足場の高い防波堤から、その足元を覗いてみてください。
大型の黒く太ったチヌが、壁にへばり付いたカラス貝やカニを食べていますよ。
これを釣るために開発されたのが、ヘチ竿です。
ここでは、チヌ釣り用ヘチについてご紹介しましょう。
「ヘチ竿って結構短くてコンパクトだよね!」
その通り!振り出し式や並継式のものがラインナップされているので、携行性が高く扱いやすいですよ。
最新のものから中古ロッドまで、amazonなどの通販サイトや釣具店で購入することができます。
ヘチ竿とは
ヘチ竿とは、チヌ=クロダイのヘチ釣りで用いるロッドのことです。
そもそもヘチとは、何を指しているのでしょうか。
それは海に設置されている防波堤や護岸の際、もしくは壁のことで、そういった壁際にピッタリ張り付いているチヌを釣り上げるスタイルが、ヘチ釣りですね。
さまざまな魚が泳いでいる中から、チヌを縛り込んで釣り上げるには、独特の誘いと食わせテクニックが求められます。
ヘチ竿を装着する専用仕掛けを見てみましょう。
まずは、よく刺さるチヌ針、それからオモリ=ガン玉を用意します。
チヌ針には、餌となるカラス貝やカニを付けてください。
この餌は、釣り場で現地調達できるのが特徴で、熊手のような器具を用いて防波堤の壁を擦りながら採取します。
釣り餌として使う分だけ採って、あとは海へ帰してあげましょう。
カニは、ネット袋に魚の切り身を入れてロープをつなぎ、海中へ投げ入れておくと採取できます。
ネット袋の網目をやや細かなものらしておけば、カニの足が引っ掛かって確保しやすくなりますよ。
ヘチ竿を使った釣り方の基本は、自らの足を使って歩くこと。
仕掛けを防波堤から壁に沿って落とし込んでは、アタリが無ければ移動を繰り返します。
どんどん移動していくことが、手返しを高めることになり、釣れるチヌの数が増える要因となるでしょう。
ヘチ竿でロングキャストをする必要はありません。
軽くアンダーハンドキャストをおこなって、仕掛けを落とし込むようにしましょう。
リールは、ギア比1対1のタイコリールが、アプローチしやすいですよ。
仕掛けが表層にあるときから、チヌが食い付いてくる確率が高いです。
手元にビビッと変化を感じたら、しっかりとヘチ竿を振り上げてフッキングしてください。
その際、壁沿いに振り上げるのではなく、壁から沖向きに引き離すようにアワセると、チヌにラインを擦られて破断されてしまうのを防げるでしょう。
美しい弧を描いて大きな負荷に耐えるヘチ竿は、とても力強くかつ頼もしく見えますね。
出典:アマゾン
ヘチ竿で前打ちや落とし込みは実践できるの?
ヘチ竿とそっくりのロッドアイテムとして、前打ち竿と落とし込み竿が存在します。
ハッキリと区別する必要はないようにも感じるのですが、それぞれの発祥について触れておきましをょう。
ヘチ竿は、関東エリア発祥のヘチ釣りで用いられるもの。
3メートルほどのコンパクトな竿で、目印のない状態の仕掛けにして、糸フケがどう変わるかを見定めるアプローチをおこないます。
前打ち竿は、名古屋エリア発祥の釣り方で用いられます。
竿の全長は5メートルと長めで、ケーソンなどの人工ストラクチャーに付いたチヌを誘います。
落とし込み竿も名古屋エリアが発祥の釣り方で、こちらは3メートルから4メートルの竿を用います。
違いは、ラインに目印を付けること。
仕掛けをしっかり落とし込みつつ、落とすスピードに変化をつけてアタリを呼び込みます。
「どれも一緒に見えるんだけど・・」
厳密には違う!という認識で、かまわないのではないでしょうか。
ヘチ竿で実際に釣りをしてみた!
ヘチ竿を用いて、実際にチヌを狙ってみました。
あまりに前傾して立つと、足場の高い釣り場ですから、とても危険ですよ。
ライフジャケットの着用は必ず実施して、少し顔を覗かせる程度で壁や水中の確認をしてください。
その際、足音を立てるのは厳禁です。
チヌが一気に沈んで、口を使わなくなってしまうでしょう。
水面に人影を落とさないように配慮しながら、丁寧に仕掛けを打っては、歩きながら移動を繰り返してください。
ボトムまで落とす前に、何らかの変化がラインに表れます。
糸フケが出ている状態にしておけば、チヌの食いも深くなるでしょう。
ヘチ竿を用いて防波堤の際で大型チヌを狙っている動画はこちら
ヘチ竿の中からおすすめのロッドを選んでみた!
