レビュー

「センスのいい人になりたいですか?」と聞かれて「いいえ、興味ないです」と答える人はほとんどいないだろう。ファッションセンス、ビジネスセンス、言葉や音楽のセンス……さまざまな「センス」があるが、誰もが何かしらのセンスについて「自分にも備わっていたらいいのに」と思っているのではないだろうか。

そしてたいていの場合、その言葉の後に続くのは「でも、センスは生まれつきのものだから(自分には無理)」だ。
そんな人にはぜひ本書を読んでほしい。本書のプロローグにおいて、「くまモン」を手がけたことで知られるクリエイティブディレクター、水野学氏は「センスのよさはミステリアスなものでもないし、特別な人だけに備わった才能でもありません。方法を知って、やるべきことをやり、必要な時間をかければ、誰にでも手に入るものです」と書いている。つまり、センスは後天的に身につけられるのだ。
では、センスのいい人になるためにいったい何をすればいいのか。答えは簡単、「知識を増やす」だ。水野氏によると、さまざまな知識を蓄積してこそ、アウトプットの幅が広がるという。本書では、知識を蓄積してセンスを磨くための具体的な方法が惜しげもなく紹介される。
本書は、2014年の刊行以降、10年近くにわたって愛され続けてきたロングセラーである。読めばきっと、本書が支持され続けている理由がすぐわかるとともに、自分の感覚や選択に自信が持てるようになるはずだ。

本書の要点

・センスは、ひらめきのようなものでも特別な才能でもなく、知識の集積である。

知識が多ければ多いほど、アウトプットの可能性が広がり、センスのいいものを生み出せる。
・知識を増やしてセンスのいいアウトプットをするには、(1)王道を知る、(2)流行しているものを知る、(3)集めた知識の共通項やルールを探す、の3ステップが有効だ。
・思い込みはセンスアップの敵だ。思い込みを外すには、別の職業の人と話したり、新しいルートで通勤したりと、いつもと違うことをするとよい。



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