レビュー

転職や起業、副業などの選択肢が当たり前になっている現在、重宝される人材になるにはどんな力が必要だろうか? 著者は、四則演算の知識を使った「数字で考える力」を身につけることで、説得力、伝える力、儲けるセンスに満ちた、生産性の高いビジネスパーソンになれるという。
そう聞いて、「四則演算で事足りるのだろうか?」と思う人もいるだろう。

論理的思考力や分析力の方が重要だと考えるかもしれない。しかし、著者のいう「数字で考える力」とは、単なる計算力ではない。大前提となるのは、仕事の生産性をいかに上げるか。Speed is Powerという発想だ。そのためには、やるべき仕事を的確に把握し、能力を最大限発揮したうえで、周囲にもきちんとアピールする必要がある。これこそが真の「働き方改革」につながる。「数字で考える力」は、そのプロセスを強力にサポートしてくれる。
たとえば、上司に与えられた課題をどのように解きほぐせば、適切なソリューションにたどり着き、高く評価されるのか。そのために必要な発想の転換を非常にわかりやすく具体的に教えてくれるのが本書だ。
数字を足掛かりに仕事の視点を変えれば、生産性が上がるだけでなく、長期の目標達成の確度も上がると知ると、これまでのやり方を今すぐ変えたくなることだろう。また、数字で考える習慣は、発信力や求心力など、マネジメントに必要な能力の向上にもつながる。新しい部署でリーダー職に就く際にも、本書の内容が大いに役立つはずだ。

本書の要点

・四則演算でできる「数字で考える力」は、生産性の高いビジネスパーソンになるために重要な能力だ。ベースになるのは、仕事を納期だけでなく工数でも管理するためにタスクを因数分解すること、やるべき仕事かどうかを見極めるROIの発想、そして仮説を立てて検証する習慣である。
・「数字で考える力」は、部下を持つリーダーにとっても有効なスキルだ。プレゼンテーションでは、「自分らしい数字」を盛り込むことで、聞き手の注目を得て、その態度変容を促すことになる。また、人を動かすには、「見える化」が効果的だ。



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