米国株安やエヌビディア株安などが意識されて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。日経平均は前日終値を下回ってスタートした後は、値がさ半導体株の上昇などが影響して切り返す展開に。ただ、為替がじりじりと円高に推移したことなどが重しとなり上値は限定的。中国新興AI企業「DeepSeek」の影響を見極めたいとするムードは引き続き強いことから、積極的な買いは手控えられた。
大引けの日経平均は前日比99.19円高(+0.25%)の39513.97円となった。東証プライム市場の売買高は17億5908万株。売買代金は4兆4964億円。業種別では、ゴム製品、その他製品、空運、非鉄金属、水産・農林などが上昇した一方、精密機器、その他金融、不動産、機械、化学などが下落した。
日経平均採用銘柄では、10-12月期営業利益が693億円で前年同期比2.6倍となり、通期予想を従来の1650億円から2260億円、前期比2.8倍にまで上方修正したアドバンテスト<6857>が上昇したほか、サイバーエージ<4751>も決算が材料視されて買われた。また、古河電工<5801>、住友電工<5802>、フジクラ<5803>など電線株も上昇。証券会社のポジティブなレポートでパナソニックHD<6752>も上昇した。このほか、住友ファーマ<4506>、ブリヂストン<5108>、東京エレクトロン<8035>、東急<9005>、横浜ゴム<5101>などが買われた。
一方、為替が一時1ドル154円台前半、1ユーロが160円台入りするなど円高が嫌気されて、キーエンス<6861>、安川電機<6506>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>、日東電工<6988>、村田製作所<6981>、NEC<6701>など機械や電気機器関連銘柄の一角が売られた。このほか、SUMCO<3436>、ルネサスエレクトロニクス<6723>など半導体株の一角も売られたほか、後場に入ると、決算発表を受けてJPX<8697>が売りに押された。