以前に屋久島へ遠征釣行したとき、地元のアングラーが楽しそうに釣って食べていたのが、マダイに似た魚でした。

その名は、フエダイ。



いったいどんな習性を持っているのか、釣り方や食べ方も含めてご紹介しましょう。

フエダイとは

フエダイとは、スズキ目フエダイ科の海水魚のことです。

別名は、シブダイ・シブ・ホシタルミなど。

沖縄本島では、イナクーと呼んでいるアングラーもいました。

九州地方の宮崎県では、シブダイと呼んでいた記憶があります。

フエダイ科の中では中型サイズといえる魚で、全長は50cm前後にまで成長する個体が多いです。

体型は楕円のカタチをしていて、大きく側扁しているのが特徴といえるでしょう。



フエダイの全身は、赤みがかった褐色になっており、背ビレ近くにはよく目立つ白色の班点が並んでいます。

この白色の斑点を星に見立てて、ホシタルミと呼ばれているのかもしれません。

ちなみに、フエダイを釣って活け締めすると、この白色の斑点は消えてしまいます。

背ビレや腹ビレ・尻ビレなどには、黄色が帯びています。

背ビレや尻ビレの軟条部は、丸いカタチをしています。

フエダイの幼魚から若魚のときは、目玉の下に1本から3本の青色線が走ります。


口は、前方に突き出ているので、まるで笛を吹いている感じに見えます。

この口のカタチによって、フエダイと呼ばれるようになったのかもしれません。

フエダイの生息域は、南日本エリアの太平洋岸から琉球列島・南シナ海沿岸に分布しています。

サンゴ礁や岩礁などで泳いでいる姿を、よく見かけます。

レンジはボトムべったりの印象で、あまり表層や中層に浮いているのを見たことがありません。

フエダイは肉食性で、エビやカニなどの甲殻類やイカやタコなどの頭足類・小魚などを捕食しています。


産卵時期は、毎年5月から7月です。

フエダイのメスは、夜の間に分離浮性卵を産み落とします。

シブダイと呼ばれている九州地方では、引きが強くて美味しい魚なので、磯釣りのターゲットとして有名です。

定置網や底曳き網で漁獲されることがあるものの、漁獲量は年々減っています。

関東の市場では、ほとんど出回らない魚ではないでしょうか。

フエダイって釣ったことある?釣り方+おすすめタックルや食べ方...の画像はこちら >>

出典:魚図鑑

フエダイの釣り方を知りたい!

フエダイの釣り方は、磯釣りのウキフカセ釣りが基本となります。

ただし、底ベタを泳ぐ魚なので、ウキ下の調整などがとても面倒です。



そこでおすすめなのが、ショアジギングゲーム用スピニングタックルによる、ブッコミ釣りです。

捨てオモリ式の仕掛けにして、エサは魚の切り身でOK。

イカの内臓や目玉にも食い付いてくるので、入手できたらイカをエサにしてみましょう。

オモリは3号もあればじゅうぶんで、ハリスは5号程度のモノフィラメントラインを使います。

フックは、エサ釣り用でフッキングレスポンスの良好な、伊勢尼バリの16号で対応可能です。

ランディングする際には、ネットがあったほうが無難です。


5mほど伸びるタイプなら、足場の高い釣り場でも対処できるはずです。

フエダイの美味しい食べ方はこちら!

フエダイの美味しい食べ方は、なんといっても刺身でしょう。

その身には、透明感があって、旨味もじゅうぶんに含まれています。

釣れたらすぐに活け締め+血抜き作業をおこなって、クーラーボックスで冷やしておきましょう。

実際に刺身にして食べてみると、脂のノリはバッチリで、強い旨味が口の中に広がります。

すぐにトロけてしまうので、どんどん食べたくなるのは間違いないでしょう。

その他カルパッチョや塩焼きも絶品です。



振り塩をして一日寝かせておくと、とても上品な味わいに変化します。

フエダイの胃袋や肝などを湯通しして、冷水でヌメリを取り除いたものを煮付けて食べるのも、とても美味しいです。

九州地方の料理店に行くと、フエダイ料理を振舞っている店に出会えるでしょう。

フエダイって釣ったことある?釣り方+おすすめタックルや食べ方をチェック!
魚のアップ写真

出典:魚図鑑

フエダイを釣るのにおすすめのタックルを選んでみた!

