史上最高額の移籍金となるが、今シーズン得点力の不足に悩まされることがあったフェイエノールトにとって、それを保証する選手として期待されている。
一方、上田は試合を重ねるごとに成長を見せている。1月にセリエAのミランへ移籍した人気選手FWサンティアゴ・ヒメネスの後を継ぐプレッシャーから徐々に解放され、真の9番としての力を発揮し始めている。今シーズンは怪我にも悩まされたが、全コンペティションで27試合に出場して8ゴールを記録し、特にボールコントロールの向上とゴールへの嗅覚が評価されているようだ。
また、今シーズン途中から指揮を執るロビン・ファン・ペルシー監督に対しては、就任当初は懐疑的な見方もあったが、シーズン後半は好調を維持しており、来シーズンに向けて可能性を感じさせている。全てのピースが徐々に揃いつつあるフェイエノールトだが、まずは来シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得が今シーズンの目標となっている。