国際サッカー連盟(FIFA)が主宰するクラブワールドカップ(クラブW杯)2025が、この夏にかつてない新フォーマットで開催される。6月15日にフロリダ州マイアミのハードロックスタジアムで開幕されるこの大会は30日間にわたってアメリカ国内の12会場で行われ、決勝は7月14日にニューヨーク/ニュージャージー州のメットライフスタジアムで予定されている。
6つの大陸連盟から選出された全32クラブがアメリカに集い、現時点における世界最高のクラブチームの座を懸けて争う。クラブW杯が国際サッカーの新章を切り開くこの節目に、2025年大会の基本情報を紹介していきたい。
2000年、FIFAは初のクラブ世界選手権(FIFAクラブ世界選手権・ブラジル2000)を開催し、6大陸の王者が参加した。だが、翌年以降は中断され、2005年にインターコンチネンタルカップを事実上統合する形でクラブW杯として再始動。以後2023年まで毎年開催されている。
そしてクラブW杯は2025年6月から新フォーマットに移行し、4年に1度32クラブが参加するトーナメントとして開催される予定だ。開催国はアメリカ合衆国。代表チームのFIFAワールドカップ(W杯)同様の形式を採用し、FIFAはこの大会をクラブレベルにおける世界一決定戦として位置づけている。
6月15日~27日
ノックアウトステージ
ラウンド16:6月29日~7月2日
準々決勝:7月5日~6日
準決勝:7月9日~10日
決勝:7月14日
たとえばイングランドには2枠が与えられており、過去数年でCL制覇を果たしたマンチェスター・シティ(2022/23)とチェルシー(2020/21)が出場権を得ている。
また、開催国枠としてFWリオネル・メッシ(アルゼンチン代表)擁するインテル・マイアミが特別枠で出場する。
では、各グループごとに出場クラブと試合日程を紹介しよう。
6/16(7:00)第1戦:パルメイラス – ポルト
6/20(1:00)第2戦:パルメイラス – アル・アハリ
6/20(4:00)第2戦:インテル・マイアミ – ポルト
6/24(10:00)第3戦:インテル・マイアミ – パルメイラス/ポルト – アル・アハリ
6/16(11:00)第1戦:ボタフォゴ – シアトル・サウンダーズ
6/20(7:00)第2戦:シアトル・サウンダーズ – アトレティコ・マドリード
6/20(10:00)第2戦:PSG – ボタフォゴ
6/24(4:00)第3戦:シアトル・サウンダーズ – PSG/アトレティコ・マドリード – ボタフォゴ
6/17(7:00)第1戦:ボカ・ジュニアーズ – ベンフィカ
6/21(1:00)第2戦:ベンフィカ – オークランド・シティ
6/21(10:00)第2戦:バイエルン – ボカ・ジュニアーズ
6/25(4:00)第3戦 :ベンフィカ – バイエルン/オークランド・シティ – ボカ・ジュニアーズ
6/17(4:00)第1戦:チェルシー – TBD
6/17(10:00)第1戦:フラメンゴ – エスペランス
6/21(3:00)第2戦:フラメンゴ – チェルシー
6/21(7:00)第2戦:TBD – エスペランス
6/25(10:00)第3戦:TBD – フラメンゴ/エスペランス – チェルシー
6/18(10:00)第1戦:モンテレイ – インテル
6/22(4:00)第2戦:インテル – 浦和レッズ
6/22(10:00)第2戦:リーベル – モンテレイ
6/26(10:00)第3戦:インテル – リーベル/浦和レッズ – モンテレイ
6/18(7:00)第1戦:蔚山 – マメロディ・サンダウンズ
6/22(1:00)第2戦:マメロディ・サンダウンズ – ドルトムント
6/22(7:00)第2戦:フルミネンセ – 蔚山
6/26(4:00)第3戦:マメロディ・サンダウンズ – フルミネンセ/ドルトムント – 蔚山
6/19(10:00)第1戦:アル・アイン – ユべントス
6/23(1:00)第2戦:ユべントス – ウィダード
6/23(10:00)第2戦:マンチェスター・C – アル・アイン
6/27(4:00)第3戦:ユべントス – マンチェスター・C/ウィダード – アル・アイン
6/19(7:00)第1戦:パチューカ – ザルツブルク
6/23(4:00)第2戦:レアル・マドリード – パチューカ
6/23(7:00)第2戦:ザルツブルク – アル・ヒラル
6/27(10:00)第3戦:ザルツブルク – レアル・マドリード/アル・ヒラル – パチューカ
また浦和は今2025シーズンのJ1リーグで第16節終了時点で失点数13(リーグ5位タイ)という守備成績を記録している。圧倒的な数字ではないが、リーグ平均を上回る安定感を見せている。
守備陣で注目すべきは、DFマリウス・ホイブラーテンとDFダニーロ・ボザのセンターバックコンビだ。
ベテランのGK西川周作も第15節までに高水準のパフォーマンスを維持しており、セーブ率は72.5%、90分あたりの失点は0.71。ゴール前での粘り強さが失点数の抑制に寄与している。しかし、5月6日のガンバ大阪戦(0-1)で前半9分に負傷退場しており復帰が待たれる。
また、今シーズンチームに加わった選手たちの活躍にも期待が高まる。まずは復帰したMF原口元気。その豊富な経験で攻守にわたりチームの起爆剤となれるのか。攻撃陣に関しては、J1の柏レイソルから加入したMFマテウス・サヴィオの創造性とテクニックが世界レベルで通用するのか。そして、4月6日のアビスパ福岡戦(0-1)を最後に欠場が続いているエースFWチアゴ・サンタナについてもクラブW杯での復帰が待たれるところだ。
グループステージは各チーム3試合。勝点6での突破は確実視されるが、逆に勝点4でも突破の可能性は残されており、グループ内で勝点が分散するかどうかが鍵となる。
Jリーグでも中2~3日の連戦が珍しくない中、主力の固定や守備の連携度の高さは、クラブW杯のような過密スケジュールの大会でも一定のアドバンテージとなる。アジアから世界へ。浦和がこの大会でどこまで通用するのかは、Jリーグ全体にとっても一つの指標となるだろう。
6つの大陸連盟から選出された全32クラブがアメリカに集い、現時点における世界最高のクラブチームの座を懸けて争う。クラブW杯が国際サッカーの新章を切り開くこの節目に、2025年大会の基本情報を紹介していきたい。

