(2) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業の売上高は23,967百万円(前期比8.5%増)、営業利益は2,546百万円(同39.0%増)となった。2022年に稼働した大型案件を含む新規獲得先の取り扱いが引き続き順調に推移したことで、売上高・利益とも拡大した。
主力の収納・集金代行サービスの売上高は22,000百万円(同9.2%増)だった。売上高が伸長するとともに利益率が高いスマートフォン決済利用が広がりを見せるなか、システム運用の効率化等も相まって、利益が大きく伸びた。新規獲得は一般企業、自治体とも好調であり、今後逐次稼働することから、引き続き順調に推移すると見込んでいる。
オンライン決済サービスの売上高は993百万円(同3.7%減)と前期比で若干下回った。
収納代行周辺サービスについては、一部導入店のサービス終了による影響があり、売上高は317百万円(同9.5%減)だった。また、運用経費削減により、事業全体の営業利益は計画を上回った。
なお、収納・集金代行サービスやオンライン決済サービスにおいて、払込票をペーパーレス化し、代わりに電子バーコードを顧客に届けるコンビニ収納代行サービス「PAYSLE」は順調に増加した。一方で、一部大口先の契約終了に対し、公金取り扱いの増加を期待したが、同社取り扱い外である地方税統一QRコード(以下、eL-QR)の利用が拡大し、処理件数は前期比減少となった。
eL-QRを使った納税は、2023年4月1日から開始された。固定資産税や自動車税種別割など納税者に馴染みの深い地方税について、今後、地方団体から送付される納付書に付されたeL-QRを読み取ることで、地方税共同機構が管理・運営するeLTAX(エルタックス)内の特設サイトである「地方税お支払サイト」や、スマートフォン決済アプリを通じたキャッシュレス納付が可能となるほか、eL-QR対応金融機関であれば全国どの金融機関窓口でも地方税の納付が可能となる。なお、eL-QRの導入により金融機関における地方税の収納事務も大きく効率化されるため、eL-QRへの移行が進むことで、同社においては今後の需要減少につながる可能性がある。
3. 財務状況と経営指標
2023年12月期末の資産合計は、前期末比15,119百万円減少し、57,051百万円となった。これは、現金及び預金が3,382百万円、前払費用が1,220百万円増加した一方で、金銭の信託が18,166百万円、のれんが595百万円、契約資産が511百万円減少したことによる。負債合計は、同16,227百万円減少し、36,277百万円となった。
4. キャッシュ・フローの状況
2023年12月期における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の状況は、前期末と比較して3711百万円増加し12,816百万円(前期末比40.8%増)となった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)