レビュー

本書は、いまや欠かせないキーテクノロジーであるAIと、今後さらに発展するであろうフィンテックについて述べたものだ。
本書の特筆すべき点は、ビジネス・ブレークスルー大学学長である大前研一氏に加え、各業界のトップランナーたちが語っていることにある。

AIについては、日本アイ・ビー・エムでWatsonの事業部長を務めていた吉崎敏文氏、トヨタ自動車先進技術統括部の岡島博司氏、合同会社DMM.COM会長の亀山敬司氏の3名が、フィンテックに関しては、マネーフォワード代表取締役社長CEOの辻庸介氏、ウェルスナビ代表取締役CEOの柴山和久氏、SBI Ripple Asia代表取締役を務めた沖田貴史氏、楽天執行役員・楽天技術研究所代表だった森正弥氏の4名が、それぞれの知見や自社の取り組みを紹介している。本要約では、大前研一氏、岡島博司氏のAIに関する論述と、大前研一氏、沖田貴史氏のフィンテックに関する論述を取り上げた。
AIは現在第三次ブームを迎えており、世界中でAIシフトが進行している。フィンテックも、とりわけ新興国を中心に急激な発展を遂げている。「AIやフィンテックに興味はあるけど、いまさら誰かに聞けない……」と感じているのなら、マストバイだ。

本書の要点

・世界中でAIへの移行(AIシフト)が始まっている。日本も早くAIシフトに対応しないと、AI産業の小作人になってしまう。
・主に新興国で、フィンテックを使った金融サービスが急激に進化している。日本の場合、現金決済の利便性の高さと全銀協システムの利用料の高さが足枷となっており、普及には至っていない。
・これからの日本企業は、プラットフォーマーとなるか、プラットフォームを効果的に利用するか、あるいはフィンテック要素技術のサプライヤーとなるかだ。フィンテックに対してどういうスタンスを取るのか、立ち位置を決める必要がある。



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