レビュー
日本でもすっかり定着したクラウドファンディング。不特定多数の人から資金を集めることができる、新しい資金調達の方法として人気を集めている。
本書の著者である坊垣佳奈氏は、Makuakeの立ち上げから参画し、多くのプロジェクトの成功や失敗に立ち会ってきた。そんな著者は、インターネットの普及に伴うコミュニケーションの変化で、「売れる」法則が変わってきたと指摘する。人が「想い」にお金を払うようになってきているのだ。従来のような資金調達では、実績がない会社や、売上の読めない新しい挑戦は資金を得づらかった。しかし、プロジェクト実施者に強い想いがあり、それをサポートしたいと思う人たちがいれば、Makuakeを使って資金を集めることができる。そして、その流れが社会を動かすことすらある。
Makuakeの「売れる」新法則を見ていると、この法則が利用できるのはクラウドファンディングに限らないと気づかされる。クラウドファンディングに興味がある人だけでなく、新しい時代の「売れる」法則が知りたい方、既存の枠組みにとらわれずに新しいものを生み出したいと願う方に、広くおすすめしたい一冊だ。
本書の要点
・これまでの「成功」とは、資本的な豊かさのことであった。しかし、本質的な幸福度の高さを求める人が増えたことで、成功の定義は変化している。
・Makuakeでは、様々なプロジェクトに「応援購入」というかたちで資金が集まる。
・プロジェクトを公開すれば、簡単に資金が集まるわけではない。初動でうねりを広げるためには、既存のファン、サポーターの存在が欠かせない。
・大企業もMakuakeを使えば、「試作品」としてスモール・スタートすることができる。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に2,100タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。