中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。国務院(内閣に相当)は16日、「所得の増加」と「消費能力の引き上げ」など、8大任務、30項目の措置で構成される「消費促進に向けた特別行動計画」を発表した。中国指標の改善もプラス。取引時間中に公表された1~2月の経済統計は概ね良好な内容だった。中でも小売売上高は予想(3.8%増)を上回る4.0%増の8兆3731億人民元(約171兆9000億円)に拡大し、昨年12月の3.7%増から伸びが加速している。ただ、上値は限定的。「トランプ関税」に端を発した貿易戦争のエスカレートが不安材料としてくすぶっている。指数は中盤から上げ幅を縮小した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が8.0%高、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が4.6%高、中国政府系の華潤電力HD(836/HK)が3.8%高と上げが目立った。
セクター別では、消費関連が高い。火鍋の呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が8.9%、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が6.7%、ビールの百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)とスポーツ用品の李寧(2331/HK)がそろって3.5%、自動車ディーラーの中升集団HD(881/HK)が3.0%ずつ上昇した。
不動産セクターもしっかり。
半面、自動車セクターの一角は安い。理想汽車(2015/HK)が7.2%、吉利汽車HD(175/HK)が2.0%、長城汽車(2333/HK)が1.6%ずつ下落した。新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車については、10~12月期の調整後利益が1割減とさえなかったことを売り材料視している。そのほか、自動運転向けAI(人工知能)の地平線(9660/HK)が5.1%安、知行汽車科技(蘇州)(1274/HK)が3.0%安、車載AIチップの黒芝麻智能国際HD(2533/HK)が4.1%安と値を下げた。新興EVやAI関連の下げが響き、ハンセン科技(テック)指数は0.1%逆行安している。
一方、本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.19%高の3426.13ポイントで取引を終了した。消費関連が高い。
亜州リサーチ(株)