シナー、アルカラスを破りウィンブルドン初制覇


「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子シングルス決勝が7月13日に行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)が、第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)を4-6,6-4,6-4,6-4で破ってウィンブルドン初制覇。グランドスラム通算4勝目を挙げた。


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23歳のシナーは、ウィンブルドンに5年連続5度目の出場。初戦でルカ・ナルディ(イタリア/同95位)、2回戦でアレクサンダー・ブキッチ(オーストラリア/同93位)、3回戦でペドロ・マルチネス(スペイン/同52位)にストレート勝利する。

第19シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/同21位)との4回戦では、2セットを奪われたところで、ディミトロフが負傷により棄権。準々決勝では第10シードのベン・シェルトン(アメリカ/同10位)を7-6(2),6-4,6-4で破ると、準決勝では同大会を7度制している第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同6位)を6-3,6-3,6-4で圧倒して決勝に進んだ。

ウィンブルドン初優勝をかけた決勝では、1か月前に開催された「全仏オープン」で逆転負けを喫している第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)と対戦。直接対決ではシナーの4勝8敗となっており、2023年9月の勝利を最後に、5連敗中となっていた。

この日は、第1セットでシナーが先にブレークに成功する。しかし、アルカラスが集中力を失わずに、ショットのクオリティを高めていくと、ラリー戦を支配し第8ゲームでブレークバック。第10ゲームではシナーにダブルフォールトもあって、アルカラスがセットポイントを握ると、広いコートカバーリングで攻撃をしのいでポイント奪取。大会3連覇を狙うアルカラスがセットを奪う。

流れに乗りたいアルカラスだが、第2セットの立ち上がりでダブルフォールト。ミスも重なりシナーがブレークする。
その後、アルカラスは立て直したものの、シナーが鮮やかなカウンターショットを披露するなどきっちりサービスキープ。1ブレークを活かしてセットを取り返す。

互いに一歩も譲らず、息をのむラリー戦が第3セットも続く。互いにサービスキープが続いたが、4-4でシナーがアルカラスのバックサイドに正確にリターン。4球目のチャンスボールを確実にものにして貴重なブレークに成功し、このセットも6-4で奪った。

タイトルへあと1セットとしたシナー。ラブゲームでキープしリズムを作っていくと、ストロークでアルカラスを押し込んで第3ゲームでブレークに成功する。「全仏オープン」決勝のように一瞬の気の緩みも許されない中、4-3の第8ゲ―ムでは15-40とピンチを迎えたが、勝負所で精度の高いサーブを決めてキープ。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第10ゲームも油断せずに、最後はサーブで試合を締めてウィンブルドンで初のタイトルを獲得。キャリア4勝目となるグランドスラム優勝を果たした。
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