クラブW杯誕生までの道のり
クラブ世界一を争う大会の起源は、1960年に創設されたインターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)にある。欧州王者と南米王者による一騎打ち形式で行われたが、FIFA主催ではなく他大陸のクラブは参加できなかった。1990年代以降、アジア、アフリカ、北中米のクラブレベルの競技力が向上し、FIFAはより包括的な大会の必要性を認識するようになった。2000年、FIFAは初のクラブ世界選手権(FIFAクラブ世界選手権・ブラジル2000)を開催し、6大陸の王者が参加した。だが、翌年以降は中断され、2005年にインターコンチネンタルカップを事実上統合する形でクラブW杯として再始動。以後2023年まで毎年開催されている。
そしてクラブW杯は2025年6月から新フォーマットに移行し、4年に1度32クラブが参加するトーナメントとして開催される予定だ。開催国はアメリカ合衆国。代表チームのFIFAワールドカップ(W杯)同様の形式を採用し、FIFAはこの大会をクラブレベルにおける世界一決定戦として位置づけている。

開幕日・決勝戦
クラブW杯2025は、6月15日午前9時からハードロック・スタジアムで行われるインテル・マイアミ(アメリカ)対アル・アハリ(エジプト)の試合で開幕し、決勝は7月14日午前4時のキックオフだ。この形式は、W杯、UEFA欧州選手権(ユーロ)、コパ・アメリカといった国際大会と同様、1か月間にわたるフットボールの祭典として開催される。大会フォーマットとスケジュール
前半はグループステージ(総当たり戦)、後半はノックアウト方式と2つのフェーズで構成されており、全32チームは4クラブずつ8つのグループに分けられている。各グループの上位2チームがラウンド16(ベスト16)へ進出。以降は準々決勝、準決勝、決勝へと進む。なお、W杯とは異なり3位決定戦は行われない。
スケジュール詳細
グループステージ6月15日~27日
ノックアウトステージ
ラウンド16:6月29日~7月2日
準々決勝:7月5日~6日
準決勝:7月9日~10日
決勝:7月14日

出場クラブ・各グループ試合日程
世界6つの大陸連盟から選出された計32クラブが出場する本大会。出場権は、直近4年間におけるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)やCONMEBOLリベルタドーレスなど、各大陸の主要大会で優勝したクラブに与えられたほか、同期間の成績に基づくランキングで上位に入ったクラブにも与えられた。たとえばイングランドには2枠が与えられており、過去数年でCL制覇を果たしたマンチェスター・シティ(2022/23)とチェルシー(2020/21)が出場権を得ている。
また、開催国枠としてFWリオネル・メッシ(アルゼンチン代表)擁するインテル・マイアミが特別枠で出場する。
では、各グループごとに出場クラブと試合日程を紹介しよう。

