10日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は170.57ドル高(+0.45%)の37,695.73ドル、ナスダックは111.94ポイント高(+0.75%)の14,969.65ポイント、S&P500は26.95ポイント高(+0.57%)の4783.45ポイントで取引を終了した。
今週予定されている重要インフレ指標や銀行決算の発表を控えた調整が続き、寄り付き後、小幅高。長期金利が上昇に転じたため一時相場は下落に転じたが、ソフトランディング期待を受けた買いやハイテクの買いが下値を支え、終盤にかけて上げ幅を拡大した。引けにかけ、NY連銀のウィリアムズ総裁がバランスシート縮小ペースを減速する段階にはまだ達していないとの発言を受けて上昇一服し終了。

 米国株の上昇を受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始。昨日に続き、本日も時価総額の大きい銘柄に買いが入ったことや、明日12日がオプション特別清算指数(SQ)算出日ということで思惑的な買いも加わったことなどから日経平均は上げ幅を拡大。1990年2月23日以来となる35000円台を回復。
TOPIXコア30銘柄が総じて上昇するなど強い地合いを維持したまま取引を終えた。

 大引けの日経平均は前日比608.14円高(+1.77%)の35049.86円となった。東証プライム市場の売買高は18億4940万株、売買代金は4兆7912億円だった。セクターでは、全業種が上昇するなか、輸送用機器、証券・商品先物取引業、卸売業、機械、保険業の上げが目立った。東証プライム市場の値上がり銘柄は64%、対して値下がり銘柄は33%となっている。

 日経平均採用銘柄では、一部証券関連会社のレポートを材料に伊藤忠<8001>、三井物産<8031>、丸紅<8002>など総合商社株が買われたほか、為替の円安推移なども影響してトヨタ<7203>ホンダ<7267>など自動車株も強い。
また、SMC<6273>、日立<6501>、第一三共<4568>、ダイキン工業<6367>三菱重工<7011>と幅広い銘柄が買われた。

 一方、楽天グループ<4755>が繰り延べ税金資産取り崩しを発表したことで業績悪化を嫌気した売りに押されたほか、ヤマトHD<9064>、丸井グループ<8252>も下落。また、前日大幅高したオリンパス<7733>も売りに押された。