レビュー

「経済を学ぶ」というと、ついつい退屈な教科書や経済ニュース、金融、投資などのカタイ話を思い浮かべてしまう。必要性を感じ、勉強しようと思っても、それらの話に苦手意識を持っている人だと、なかなか頭に入らないものだ。
本書は、そんな人にとっても読みやすくわかりやすい一冊だ。何せ、高校生が興味を持てるように工夫しているのだから。
本要約でも取り上げている問いだが、そもそも「お金」とは何かについて考えたことはあるだろうか。当たり前のように使っているが、よくよく考えてみれば確かに「お金」とは不思議な存在である。それを得るために、人は働き、ときに争いが起こる。また、それを使うことで自分の欲求を満たすものが手に入る。多くの国で当たり前のように使われている紙幣も、実物は「印刷した紙」でしかない。
本書によると、「お金」は「想像の産物」だという。政府が「お金には価値がある」と言い、すべての人がそれを信じているから、「お金」が成り立っているのだ。
著者は、アメリカの高校で経済学を教えている教師だ。「経済の話はつまらない」という先入観を持つ生徒たちに出会い、楽しめる経済の本を書きたいと思うようになったという。
高校生向けの経済学の本と侮るなかれ。内容は多岐に渡り、かなり深く濃い。しかも、日常的でわかりやすい例を多く用いているので、身近にその意味を感じることができる。
はじめて経済学を学びたいと思っている人から、より広く知りたいと考えている人までおすすめの一冊だ。