グループA
- パルメイラス(ブラジル)
- ポルト(ポルトガル)
- アル・アハリ・カイロ(エジプト)
- インテル・マイアミ(アメリカ)
6/16(7:00)第1戦:パルメイラス – ポルト
6/20(1:00)第2戦:パルメイラス – アル・アハリ
6/20(4:00)第2戦:インテル・マイアミ – ポルト
6/24(10:00)第3戦:インテル・マイアミ – パルメイラス/ポルト – アル・アハリ

グループB
- パリ・サンジェルマン(PSG/フランス)
- アトレティコ・マドリード(スペイン)
- ボタフォゴ(ブラジル)
- シアトル・サウンダーズ(アメリカ)
6/16(11:00)第1戦:ボタフォゴ – シアトル・サウンダーズ
6/20(7:00)第2戦:シアトル・サウンダーズ – アトレティコ・マドリード
6/20(10:00)第2戦:PSG – ボタフォゴ
6/24(4:00)第3戦:シアトル・サウンダーズ – PSG/アトレティコ・マドリード – ボタフォゴ

グループC
- バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
- オークランド・シティ(ニュージーランド)
- ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)
- ベンフィカ(ポルトガル)
6/17(7:00)第1戦:ボカ・ジュニアーズ – ベンフィカ
6/21(1:00)第2戦:ベンフィカ – オークランド・シティ
6/21(10:00)第2戦:バイエルン – ボカ・ジュニアーズ
6/25(4:00)第3戦 :ベンフィカ – バイエルン/オークランド・シティ – ボカ・ジュニアーズ

グループD
- フラメンゴ(ブラジル)
- エスペランス(チュニジア)
- チェルシー(イングランド)
- TBD(※)
6/17(4:00)第1戦:チェルシー – TBD
6/17(10:00)第1戦:フラメンゴ – エスペランス
6/21(3:00)第2戦:フラメンゴ – チェルシー
6/21(7:00)第2戦:TBD – エスペランス
6/25(10:00)第3戦:TBD – フラメンゴ/エスペランス – チェルシー

グループE
- リーベル・プレート(アルゼンチン)
- 浦和レッズ(日本)
- モンテレイ(メキシコ)
- インテル(イタリア)
6/18(10:00)第1戦:モンテレイ – インテル
6/22(4:00)第2戦:インテル – 浦和レッズ
6/22(10:00)第2戦:リーベル – モンテレイ
6/26(10:00)第3戦:インテル – リーベル/浦和レッズ – モンテレイ

グループF
- フルミネンセ(ブラジル)
- ボルシア・ドルトムント(ドイツ)
- 蔚山現代(韓国)
- マメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)
6/18(7:00)第1戦:蔚山 – マメロディ・サンダウンズ
6/22(1:00)第2戦:マメロディ・サンダウンズ – ドルトムント
6/22(7:00)第2戦:フルミネンセ – 蔚山
6/26(4:00)第3戦:マメロディ・サンダウンズ – フルミネンセ/ドルトムント – 蔚山

グループG
- マンチェスター・シティ(イングランド)
- ウィダード・カサブランカ(モロッコ)
- アル・アイン(アラブ首長国連邦)
- ユべントス(イタリア)
6/19(10:00)第1戦:アル・アイン – ユべントス
6/23(1:00)第2戦:ユべントス – ウィダード
6/23(10:00)第2戦:マンチェスター・C – アル・アイン
6/27(4:00)第3戦:ユべントス – マンチェスター・C/ウィダード – アル・アイン

グループH
- レアル・マドリード(スペイン)
- アル・ヒラル(サウジアラビア)
- パチューカ(メキシコ)
- ザルツブルク(オーストリア)
6/19(7:00)第1戦:パチューカ – ザルツブルク
6/23(4:00)第2戦:レアル・マドリード – パチューカ
6/23(7:00)第2戦:ザルツブルク – アル・ヒラル
6/27(10:00)第3戦:ザルツブルク – レアル・マドリード/アル・ヒラル – パチューカ