フエダイをブッコミ釣りでゲットするのに向いている、おすすめのスピニングタックルをご紹介しましょう。

前述のように、長めブランクスのショアジギングゲーム用スピニングロッドがあれば、強烈なフエダイの引きに耐えられるでしょう。

リールは、4000番以上のサイズのスピニングリールを装着し、太いPEラインをスプールに巻いておけば、フエダイが根に潜るのを防げるかもしれません。

フエダイって釣ったことある?釣り方+おすすめタックルや食べ方をチェック!

ダイワ(DAIWA) ショアジギング X 96MH ブラック

ダイワからリリースされているショアジギングゲーム用スピニングロッド・ショアジギングXシリーズのラインナップから、96MHを選んでみました。

ウエイトは280gと、扱いやすい重さに設計されています。

全長は2.90mもあるので、飛距離を伸ばすにはちょうどいいでしょう。

2ピース仕様で、仕舞寸法は150cmにまで縮まります。

ブランクスの先径/元径は、2.2/15.9mmと太め。

適合するルアーウエイトは、15gから65gまで。

適合するメタルジグウエイトは、最大80gまでなので、ブッコミ釣りをする際の仕掛けの重さを合わせましょう。

適合するラインは、PEラインなら1.5号から3.0号まで。

ブランクスのカーボン素材含有率は、95.0%になっています。

実際に手に取ってみると、とても張りのあるブランクスに仕上がっていると感じました。

グリップはやや細めで握りやすく、さまざまなロッドワークを繰り出しやすいでしょう。

ガイドには、ラインが絡まりにくいので、手返しのいい仕掛け投入を実践できそうです。

実売価格は9千円台と、とても低価格な設定に収まっているのが嬉しいです。

もし琉球列島などに遠征釣行をするなら、3ピース仕様のショアジギングゲーム用スピニングロッドを手にしてみてください。

そのほうが仕舞寸法が短くなり、航空機に載せられるからです。

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ダイワ(DAIWA) スピニングリール 23レグザ(LEXA) LT4000-C

ダイワから発売されている汎用型スピニングリール・レグザシリーズの中から、4000番サイズモデルを選んでみました。

ギア比は6.2対1なので、ハンドル1回転につき93cmのラインを巻き取ることができるように作られています。

最大ドラグ力は10.0kgですから、フエダイの強烈な引きにも耐えられるでしょう。

ウエイトは245gで、ボールベアリングは5個搭載しています。

ラインキャパは、PEラインなら1.0号を200m巻けます。

もっと太いラインを大量に巻きたいなら、5000番サイズのスピニングリールも検討してみてください。

ハンドルアームの長さは、60mmです。

実際に手に取ってみると、とても軽くて扱いやすい印象を持ちました。

ハンドルの巻き心地は、軽快で滑らかそのもの。

これならフエダイとのやり取りを、優位に進めることができるはずです。

実売価格は1万円台と、とてもコスパ優秀な価格帯に収まっています。

ショアジギングゲーム用のスピニングタックルをひとつ持っておけば、ショアからのキャスティングゲーム全般に利用できますし、エサ釣りにも対処可能です。

今回のブッコミ釣りはもちろん、活きエサによる泳がせ釣りなどにも使えるでしょう。

ガッチリした剛性感のあるローター周りのスピニングリールなら、安心して長く釣り場に持ち出すことができます。

ショアからのブッコミ釣りで大型のフエダイをゲットしよう!

フエダイの特徴や習性・釣り方・食べ方や、おすすめの釣りタックルをご紹介しましたが、いかがでしたか?

沖縄地方の群島などに遠征釣行する機会に恵まれたら、ぜひフエダイを狙ってみてください。

沈み根の隙間に逃げ込もうとする習性を持っているので、食い付いてきたら一気に引き離すことをおすすめします。

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