【今日の一冊】勉強の哲学

【今日の一冊】勉強の哲学


レビュー

何のために勉強するのか。子供の頃は、受験で良い学校に合格するために勉強する。社会人になれば、資格取得やスキルアップのために勉強する。そうした勉強の目的は、良い企業に就職して、安定した生活を送ることだ。だが良い学校に合格して、資格をたくさん取得したからといって、必ずしも良い人生を送れるとは限らない。より良い生き方とは、自分なりの生きる楽しみ、すなわち享楽的こだわりを追究して実現すること、新たな享楽に出会って生まれ変わるような体験をすることではないだろうか。
本書は、いかに効率的に勉強して良い成績をとるかという、一般的な勉強論を提示するものではない。それどころかノリが悪くなること、「バカ」になることを推奨しているので、一見すると軽薄な本のように感じられるかもしれない。だが決してそうではないのだ。本書の核心には、専門的な学問や研究への深い信頼があり、世間の人たちがなんとなく合わせてしまっている「当たり前」を疑うという、哲学的な批判的思考がある。そして平易な文体の背後には、著者の高く積み重ねられた専門知と、経験に根ざした深い省察がある。
現代において教養を深める大切さを説いた、きわめて良識的な書物だ。読み終わる頃には、きっと「勉強」がしたくなる。

本書の要点

・人は周りのノリに合わせて生きている。しかし周りのノリとは違う新しいノリを手に入れるのが勉強だ。勉強とはノリが悪くなりキモくなること、新しいノリへ引っ越して、来たるべきバカになることである。
・勉強にはツッコミ=アイロニーと、ボケ=ユーモアという2つの方法がある。前者は自分が置かれているノリを疑って根拠を突き詰めることであり、後者はそもそものノリからズレることを意味する。
・勉強の範囲はキリがないため、有限化する必要がある。その範囲は、恒久的な「決断」ではなく、一時的な「中断」によって定めるべきだ。
・中断によって仮固定された範囲を、さらなる比較によって広げていく積み重ねが、勉強を続けるということである。



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2020年6月6日の経済記事

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