ヘチ竿(前打ち・落とし込み竿も含む)の中から、実釣で使ってみたいおすすめのロッドを取り上げてみましょう。
こだわりの工夫が盛り込まれたロッドが、とても多いですね。
チヌの微細なアタリを穂先や手元で感じるために、曲がり込みや感度が向上しています。
視認性の高いカラーや、長さが可変タイプになっているものもありますよ。

宇崎日新 ロッド プロステージ ナンバー2WAY攻堤ヘチ 2724
宇崎日新からリリースされている、チヌ釣り用のヘチ竿です。
全長が2段階に切り換え可能ですから、釣り場のシチュエーションに応じて使い分けてみましょう。
全長は2.70メートルで、2.40メートルに切り換えできます。
継数は3本で、仕舞寸法は134センチにまで縮まりますから、持ち運びは便利でしょう。
自重は125グラムと軽めで、片手で振り回しやすいウエイトに設定されています。
先径は0.8ミリと細め、元径は23.5ミリと安定の太さですね。
適合するハリスは、0.8号から3号まで。
錘負荷は、2号から5号までとなっています。
ブランクスのカーボン素材含有率は、70パーセントですから、曲がり込みがしなやかなのも肯けますね。
Fujiのガイドにステンレス製のLSリールシートを搭載しています。
グリップ部分に滑り止め防止処理が施されていますから、濡れた手で触っても安定感がありますね。
視認性の高いカラー穂先=オレンジ+ホワイト+ブラックに配色されています。
チヌが食い上げたりしたときも、曲がりに変化が出てアワセやすいでしょう。
実際に手に取ってみると、穂先がとても見やすくて、ブレの収束が早めな印象です。
大きな負荷が掛かったときのロッドの曲がりが、美しい弧を描いていて、胴部分からバットにかけてパワーがあるのが伝わってきます。
実売価格は1万円台と、とても安い価格帯に収まっているのもいいですね。
元々この宇崎日新のロッド群は、全体的に低価格帯に抑えられたものが多く、しかもしっかりと実用スペックを備えているので、釣り人からの支持も大きいですね。
信頼して使える道具こそ、長くそばに置いておきたくなるものです。

がまかつ がまチヌ へちさぐり銀参郎 MH2.4
がまかつから発売中の、とても扱いやすいヘチ竿です。
持つ手にしっくりと収まる感じは、よく作り込まれたグリップ形状+ブランクスの張りとウエイト+全体バランスによるものでしょう。
竿の硬さはMHタイプで、標準全長は2.4メートルと、取り回ししやすい長さになっています。
標準自重は135グラムで、安定したロッドワークを繰り出しやすいウエイトになっていますね。
仕舞寸法102.0センチまで縮まりますから、釣り場への持ち運びはとても便利でしょう。
ブランクスのカーボン素材含有率は、86.8パーセントです。
先径は0.75ミリで、適正ハリスは1号から3号までですね。
軽量で大型なヒジ当てが装備されていて、実用性は極めて高い印象を持ちました。
実際に手にしてみると、ブランクスのパワーがかなり強めです。
掛けたチヌを水面まで浮かせるのに、主導権を奪われるような展開になりにくいですね。
ガイドには、FujiのSiC-Sガイドが搭載されているので、PEなどのライトラインを使っていても、安心してやり取りを楽しめるでしょう。
実売価格は5万円前後と、やや高めな価格設定ですが、がまかつのチヌ竿スペックなら納得の価格ではないでしょうか。
大胆に積極的に使えるヘチ竿を探しているなら、ぜひ釣具店で手に取ってみてください。
ヘチ竿を駆使してチヌのトシナシサイズを釣り上げよう!
ヘチ竿の特徴やインプレ、おすすめのロッドを取り上げてみましたが、いかがでしたか?
足場の高い場所での釣りになりますから、ランディングネットは必ず用意しておきたいですね。
もちろんライフジャケットの着用は、どんな釣り場でも忘れないようにしましょう。
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