レビュー
ビジネスパーソンの多くが、「ソリューション」という言葉になじみがあるだろう。潜在的な顧客が生活や業務で直面している問題を見つけることが重要だ、と研修などで教えられた人も多いはずだ。
いまやソリューション、つまり正解を出せる人よりも、問題を提起できる人が希少になっている。そこで重要になるのが「世界観」という概念だ。
そもそも問題とは「ありたい姿と現在の姿とのギャップ」を指すのだから、ありたい姿、つまり世界観が明確に描けていれば、必然的に問題も見えてくる。
しかし世界観をありありと描くのは簡単ではない。しかも、まだ誰も見ていないものを表現しようとすると、なおさら難しくなる。この本では、その地平を鮮やかに示してくれる。
私たちも自分なりの世界観を持って日々の仕事に取り組めば、「世界という作品の制作に関わるアーティスト」として、これまでと質の異なる成果を残せるようになるはずだ。本書は、そのためのひとつの未来予想図となる。
本書の要点
・日本企業はこれまで「役に立つ」という価値で戦ってきた。しかしこれからは「意味がある」という価値に軸足を移すべきだ。
・「意味がある」とはストーリー、世界観があるということだ。スターバックスはコーヒー店というレッドオーシャンの極致のような市場で、世界観だけで勝負して世界中に広がった。
・デザインの役割とは、未来を連れてくることだ。いまここにない世界を想像し、鮮明に思い浮かべて実現への道筋を考え、最終的なアウトプットまでつくりあげることだ。
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