明豊エンタープライズ<8927>は、投資用賃貸不動産の開発・販売を中核とする総合不動産デベロッパーであり、東京23区を中心に、150棟を超える新築1棟投資用賃貸住宅を供給している。賃貸マンション「EL FARO(エルファーロ)」、賃貸アパートメント「MIJAS(ミハス)」の投資用不動産開発を主力に、開発用事業用地の販売などを手掛ける。
1. 2024年7月期第2四半期の業績概要
2024年7月期第2四半期の連結業績は、売上高で10,868百万円(前年同期比221.1%増)、営業利益で1,374百万円(前年同期は89百万円の利益)、経常利益で1,192百万円(同67百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益で835百万円(同46百万円の損失)となった。不動産市場においては、国内の低金利環境や円安傾向を背景として、特に住居系不動産を中心とする投資用不動産への海外投資家の投資意欲が引き続き高く、需要・供給とも堅調に推移している。
2. 2024年7月期の業績見通し
2024年7月期の連結業績は、売上高で19,355百万円(前期比26.9%増)、営業利益で1,661百万円(同27.3%増)、経常利益で1,187百万円(同22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で687百万円(同7.7%増)とする期初予想を据え置いている。今後も「物創りにこだわった、総合デベロッパー」として、「MIJAS」シリーズや「EL FARO」シリーズを主力事業に期中で25棟前後の物件供給を進めていく考えだ。2024年7月期は既に同シリーズについて13棟の引渡しを完了しているが、第3四半期以降販売予定であった物件を第2四半期に繰り上げて販売したこともあり通期業績予想は据え置いた。しかし例年の実績は下期にかけて大きく進捗する傾向にあることから、事業推移は順調であるといえよう。
3. 強み
同社は東京23区内でも特に立地の良い城南・城西地区を中心に不動産投資戦略をプランニングしている。同社にて土地取得から開発と販売を担当し、グループ会社において、(株)明豊エンジニアリングと(株)協栄組が設計、建設を、(株)明豊プロパティーズが入居者管理、建物管理、アフターサービス、マーケティングに基づく入居者入替時の募集条件提案を担うことで、資産価値が高く安心できるアパートメント・マンション経営をワンストップでフルサポートできる点が強みとなる。昨今の円安傾向を背景にアジア圏の投資家の安全・安心な東京の不動産に対する投資への関心が高まるなか、同社は2023年3月より、海外投資家需要への積極販売を始めた。
■Key Points
・2024年7月期第2四半期は堅調な投資需要に応え、多数の物件供給を実施し大幅な増収増益
・2024年7月期も堅調な需要を背景に良質な物件を供給して2ケタ成長を目指す
・海外投資家への販売強化に向けて、アジア圏での販売ルートを順次拡大
・土地取得から開発、販売、施工、管理までをグループ会社で担う一貫体制が強み
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)