レビュー

これからの時代、組織を越え、さまざまな立場の人が協同するプロジェクトが増えることはほぼ確実だろう。そんな時代にあっては、気心の知れたメンバーだけで成り立つ「あうんの呼吸」のコミュニケーションは通用しない。

「思考を整理して相手にわかりやすく伝える力」と「相手の言いたいことを的確に理解する力」、そして「相手の事情や心情を想像して立ち回る力」がますます必要性を増すはずだ。こうした力のことを本書では「構造を読み解く力」と言う。
「構造を読み解く力」を身につけるには、どのようなトレーニングが有効なのだろうか。そのヒントは小学生・中学生・高校生のときに受けた国語の授業にある。
わたしたちは国語の授業で、論説文や説明文、物語文をじっくり読み解いた。その文章が最も伝えたいメッセージを的確に表した一文を選んだり、文章をいくつかの段落に分けたり、登場人物の心情を想像したり……このような授業のねらいを一言で言うと「構造を読み解く力」を磨くことだったのである。
コンサルタント出身で、グロービス経営大学院でクリティカルシンキングなどの授業を担当する著者によると、「構造を読み解く力」が身につくと、思考力が養われ、インプットとアウトプットのレベルが上がるだけでなく、会議や交渉ごともうまくいく。つまり「構造を読み解く力」はビジネスパーソンの必須スキルなのである。ビジネスパーソンとしてレベルアップしたい方は、ぜひ本書を手に取ってほしい。

本書の要点

・論理は言語を超える究極の「共通言語」だ。「構造を読み解く力」を身につける過程で、思考の質が高まり、仕事やコミュニケーションがより円滑なものになる。
・論説文や説明文を読む際には、その文章を構成する文がそれぞれどんな役割を果たしているかを分解すれば、文章全体をより深く理解できる。


・物語文をじっくり味わう訓練によって、他者の心情やその場の空気を読み取る力が養える。こうした力は会議や交渉においても役立つものだ。



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