不動産分譲事業を主軸に、不動産賃貸事業、不動産仲介事業、請負事業を展開している。主要ブランド「EL FARO」「MIJAS」の開発から売却まで行う不動産分譲事業が売上高の81.8%(2024年7月期第2四半期)を占める収益の柱であり、そのほか不動産賃貸事業(同9.2%)、請負事業(8.7%)、その他(0.3%)となる※。
※2024年7月期第2四半期において不動産仲介事業の売上は発生していない。
1. 不動産分譲事業
(1) 「EL FARO」事業
40坪~80坪程度の土地を取得し、そこに柱や梁を設けず、基本的に壁だけで荷重を支えるような鉄筋コンクリート構造「壁式RC造」の賃貸マンションを開発する。柱・梁がないため、建物の内部空間が広く使用できるというメリットがある。
(2) 「MIJAS」事業
梁や柱などの骨組みに鉄骨を用いた「S造:鉄骨造」の建物を展開する。スペインの観光地ミハスに由来した、新築1棟投資用賃貸住宅のアパートメントで、建物の漆喰の白と青い海と空が美しいコントラストを織りなすミハスの景色をイメージしている。共用部の照明にもスペインのデザインを取り入れて空気感を統一しているほか、カラフルな配色のなか明度は統一性を持たせることで、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
2. 不動産賃貸事業
既存オーナーの利益を最大化していくため、エリアマーケティングに加え、AI査定システム及び成約事例に基づいたベストな賃料設定、首都圏仲介会社とのネットワークを生かしたリーシング戦略の提案によって空室解消に注力し、同社グループの管理物件における高稼働率を実現している。利回りは開発したロケーションにより変わるが、開発エリアやその沿線、駅により狙える賃料や利益に関するデータについては、入居者募集から申込、賃貸借の契約手続き、入居者対応、解約清算、原状回復工事の手配まで、一気通貫で賃貸経営のサポートを行う明豊プロパティーズが蓄積しているため、賃料の出し値を間違うことなく、計画の立案が可能となっている。
またオーナーとの情報交換アプリを導入し、CS(顧客満足)アンケートを実施するなど継続的な情報共有・情報交換を図っている。主要ブランドである「MIJAS」「EL FARO」シリーズについては、商品創りから管理まで同社グループにてワンストップで提供することにより、高品質、高稼働率を維持し、収益性の高い投資用不動産商品として評価を得ている。
3. 請負事業
明豊プロパティーズの建築工事請負部門を分割承継し、明豊エンタープライズの建築設計部門が合流して誕生した総合建設会社である明豊エンジニアリングにおいて、同社グループの主力商品である投資用賃貸マンション「EL FARO」や投資用賃貸アパート「MIJAS」の設計・施工工事を行う。また、2022年8月に子会社化した協栄組は、高い技術力が求められる特殊型枠を使った工事を得意とし、マンションから公共施設まで、鉄筋コンクリート(RC)建築に関する企画・提案・設計・施工をトータルで行う。
4. 不動産仲介事業・その他
不動産分譲事業など他事業を含めた独自の情報網を活用し、顧客ニーズに合わせて物件紹介を行う。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)