レビュー
フェイスブックが「メタ」と改名したことにより俄然注目度が高まったが、そもそもメタバースとは何なのか、正しく説明できる人はどのくらいいるだろうか。この比較的新しい単語は、人によって異なる解釈があるようだ。
インターネットが普及して、私たちの生活の中にデジタルが浸透し、暮らしを豊かで便利なものに変えてきた。メタバースが普及すると、より一層そのデジタルとの融合が進むかもしれない。リアルより好都合で居心地がいいメタバース空間は、あらゆる人を虜にする可能性を秘める。ここにプラットフォームを提供できた企業は、次世代のインターネットの覇者となるだろう。
しかし、メタバースが新たな問題を生じさせることは容易に想像できる。厳しいリアルの世界にはもう戻れなくなる人が続出するかもしれない。人と人がリアルで出会う必要がなくなった世界は、いったいどういうものなのか。
コロナ禍は、オンラインでも仕事の効率を上げ、円滑なコミュニケーションがとれることを世に示した。私たちの生活や社会をより良くするために、メタバースはどのような役割を果たすのか。本書を一読して考えていただきたい。
本書の要点
・メタバースは、現実をそっくり志向する疑似現実を指すことがあるが、本書では「現実とは少し異なる理で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界」をメタバースと呼んでいる。
・「自分が活躍したり、寛いだりする場所は、必ずしもリアルでなくていい」というほど、メタバースは現実化しつつある。
・私たちはメタバースを、「個々人の人生の選択肢を広げる方向へ作用する」ように考えていかなくてはならない。
・メタバースは、サブカルチャーで独自の地位を築く日本にも勝機がある。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に2,100タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。