■事業概要
1. 会社概要と沿革
クイック<4318>は、就業希望者と求人企業を結び付ける総合人材サービスを事業としている。人材紹介、人材派遣、紹介予定派遣、業務請負という人材サービス4事業形態のほか、人事労務コンサルティングなど周辺事業も運営しており、同社と就業希望者、求人企業との接点は幅広い。
人材サービス業界は、リーマンショック後の低迷から抜け出し、アベノミクスと少子高齢化による人手不足を背景に、ここ10年成長を続けている。なかでも専門職に対する求人ニーズは非常に強く、派遣手数料などは上昇の一途となっている。一方、就業希望者と求人企業の接点は、スマートフォンの普及などからネット求人サイトの伸びが著しく、フリーペーパーの増加は一服、従来型の有料求人情報誌や折り込み求人誌は低迷気味である。また、就業希望者の争奪戦は徐々に激しくなっており、人材サービス業にとって、就業希望者に役立つ情報を満載した魅力あるサイトの運営は必須となってきた。
同社は、1980年に(株)日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス<6098>)出身の現代表取締役社長兼グループCEOである和納勉(わのうつとむ)氏により大阪で設立された。当初は社名を株式会社クイックプランニングと称し、関西でのリクルート代理店第1号として、求人広告代理業と採用教育に関するコンサルティング業務を展開した。事業は順調に拡大して東京や名古屋に支店を出すほどに成長したが、1990年のバブル崩壊で転機を迎え、現社名に改称して人材サービス事業やリクルーティング事業へと多角化の舵を切った。2001年のJASDAQ市場上場を弾みにM&Aを積極化、海外にも事業領域を拡大した。リーマンショックの難局を乗り切った後は専門性を強め、看護師などニーズの強い専門職の紹介事業を本格化している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《YM》