先週の好地合いを次ぐ流れ。人工知能(AI)技術の進化が国内産業を発展させるとの見方が投資家心理を上向かせている。浙江省杭州市のスタートアップ企業、杭州深度求索人工智能基礎技術研究有限公司(DeepSeek)が低コスト、かつ高性能な生成AIの大規模言語モデル(LLM)を開発したことが引き続き材料視された。
ただ、上値は限定的。米中の関税応酬が警戒されている。トランプ米大統領は7日、貿易相手国と同様の関税を課す「相互関税」の導入計画を近く公表する予定だと述べた。そのほかトランプ氏は9日、米国に輸入される全ての鉄鋼・アルミ製品に25%の関税を課すと明らかにしている。また、中国国営メディアは10日、トランプ政権が先ごろ課した追加関税の報復措置として、中国政府が米国から輸入する石油や液化天然ガス(LNG)などに最大15%の追加関税を発動したと報じた。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、通信ネットワーク関連の上げが目立つ。キャリア大手3社の中国電信(601728/SH)が6.6%高、中国聯通(600050/SH)が4.4%高、中国移動(600941/SH)が1.7%高と値上がりしたほか、中貝通信(603220/SH)がストップ(10.0%)高、中国衛通(601698/SH)が2.6%高で引けた。通信キャリア3社はDeepSeek開発のLLMを全面的に導入すると伝わり、投資家の注目を集めている。
ハイテク株も高い。
医薬株も物色される。華北製薬 (600812/SH)がストップ(10.0%)高、上海復星医薬集団(600196/SH)が3.5%高、康美薬業(600518/SH)が3.1%高、山東魯抗医薬(600789/SH)が2.8%高、江蘇聯環薬業(600513/SH)が2.2%高で取引を終えた。不動産株、自動車株、銀行株、素材株、空運株、軍事関連株なども買われている。
半面、発電株はさえない。中ビン能源(600163/SH)が3.6%、華電国際電力(600027/SH)が1.6%、中節能風力発電(601016/SH)が1.0%、華能国際電力(600011/SH)が0.8%ずつ下落した。エネルギー株、食品・酒造株、海運株も売られている。
一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.10ポイント(0.04%)安の267.17ポイント、深センB株指数が2.32ポイント(0.19%)高の1209.58ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)