日本代表のMF鎌田大地が所属するプレミアリーグのクリスタル・パレスは2024/25シーズンのFAカップを制してUEFAヨーロッパリーグ(EL)への切符を手にした。しかし、その出場権を失う可能性に直面しているようだ。


 パレスの筆頭株主であるアメリカ人実業家ジョン・テクスター氏は、リーグ・アンのオリンピック・リヨンの筆頭株主でもあり、両クラブが同じ大会に出場することがUEFAの規定に抵触する恐れがある。

 UEFAは同一オーナーが関与する複数クラブの同一大会出場を禁じているが、例外的に異なる大会へ振り分けることで同時出場を認めている。今回は、ELに出場予定のパレスとリヨンのいずれかを下位大会のUEFAカンファレンスリーグ(ECL)に振り分ける案も検討されていた。

 しかし、パレスにとってはその選択肢すら困難な状況となっている。パレスの少数株主であるデイビッド・ブリッツァー氏の投資会社は、ECLプレーオフに進出したデンマーク1部ブレンビーIFの筆頭株主でもあり、ECLの出場枠も重複しているのだ。

 出場枠がELとECLの双方で競合する中、とくにパレスにとって不利なのは国内リーグ成績が関係する2クラブよりも劣っている点だ。パレスはプレミアリーグ12位に終わっており、リヨン(6位)やブレンビー(3位)を下回っている。

 UEFAの規定では、こうした競合が生じた場合、より上位のクラブが優先されると定められており、パレスは自動的に除外されることになる。パレスの出場が認められなかった場合、プレミアリーグの日本代表FW三笘薫が所属するブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンが繰り上げ出場する可能性もあるという。

 パレスは6月3日に行われるUEFAとの会合で、大会への出場権を維持するために、テクスター氏自身がクラブ運営に関与しておらず、議決権も25%に限定されている点を主張する見通しだ。さらに、株式の売却を検討中であることも弁明材料とする見込みのようだが、UEFAがこれを考慮するかどうかは不透明だ。

 正式な裁定は3日の会合後となる見通しだが、大会の予選の抽選が17日と18日に迫っており、パレスに残された対応の猶予はわずかとなっている。
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