レビュー

「ビジネスで成果を出したい」「相手とうまく交渉を進めたい」――そんなときには、人間同士のコミュニケーションが欠かせない。接待で使えるようにゴルフの練習をしておこう、経営者と話を合わせるために美術館に通おう、とビジネス相手の興味関心に合わせて努力してきた方も多いだろう。


そのようなビジネスコミュニケーションツールの1つとして今注目されているのが「日本酒」だ。一流と呼ばれる世界のビジネスエリートがこぞって楽しんでいる。国際ワインコンテストでは日本酒部門が設立され、会食でも和食と日本酒が好まれている。
しかし、「日本」という国名が入っているにも関わらず、私たち日本人は日本酒についてあまり知らないのではないだろうか。著者がソムリエとして仕事をしていた頃、フランス人から日本酒や日本文化について尋ねられても思うように答えられないという、苦々しい体験をしたという。「他人の国の文化(ワイン)を語れても、自国の文化(日本酒)を語れない」状態だったのだ。
今後ますますグローバル化するビジネスシーンで活躍するときに、世界のトレンドとなっている日本酒について語れることは、より広く深い教養があることの証となる。そこから会話が膨らみ、ビジネスチャンスをつかめば、さらにネットワークを広げられるだろう。もしあなたが日本酒を好きでなかったり飲めなかったりしても、教養として日本酒を知っておくことは、きっとあなたの武器になるに違いない。

本書の要点

・和食が世界文化遺産に登録されたことをきっかけに、海外で日本酒の人気が高まっている。外国人とビジネス交流のある日本人の中でも、日本酒を教養として学ぼう、楽しもうという人が増えてきている。
・日本酒は特別な米や水を使用し、ときには醸造アルコールなどの添加物を加えて独特の味わいを出す。

その製法も特殊で、醸造酒でありながら比較的高いアルコール度数をもつ。
・歴史やマナーなどを知ると日本酒をより楽しむことができる。季節ごとの味わい方や料理との組み合わせといったものを意識したい。



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