いつからだろう、キャップに気を使うようになったのは。昔はそんなの気にせず出がけにサラッと被ってきたというのに。
だとすると、大人が気兼ねせず、気後れせずに被れるキャップとは? ブランドは? モチーフは? その手がかりは、思いのほか身近にあった。
① ニューエラが時代も世代も超越する
山下海斗さん(29歳)
ストリート畑で育った人間に、ニューエラのキャップは欠かせない。MLBの公式キャップオフィシャルサプライヤーとしての実績がさらにその格を高める。とはいえ、ミーハー感が出てしまっては大人としての沽券にも関わる。

だとするならば、ロサンゼルス・ドジャースでもなく、シカゴ・カブスでもなく古参チームに数えられるシカゴ・ホワイトソックスあたりがいいかもしれない。
常に大人の味方であるモノトーンゆえの合わせやすさもいい。それは山下さんの佇まいからもよく分かる。
② 迷ったときに基本へ立ち返るのは野球もファッションも一緒

阿部祥大さん(30歳)
なにを被るかお悩みなら、まずは基本に立ち返るのもひとつの手。ニューエラならばまず間違いはない。なにせ単なるベースボールキャップにとどまらず、ファッションブランドとして世界中で認知されているのだから。
おそらくは、俳優やプロデューサーとしても活躍していたスパイク・リー氏の影響が大きいだろう。彼は、自身が愛するニューヨーク・ヤンキースのチームキャップを赤色でオーダーし、大きな話題を呼んだ。ちなみに、同社がチームカラー以外のキャップを作るのは初めてのことだったという。

③ アノニマスなキャップなら年齢不問で被れる

石沢浩太郎さん
キャップの見せ所といえば、フロントに燦然と輝くモチーフ。先にも述べたような、明らかにMLBのチームであることを明確に伝える名刺代わりのデザインも悪くはないが、匿名性のあるデザインの方がファッションアイテムとして活かしやすいかもしれない。

そこで石坂さんが手にしたのはビームスオリジナル。ご覧のようにそのイニシャルを採用しているが、初見ではきっとわかりかねる。それぐらいニュートラルなアイテムの方がオーシャンズ世代にはちょうどいい。
④ グッとハードルを下げるオーセンティック風

石川淳二さん(51歳)
石川さんも、大枠でいえば先の石坂さんと同じ手法。ブランドイニシャルをフロントへあしらったカブーの一品だ。ただ、素材や作り、ロゴに至るまで、随所にオーセンティックでノスタルジーな雰囲気を匂わせたことでアジが増した印象。
素材もどこか牧歌的な印象をうけるコーデュロイ生地、バイザーは大昔のベースボールキャップに見られる幅狭の作りだ。そして、ブランドのイニシャルをとった“K”も、昔を思わせる字体で仕上げられている。その激シブ感はきっと大人の味方となってくれる。

⑤ 軽快なキャップでいなす黒の重苦しいムード

齋藤智之さん(31歳)
付き合いの長さや落ち着いた佇まいから困った時の駆け込み寺になってきた黒。全身でまとめた日にゃあ、たとえダウンベストにフリースを絡めた山っぽいトップスコンビだろうと、途端に街と仲良くなれる。

⑥ 挑戦的なアウターにグレーキャップを

大野晋平さん(28歳)
ネオンカラーの眩しさは、枯れ感がのぞき出したオッサンに必要だ。いや、むしろ浮ついて見えない円熟味があるからこそ、鮮やかな色は扱いやすいのかもしれない。

ひとつはパンツに誠実な一本を選び全体のバランスをとること。そして、ふたつめはキャップを繋ぎ役にすることだ。
ご覧のように選んだのはトーンをアウターへと寄せた軽快なグレーで、起毛感のある素材も優しい印象を抱かせる。マイルドな色や素材を導入すれば、大胆なアウターもチャレンジできるはずだ。
わんぱく感から知らず知らずのうちにキャップと距離を置きがちな大人たち。とはいえ、相応のブランド選び、モチーフ、被り方さえクリアすれば問題ない。今回紹介した街の男たちの姿を見れば、きっと勇気も湧いてくると思う。
(この記事はOCEANS : 『「お洒落な大人は古着上手」説を秋冬コーデで実証! アウターでこなれ感を出した3人のスナップ集』より転載)
The post 6名の洒落者から学ぶ、大人キャップの選び方。ブランド、モチーフ、被り方……ダサくならない3項目 first appeared on FINEPLAY.