レビュー
淡いピンクとライトブルーの優しい色味に包まれた表紙。まさに「読むだけでフワッと癒やされる本」というタイトルが示すとおり、著者の願いが正面から伝わってくる。
著者は精神科医、作家としてこれまでに43冊の本を出版している。情報発信によってメンタル疾患を予防しようと、心の健康に役立つ本を世に送り出してきた。しかし科学的根拠に基づいて行動変容を促す専門書も多く、読者からは「心が疲れている時は読むのがつらい」との声が寄せられたこともあるそうだ。そうした声が、本書のように「気軽に手に取れて、読むだけで癒される本」の誕生につながった。
かつての著者の作品のように、読んで得た知識を活かして行動に移す必要はない。ぼんやりとイラストを眺めるだけで優しい言葉が目に飛び込み、心を和ませる考え方が自然と身についていく。自分の悩みや心配ごとに近い内容が書かれたページから、自由に読み解いていくのもオススメだ。
改めて、言葉には心と体を柔らかく解き放つ力があるのだと感じられる。ストレスを100%消去することはできない。時には人生のスパイスとなって、役立つ場合もある。波風と上手にお付き合いしながら、しなやかに生きていくためのお守りのような一冊だ。
本書の要点
・仕事、人間関係、キャリア、生き方。人は、日々さまざまな悩みや不安に囲まれている。そこから生まれてくるストレスをいかに解消するかについて、41の質問と具体的な対応策が提示されている。
・「相手の長所も具体的に伝えた上で仕事を依頼する」「雑談を取り入れてみる」「3行日記を書いてみる」「睡眠・運動・朝散歩を続ける」など、自分ができるところから始めてみよう。
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