レビュー
バブル崩壊に端を発した「失われた30年」。日本経済は停滞を続けている。
そうしたなか、果敢にDX(デジタル・トランスフォーメーション)を掲げて取り組んでいる日本企業がいくつもあることをご存知だろうか。日本企業はこの30年間、いたずらに失い続けただけではない。これから日本に大逆転のチャンスが来るというのが著者たちの見立てだ。今後IoT(モノのインターネット)が進み、フィジカルとサイバーが融合した広大な世界が登場したとき、日本が勝者になる可能性は十分にある――こうした主張には、率直にワクワクさせられる。
アメリカ企業が「選択と集中」で勝ち進んできた一方で、日本企業は「選択と集中」を苦手としてきた。しかし「選択と集中」を積極的にやってこなかったからこそ、日本は多様なものづくり技術と人材にあふれている。今後はハードウェアに強く、開発技術力を持つ多様な人材が、日本企業の強力な武器になるだろう。
先行き不透明な時代において、本書は日本の進むべきひとつの方向性を明確に表している。老若男女問わず、多くのビジネスパーソンに読んでいただければと思う。
本書の要点
・ものづくりの技術と「スケールフリーネットワーク」が有機的につながれば、日本が今後のビジネスで大逆転する可能性はある。
・スケールフリーネットワークでは、「平均的なノードにはこれくらいのリンク数がある」というスケール(尺度)がなく、大きなハブになったものがすべてを勝ち取る。
・日本企業はハードウェアなどの物理的な資産を多く持っており、これから始まる二回戦では優位に立つ。各社がアセットをオープンにすれば、ユーザーによってスケールフリーネットワークは自然と成長していくだろう。
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