■G-7ホールディングス<7508>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) オートバックス・車関連事業
オートバックス・車関連事業の売上高は前年同期比8.6%増の18,882百万円、営業利益は同216.9%増の1,087百万円となった。このうち、国内の「オートバックス」を中心に事業展開するG-7・オート・サービスの売上高は前年同期比10.1%増、経常利益は同255.0%増と大幅増収増益となり、半期ベースで過去最高業績を更新した。
「オートバックス」の既存店売上高(国内)は前年同期比12.0%増となり、オートバックスグループ(国内既存店)の増収率11.4%増を若干上回るなど、グループ全体を上回る伸びを達成した。主要カテゴリー別の売上動向を見ると、タイヤが前年同期比20.1%増、カーAVが同28.4%増と大きく伸長した。タイヤ販売は10月からの値上げ告知や消費増税前の駆け込み需要により、9月の売上が前年同月比5倍増と急増した。また、カーAVは安全運転意識の高まりや煽り運転事件の影響もあって、バックカメラ付きドライブレコーダーの販売が好調に推移し、増収要因となった。そのほか、消耗品であるオイルが同4.2%増、バッテリーが同4.5%増と堅調に推移したほか、付加価値の高いサービス部門(車検・整備)も店舗での接客力向上に努めたこと等により同9.8%増となるなどすべてのカテゴリーが増収となった。
2019年3月期に黒字転換したG-7バイクワールドは若干の増収増益となった。国内バイク市場の低迷が続くなか、商品ラインナップの売れ筋商品への絞り込みによる粗利益率の改善や経費コントロールに継続して取り組んでいることが奏効している。「バイクワールド」の店舗数は12店舗と前年同期末比横ばいで推移している。
海外店舗については、マレーシアで「オートバックス」(2店舗)及び「バイクワールド」(2店舗)、タイで「バイクワールド」(1店舗)を展開している。まだ全体の業績に与える影響は軽微だが、売上規模は着実に拡大しており、マレーシアは前年同期比2.2%増、タイは同10%増だった。
(2) 業務スーパー・こだわり食品事業
業務スーパー・こだわり食品事業の売上高は前年同期比8.8%増の42,920百万円、営業利益は同25.3%増の1,823百万円となった。主力の「業務スーパー」を展開するG-7スーパーマートの売上高が前年同期比10.5%増、経常利益が同26.0%増と半期ベースで過去最高を連続更新し、収益拡大のけん引役となった。「業務スーパー」の出店状況は東京都、神奈川県に各1店舗を新規出店し、2020年3月期第2四半期末における店舗数は139店舗(前年同期末比3店舗増)となっている。
また、精肉販売のG-7ミートテラバヤシも売上高で前年同期比6.1%増、経常利益で同31.9%増と好調に推移した。「テラバヤシ」の出店状況は福島県、東京都に各1店舗出店し(うち、東京都は業務スーパーと同時出店)、2020年3月期第2四半期末における店舗数は105店舗(前年同期末比2店舗増)となった。精肉需要の拡大と「業務スーパー」との同時出店効果が利益率の上昇要因となっている。一方、G7ジャパンフードサービスのうち、食品加工、卸売事業は減収減益に転じた。
(3) その他事業
その他事業の売上高は前年同期比6.2%増の2,458百万円、営業利益は同3.3%減の35百万円となった。農産物直売所「めぐみの郷」を運営するG7アグリジャパンは前年同期に自然災害等により高騰していた野菜価格が落ち着きを取り戻したこと等から減収となったものの、不採算店舗の収益改善等により増益となった。「めぐみの郷」の出店状況は、大阪府に4店舗、東京都に1店舗を新規出店し、2020年3月期第2四半期末の店舗数は24店舗(前年同期末比3店舗増)となった。
また、レストラン事業では、2019年3月期から開始したステーキチェーン店「いきなり!ステーキ」を大阪府に2店舗出店し、2020年3月期第2四半期末で8店舗(前年同期末比6店舗増)となっている。店舗ごとに集客力にばらつきがあるものの、月次ベースで黒字化する店舗も出ている。
「良品買館」((株)ベストバイ)「メガリサイクル王国」「リユース王国」の3ブランドで展開するリユース事業は、収益低迷が続いている。このため、新業態として貴金属やブランド品等のリサイクルショップ「キングラム」(ベストバイ)を新たに兵庫県に1店舗出店した。良質なリユース品を「キングラム」で仕入れ、「良品買館」等に卸すことでリユース事業全体の売上の底上げを図り、黒字化を目指していく。リユースショップの店舗数は「キングラム」を含めて5店舗となる。
コインランドリーサービス事業の「マンマチャオ」は、店舗数が5店舗と横ばいで推移しており、2店舗が黒字、2店舗が収支均衡、1店舗が赤字と徐々に良化してきており、今後、減価償却費の減少が進むにつれてすべての店舗で黒字化が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《MH》