レビュー
学生時代に統計学に触れる機会のなかった要約者は、タイトルに入門書とある統計学の本に何度か挑戦してみたことがある。しかし、数式や数列が並び、専門用語のオンパレードで、とても読み進める勇気は出なかった。
統計を使えることにはどのようなメリットがあるのだろうか。著者は3点あげる。まず、数字の意味を自分事として理解できるようになる。次に、先を読めるようになる。たとえばデータを使って、ある商品の売上を予測できる。またビジネスのプランニングにおいて、失敗する可能性まで考えている人はどのくらいいるだろうか。事前にそうしたリスクまで統計学的に計算しておくことは、大変心強い先々への備えとなるだろう。
そして、AI時代に対応できるようになる。いま統計学が注目されているのは、人々がネットに常時接続する環境になったことで、膨大なデータを集められるようになったからである。そうしたデータをAIが処理することでさまざまなサービスが生まれている。
本書は、統計学的な説明を直感的に理解し、ビジネスでも使える統計学的なものの見方ができるようになるための本なのである。
本書の要点
・大きな数字も、単位あたりの平均を求める@(アット)変換によって自分事化できる。
・ビジネスプランにおいては、成功率と失敗率を事前に試算することで、期待値を出すことができる。そのうえで、期待値が費用に見合うものかを検討する。期待値を比較すれば、プラン同士の優劣を判断することができる。
・メンバーの能力、反対者の割合など、組織のさまざまな事象は、正規分布に近い割合で分散している。
・AIが生活のあらゆる分野に進出してくるデータ社会を生き抜くためには、多変量解析の理解は必須となる。
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