浦和レッズ、グループリーグ突破なるか
今大会のグループEに入ったJ1の浦和レッズは、リーベル・プレート(アルゼンチン)、インテル(イタリア)、モンテレイ(メキシコ)という強豪と同居しており、突破は決して容易ではなさそうだ。浦和はAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を2007年、2017年、2022年の3度制覇しておりアジアでも屈指の国際大会経験を持つクラブだ。今大会でもその国際経験を生かし世界の強豪にどう挑むのか注目したい。また浦和は今2025シーズンのJ1リーグで第16節終了時点で失点数13(リーグ5位タイ)という守備成績を記録している。圧倒的な数字ではないが、リーグ平均を上回る安定感を見せている。
守備陣で注目すべきは、DFマリウス・ホイブラーテンとDFダニーロ・ボザのセンターバックコンビだ。
両者はリーグ戦ここまで全試合にフル出場しており、守備ラインの顔ぶれが固定されている点は大きい。こうした継続的な出場が組織的な守備の安定感に繋がっている。
ベテランのGK西川周作も第15節までに高水準のパフォーマンスを維持しており、セーブ率は72.5%、90分あたりの失点は0.71。ゴール前での粘り強さが失点数の抑制に寄与している。しかし、5月6日のガンバ大阪戦(0-1)で前半9分に負傷退場しており復帰が待たれる。
また、今シーズンチームに加わった選手たちの活躍にも期待が高まる。まずは復帰したMF原口元気。その豊富な経験で攻守にわたりチームの起爆剤となれるのか。攻撃陣に関しては、J1の柏レイソルから加入したMFマテウス・サヴィオの創造性とテクニックが世界レベルで通用するのか。そして、4月6日のアビスパ福岡戦(0-1)を最後に欠場が続いているエースFWチアゴ・サンタナについてもクラブW杯での復帰が待たれるところだ。
グループステージは各チーム3試合。勝点6での突破は確実視されるが、逆に勝点4でも突破の可能性は残されており、グループ内で勝点が分散するかどうかが鍵となる。
初戦のリーベル戦で勝点を得られれば、最終節のモンテレイ戦で突破を争う展開も十分に現実的だ。
Jリーグでも中2~3日の連戦が珍しくない中、主力の固定や守備の連携度の高さは、クラブW杯のような過密スケジュールの大会でも一定のアドバンテージとなる。アジアから世界へ。浦和がこの大会でどこまで通用するのかは、Jリーグ全体にとっても一つの指標となるだろう。

開催都市とスタジアム
アメリカ国内の11都市12会場が選ばれ、東海岸から西海岸まで全米各地で開催されるクラブW杯。これらのスタジアムは、アメリカン・プロフェッショナル・フットボールのナショナル・フットボール・リーグ(NFL)やメジャーリーグサッカー(MLS)のホームスタジアムとしても使用されており、2026年のW杯でも一部のスタジアムが使用される予定だ。大会期間中は、各スタジアムでグループステージから決勝トーナメントまでの試合が行われる。決勝戦はニュージャージー州イーストラザフォードのメットライフ・スタジアムで開催される予定だ。- イーストラザフォード(ニュージャージー州)/メットライフ・スタジアム/82,500人収容
- パサデナ(カリフォルニア州)/ ローズボウル/88,500人収容
- シャーロット(ノースカロライナ州)/バンク・オブ・アメリカ・スタジアム/75,000人収容
- アトランタ(ジョージア州)/メルセデス・ベンツ・スタジアム/75,000人収容
- フィラデルフィア(ペンシルベニア州)/リンカーン・フィナンシャルフィールド/69,000人収容
- シアトル(ワシントン州)/ルーメン・フィールド/69,000人収容
- マイアミガーデンズ(フロリダ州)/ハードロック・スタジアム/65,000人収容
- オーランド(フロリダ州)/キャンピング・ワールド・スタジアム/65,000人収容
- オーランド(フロリダ州)/インター&コー・スタジアム/25,000人収容
- ナッシュビル(テネシー州)/ジオディス・パーク/30,000人収容
- シンシナティ(オハイオ州)/TQLスタジアム/26,000人収容
- ワシントンD.C./アウディ・フィールド/20,000人収容

クラブW杯のトロフィー名称は?
クラブW杯のトロフィーは、これまでと同様に大会名がそのまま使用される予定。ただし、2025年大会では新時代の幕開けにふさわしく、ティファニー社と共同制作による新デザインのトロフィーが授与される。1977年に宇宙に打ち上げられた「ボイジャー・ゴールデンレコード」に着想を得てデザインされたこのトロフィーは、24金メッキで仕上げられており、十数か国語の文字が刻まれている。編集部おすすめ