メキシコ大統領はトランプ大統領が要求していた麻薬や不法移民流入対処で国境地帯へ治安要員の1万人を即座に派遣し管理強化で合意したため発動が1カ月延期された。
関税策を巡り、不透明感や流動性が高く、企業も対応策を決定することは現時点で不可能となる。関税措置が実際に発動されるか、発動されたとしても短期に終了するのか、長期化するかも現時点ではわからない。短期に終了した場合は、経済やインフレへの影響は限定的となるが、長期化した場合は、影響が拡大する可能性が警戒される。
CNBCの調査によると、アナリスト予想で、関税は米国の国内総生産(GDP)を―0.6%押し下げ、CPIを+0.4%押し上げると現時点では試算されている。平均的な関税持続期間は3カ月未満。
●関税による経済、インフレへの影響予想
GDP-0.6pct
CPI+0.4
関税が発動された場合、米住宅や自動車産業への打撃が特に懸念されている。住宅建材は特にカナダからの木材輸入が7割、メキシコからは石膏の輸入が7割を占める。住宅セクターのコストは30億、40億ドル引き上げる可能性が試算されている。
同時に、連邦準備制度理事会(FRB)は政策の行方が不明だと経済やインフレへの行方を判断することも不可能。
ただ、ボストン連銀のコリンズ総裁がインタビューで応えたように、米国経済は「全般的に良い位置」にあることは確か。様々な憶測に荒い展開が予想されるが、結局はドル買いを支援する可能性がある。