レビュー

インターネットの力は私たちの生活を劇的に変化させている。もはやスマホなしでは生活が成り立たない、という人も多いのではないだろうか。

本書は、このようなインターネットの力にいち早く気づき、時代を変えようとしてきた若者たちの物語だ。その多くは、大企業において定められたレールの上で仕事をすることに疑問を感じ、自らリスクを恐れず起業した。そして、仲間の輪を広げていきながら類い稀な行動力で積極果敢に挑戦し、ときには失敗をしながら自分のアイデアを成功へと導いていった。
思えばインターネットの黎明期は、冷え込んだ日本経済におけるひとすじの希望だった。本書に登場する「敗れざる者たち」がインターネットの力に魅了され、社会を変えると信じ、これを実現させた。インターネットがもたらす力は陰りを見せるどころか、これからも膨張止まらぬ勢いだ。AIやIoT、5Gなどの新しい技術が次々と登場する中、次の世代の若者たちがいまこの瞬間にも新たな挑戦を続けている。
新型コロナウイルスの蔓延により、私たち一人ひとりが変化への対応に迫られている。インターネットの力で社会を変えた本書の登場人物ほどのリスクはないかもしれない。しかし、立ち止まっていては置き去りにされる未来が待っているだけだろう。本書を一読すれば、アフターコロナの時代を生き残るための勇気をもらえるに違いない。

本書の要点

・インターネットの黎明期に藤田晋サイバーエージェントを立ち上げたが、自身の経営権を巡る争いに巻き込まれた。


三木谷浩史は6人の創業メンバーとともに楽天を立ち上げ、どぶ板営業で事業を拡大させた。アマゾンの日本進出の裏には、巨大な相手の懐に臆せず飛び込んだ二人の日本人の存在があった。
・mixiは日本のSNS市場で確固たる地位を築いたが、フェイスブックツイッターの波にのまれ、10年もたたずにその力を失うこととなった。



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